デジタルファースト法案と各府省デジタル・ガバメント中長期計画 – manaboo.com 電子政府ブログ

デジタルファースト法案と各府省デジタル・ガバメント中長期計画

昨年5月に決定された 「デジタル・ガバメント推進方針」、今年1月の「デジタル・ガバメント実行計画」に続いて、「デジタルファースト法案」や「各府省デジタル・ガバメント中長期計画」の内容が見えてきました。
<法案の主な内容(検討中)>
① 行政手続のオンライン化の徹底
・行政手続のオンライン原則
・本人確認手法のデジタル化
② 添付書類の撤廃
・行政機関間の情報連携等による添付書類の省略
・添付書類のデジタル化
③ デジタル化を実現するためのシステム整備等
・オンライン化及び添付書類の撤廃のためのシステム基盤の整備
・システム整備に当たってのAPIの整備及び活用
・デジタル化に当たってのデジタル・デバイドへの配慮
こうしたデジタル・ガバメントの動きに対して、2000年代の電子政府を知っている関係者の多くは、懐疑的な見方をしているようです。当時に比べると、マイナンバー制度やスマホ普及など環境は大きく変わり、データの重要性に対する認識は高まったものの、 デジタル・ガバメントで実現しようとしているものは、2000年代の電子政府で実現を目指したものとほとんど変わっていないからでしょう。
電子政府の本気度は、行政改革や社会制度改革の本気度と一致します。しかし、公証人の5万円の手数料すら見直せない現状や、相も変わらず自治体ごとに情報システムやデータベースを保有するデータガバナンス・ITガバナンスを続けて、公務員の雇用流動性も低いままでは、電子政府の本気度は見えてきません。これでは、電子政府の呼び方を「デジタル・ガバメント」にしても、同じことが繰り返されて、自治体の負担も増えるばかりです。
一日も早く、「デジタル・ガバメント」の本気度を見せて欲しいと思います。


デジタル・ガバメント閣僚会議(第1回) 平成30年6月8日
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dgov/dai1/gijisidai.html
デジタルファースト法案及び各府省デジタル・ガバメント中長期計画について
行政のデジタル化の成果を展開することで、民間まで含めた社会全体のデジタル化を推進すると。
平成30年第8回経済財政諮問会議 平成30年6月5日
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0605/agenda.html
「経済財政運営と改革の基本方針2018(仮称)」原案を公開。
・戸籍事務などの公共性の高い分野におけるマイナンバー制度の利活用を進めるとともに、情報連携対象事務の拡充を行う。マイナンバーカードについて、これを利用した医療保険のオンライン資格確認の平成32年度からの本格運用や公的個人認証の民間部門における活用・普及促進に向けた取組を着実に進めるなど、ロードマップに基づく官民の取組みを強力に推進し、進捗状況を点検・評価する。
・「デジタルファースト法案(仮称)」(2018年中の国会提出)、「介護」・「引越し」・「死亡・相続」に関する手続のワンストップ化、公的個人認証を活用したオンライン手続きをスマートフォンで可能とするための法制度整備等を内容とする「デジタルガバメント」を2018年度から2020年度までに推進する。
関連>>茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0605/interview.html
「新たな外国人材の受入れ」は、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築するため、新たな在留資格を創設する。人生100年時代構想会議の「基本構想」、「未来投資戦略2018」の内容もこの骨太方針に反映をさせる予定と。


「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第2版)」(案)に対する意見募集 平成30年6月7日(木)から7月6日(金)まで
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000149.html
「ASP・SaaS における情報セキュリティ対策ガイドライン」(2008年1月)と「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン」(2014年4月)を統合。全体構成は、序編、組織・運用、物理的・技術的対策、IoTサービスリスクへの対応方針、参考資料。
マイナンバーカード5万4千人引き取らず 道内12市
メリット感じず不要と判断 製造1枚千円、廃棄する自治体も
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/197032
未受領のマイナンバーカードを廃棄する自治体も出てきたと。マイナンバーカード申請者に高齢者の割合が多いので、「カード交付は義務」と勘違いしている人がけっこういる(私の周囲にもいました)だろうなあとは思ってたのですが、実際そうだったのですね。
5万4千枚と言えば、エストニアのeレジデンシーIDカード全発行枚数3万数千枚を優に上回る数字です。人口規模が大きいだけに、無駄が発生した時の損害規模も大きくなります。ちなみに、eレジデンシーカードの場合、受取り可能になってから6ヶ月以内に本人が大使館等へ出頭して受取る必要があります。
平成30年度「地域情報化アドバイザー」派遣申請の受付開始 平成30年6月6日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000170.html
平成30年度のアドバイザーとして、161名・7団体に委嘱を行いましたと。自治体のICT活用事例について取材等をすると、「地域情報化アドバイザー」を上手に活用されていることがわかったりします。
