業務・システム最適化の実施等

評価委員会へ提出した意見。今回は、「業務・システム最適化」についてです。

(1)業務・システム最適化の実施

●最適化計画の見直しについて柔軟な対応を

最適化計画を実行する段階で、より適切な手法等が有効と判明した時は、各府省PMOやCIO連絡会議等の助言・承認を得ることで、最適化計画の改訂を待たずに、当該手法等を採用できるようにするのが有効と考えます。

●最適化の対象について、統合化を進め、優先順位を付け、絞込みを

現時、業務・システム最適化の対象が85分野もあり、このままでは連携・調整が不十分なまま、スケジュールに合わせて実施される恐れがあり、出来上がるシステムの品質低下により、期待されるコスト削減効果を実現できない可能性が高いと考えます。

最適化の対象分野について、他のシステムやサービスとの関連性を明確にし、統合できるものは統合し、さらに優先順位を付けることで、重点的に実行する分野を絞り込む(10~20ぐらい)必要があると考えます。

統合を検討するべきシステムとしては、

・調達関連(財産管理を含む)のシステム
・地方公共団体との情報共有関連システム
・捜査関連のシステム
・防災気象関連のシステム
・金融関連のシステム
・地図情報関連のシステム(登記情報を含む)
・経理関連のシステム
・労働社会保険関連のシステム
・食料品関連のシステム
・電子計算機システム

優先順位が高いものとしては、

・府省共通業務・システムのうち基盤となるシステム
 (予算・決算業務、職員等利用者認証業、文書管理業務など)
・国民の利便性を実感しやすいシステム
(行政情報の電子的提供業、職業安定行政関係業務、地震津波監視業務・システなど)
・コスト削減等の効果が大きいシステム

などが考えられます。

★補足コメント:
一見すると整理されているような印象を受ける最適化計画ですが、よくよく見るとかなり危なげです。

今一度、優先順位や相互関連性(依存性)を明確にしないと、期待される効果を挙げられないばかりか、電子政府における負の遺産の再発となってしまう可能性が非常に高いです。

(2)業務・システム最適化の評価

●各府省PMOにおける評価と、電子政府評価委員会への報告を

各府省PMOにおいて、「業務・システム最適化実施の評価指針」に基づく評価を実施すると共に、評価結果(特に課題と対策)について、電子政府評価委員会に報告されることが必要と考えます。

●評価結果を踏まえて、予算の見直しと担当府省の変更を

評価結果が良くないものについては、予算の見直しと担当府省の変更等を行い、確実に実行できる体制を再整備し、失敗の繰り返しがないようにする必要があると考えます。

(3)業務・システム最適化のモニタリング等

●評価委員会への報告で、「身内」だけの監視とならない配慮を

各府省PMOにおいて、定期的なモニタリングを実施すると共に、実施状況について、電子政府評価委員会に報告されることが必要と考えます。

報告の頻度は、最低でも年2回以上として、担当府省PMOのモニタリング結果に加えて、他府省PMOやCIO補佐官の意見等を添えることで、「身内」だけの監視・評価とならないよう配慮することが望まれます

★補足コメント:
業務・システム最適化実施をチェック体制は、作者の理解では次の通り。

1 府省PMO等(担当府省)
2 各府省情報化統括責任者(CIO)補佐官等連絡会議
3 電子政府推進管理室(内閣官房)
4 電子政府評価委員会

1で行われる「業務・システム最適化実施の評価指針」に基づく評価は、基本的には「身内」による評価です。評価シートに自己申告で記載していくので、項目によっては評価の内容に客観性を期待できません。

3も、基本的には監視・評価というよりは調整・連絡役を担っているので、あまり突っ込んだ評価は期待できないでしょう。

技術的な問題も含めて、実質的な監視機関となるのが2であると思いますが、参考意見を述べる程度に留まっている感もあり、なかなか難しいところです。

4の電子政府評価委員会は、予算や政策等への影響力もあるので、権限としてはかなり強力なのですが、使える人や時間(お金も)が少ないので、85分野もある業務・システム最適化を一つ一つチェックして評価することは、まず無理と思います。

改善策としては、2、3、4の協力・連携の強化などが考えられますが、今やるべきことは、

A 業務・システム最適化の実施フロー(PDCA)を整理する
B 業務・システム最適化の優先順位や相互関連性を整理する

このAとBの結果を一枚紙で表して、全体の共通認識とする。その上で、弱い部分を補強していくのが良いでしょう。

作者の理解するところでは、「業務・システム最適化の実施」はかなり危機的な状況にあります。さらに、「オンライン手続の利用促進」ばかりが注目される傾向もあるので、このままでは失敗(と認めないだろうけど)となってしまうでしょう。

作者自身も、なんとか今の状況を打開できるように、地道に活動していきますので、皆様のご協力をよろしくお願い致します