高齢社会に対応する北欧諸国の研究開発
http://agora-web.jp/archives/2033018.html
山田肇先生が、人中心のケアと治療(Person centered care and treatment)に関する研究開発状況について、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークの事例を紹介されています。エストニアではゲノムデータを完全なオプトインで収集していますが、国によっては全国民のデータを収集するような法制度を採用しているところもあるので、GDPR対応の法改正が必要になりますね。
わたしは、ダニエル・ブレイク
https://bit.ly/2kWgES6
ケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観ました。病気で働けなくなった主人公が、煩雑な社会保障制度に悪戦苦闘するのですが、色々と悲しくて切なくて。。
舞台となっている英国は「電子政府先進国」とされているのですが、映画に出てくるオンラインサービスは、ちっとも利用者に優しいものではありませんでした。。制度そのものが複雑で使いにくい限り、電子政府でできることも自ずと限られるのですよね。改めて、電子政府の本質が行政改革であり制度改革であることを確認できるドラマでした。電子政府関係者の研修教材にして欲しいなあ。
政府発・2040年社会保障推計の甘過ぎる中身
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201806/556231.html
就業者人口は減り続けるのに、2018年から2040年までの経済成長率が1.3~2.5%に設定されており、「日本経済が安定して成長し続ける」と仮定されていると。
【女子大生スタートアップ取材ブログvol.8】 行って分かった、電子国家エストニアのリアルな暮らし!
http://hash.city.fukuoka.lg.jp/fgn/archives/8
エストニア市民が、どのように電子政府にアクセスして利用しているのかがわかります。若者らしい元気なリポートで、読んでるだけで元気になりますね。さすがにマイナス26℃は、エストニアでもあまり聞かない気温です。。
IDカードを使ったサービスや、電子政府の仕組みはとても便利。オンラインでほとんどのことができる。銀行口座も家からできるし、全てが早い。運転免許証やEU内パスポートの代わりにもなるので、若い人はIDカードだけ持っている人がほとんどですと。
マイページは英語でも提供されているので、eレジデンシーを取得している人は、ぜひ一度アクセスしてみてください。
Gate to e-state   best place for finding public services
https://www.eesti.ee/en/
state e-services portal
https://e-estonia.com/solutions/e-governance/state-e-services-portal/
ネット投票 なぜできない
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/4975.html
北欧の「エストニア」の方式を参考に、日本でも導入に向けて具体的な検討を進めていることがわかってきた。エストニア大使館で、デモンストレーション用のシステムでネット投票を体験させてもらったと。「エストニア国民であれば、スマートフォンからも投票できる」とあるのは、IDカードに代えて、スマホ(モバイルID)でログインできる(投票はパソコンで行なう)という意味でしょうね。
ある総務省幹部の言葉「システムがダウンして、もし選挙が無効になったら、内閣は倒れるよ」というのはよくある誤解ですね。エストニアのインターネット投票は、紙の投票を支援する「期日前投票の手段の一つ」という位置づけなので、「システムがダウンして選挙が無効になる」可能性はほぼゼロで、「今回のインターネット投票は中止となったので、投票所での投票をお願いします」となるだけです。
宮城県石巻市、なりすましメール対策の開始について
~東日本自治体 初の「安心マーク」導入~
https://kyodonewsprwire.jp/release/201805073620
石巻市からのメールに「安心マーク」が付いているか否かで、受信者はなりすましメールかを判断することができるようになると。
行政文書の管理の在り方等に関する閣僚会議 平成30年6月5日
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201806/05gyoseidoc.html
総理の冒頭挨拶では、
「梶山公文書管理担当大臣及び野田総務大臣におかれては再発防止を徹底するため、公文書に関するコンプライアンス意識の改革を促す、実効性のある取組の推進、行政文書をより体系的、効率的に管理するための電子的な行政文書管理の充実、決裁文書の管理の在り方の見直し、電子決裁システムへの移行の加速について早期に実施、実現するよう全力で取り組んでいただきたいと思います」と。
関連>>野田総務大臣閣議後記者会見の概要 平成30年6月5日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000698.html
結局「決裁」は、申請の受付、意思決定、許可といった一連の「業務プロセス」の一部に過ぎず、やはり「プロセス全体の見直し」と「電子化」をセットで進めることこそ、迅速・正確な業務処理や、ひいては行政文書の確実な保存・管理の近道だということになります。
外為法に基づく「支払又は支払の受領に関する報告書」のオンライン報告について改善します 平成30年6月8日 財務省
https://www.mof.go.jp/international_policy/gaitame_kawase/gaitame/recent_revised/gaitamehou_20180608.htm
書面報告との差別化で利用インセンティブを高めるようですね。
オンライン報告の場合に限?り提出期限を延長、全ての取引先銀行等の報告を1つのファイルで報告が可能、支払等報告書以外でも外為法に基づくオンライン報告は可能など。
日常に見る機械化と生産性と失業率の関係 – Chikirinの日記
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20180605
法務局で登記関係の証明書をもらってきた際の体験談。機械で全てできることを、わざわざ2名の人間に仕事を割り振っていると。エストニアだと、そもそも「証明書の発行」が不要になるようにしているのですが。。
第3回イノベーション戦略調整会議 平成30年6月5日
http://www8.cao.go.jp/cstp/senryakukaigi.html
統合イノベーション戦略(素案)、「科学技術・イノベーション政策強化推進のための有識者会議」など。夏以降、閣議決定に基づき、司令塔会議を横断した調整・推進機能を有する会議を設置する。持続可能な社会形成のため、健康・医療本部のリードの下、健康長寿社会の形成に向け医薬品創出、医療機器開発、オーダーメイド・ゲノム医療等に取り組む。
分野ごとのデータ連携基盤の整備では、<健康・医療・介護>において
・次世代医療基盤法28の施行後、医療情報の取得、匿名加工医療情報の作成・提供等を行う事業者を速やかに認定
・データヘルス改革を進め、健康長寿社会の形成に向けたデータ利活用基盤を2020年度から本格稼働
人間中心のAI社会原則検討会議(第1回) 平成30年5月8日
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/humanai/1kai/1kai.html
国際的な議論等諸外国の動向、国内における取組紹介など。配布資料に目を通すと、国内外のAIを取り巻く全体像がわかりますね。
AIをより良い形で社会実装し共有するための基本原則となる人間中心のAI社会原則を策定し、同原則をG7及びOECD等の国際的な議論に供するため、AI技術並びにAIの中長期的な研究開発及び利活用等に当たって考慮すべき倫理等に関する基本原則について、産学民官のマルチステークホルダーによる幅広い視野からの調査・検討を行う。
株式会社Preferred Networksからの意見は、電子政府関係者も読んでおいた方が良い内容です。
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/humanai/1kai/sanko2.pdf
サイバーセキュリティタスクフォース(第9回)平成30年4月11日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/cybersecurity_taskforce/02ryutsu03_04000116.html
「IoTセキュリティ総合対策」の取組状況、「公衆無線LANセキュリティ分科会」における検討、「情報開示分科会」における検討など。
プレミアム・アウトレットが情報漏洩の調査結果を報告
認証失敗時のパスワード流出認める
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/01507/
漏洩原因はWebサーバーが抱えてたSQLインジェクションの脆弱性。会員データとエラーデータに含まれるパスワードはハッシュ化などの処理をしていなかったと。アウトの事例ですね。
日ごろの備えから災害時まで
防災情報の総合窓口「防災ポータル」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201806/1.html
様々な自然災害や、事前事後に役立つ様々なウェブサイトやアプリに簡単にアクセスできますと。多言語提供なので、日本語クラスでも使えそうです。
防災ポータル
http://www.mlit.go.jp/river/bousai/olympic/index.html
Netflixのレコメンドは行動を分析 性別や年齢は対象外
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/060101710/
個々のメンバーの視聴傾向を分析すると同時に、メンバー全体で見たときにどんなものが求められているかも分析し、次にどんなオリジナルコンテンツを制作するかを決めていく。出来上がったコンテンツをメンバーにどう見てもらうのかというデータもあり、また次のコンテンツ制作に生かされると。電子政府とは資本力もモチベーションも違うのですが、学ぶべきことは多いですね。特に“real you”(本当のあなたが何を求めているのか)は重要です。ペルソナでプロトタイプを作ったとしても、その先に目指すのは“real you”ということです。
「FBが予想外の宣伝してくれた」 EUのGDPR担当
https://www.asahi.com/articles/ASL6166TFL61ULZU00H.html
・規制は公的機関も対象にしています。個人データの収集は、法律で許されている範囲で行い、必要なくなったら削除する。
・欧州において個人情報の保護は基本的な権利。
・規制の主な対象は、個人データを処理してマネタイズ(収益化)する企業です。
GDPRで「ネットの有料化」が加速する可能性は高い
https://diamond.jp/articles/-/171974
ネットビジネスの健全化につながる可能性については、その通りと思います。「個人情報の所有者とその権利を改めて明確にしている」とありますが、GDPRは基本的人権やデータ保護の権利に関するもので、データの「所有権」については触れていないですよね。個人データは「所有権」という概念に馴染まないですから。