電子政府やeヘルスで「最初に決定するべきこと」は?

AI・IoT時代のデータ標準化について平本健二氏(内閣官房政府CIO上席補佐官)の話を聞く
http://interview.hatenablog.jp/entry/2018/06/03/220758
平本さんは、日本の次世代電子政府のキーパーソンの一人ですが、データという地味なテーマに地道に取組まれている姿勢に頭が下がります。エストニアでは、電子政府でもeヘルスでも、「最初に決定するべきこと」として「データのあり方をどうするか」を挙げています。重要なのは「取組むべき」ではなく「決定するべき」としていることです。この違いはものすごく大きいのです。
未来投資会議(第17回)平成30年6月4日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai17/index.html
「未来投資戦略2018」(素案)が出ています。「行政」が変わるで、アナログ行政から決別(行政サービスをデジタルで完結、行政保有データのオープン化)を提示。この戦略が実行されると、2020年までにデジタル政府やeヘルスがかなり進むことになりますね。
■デジタルガバメントの推進
・デジタルファースト一括法案の提出
・ワンストップ化・ワンスオンリー化の推進
-個人向け:介護、引越、死亡・相続 等
-法人向け:法人設立手続、社会保険・税手続 等
・一元的なシステム整備に向けた推進体制の強化
(情報システム関係予算に府省横断的視点を反映等)
■次世代ヘルスケア・システムの構築
・個人の健康状態や服薬履歴等を本人や家族が随時確認でき、日常生活改善や健康増進に繋げるための仕組みである PHR(Personal HealthRecord)について、2020年度より、マイナポータルを通じて本人等へのデータの本格的な提供を目指す。
第34回規制改革推進会議 平成30年6月4日
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20180604/agenda.html
規制改革推進に関する第3次答申、規制改革実施計画のフォローアップ結果など。医療・介護分野では、オンライン医療の普及促進、医薬品医療機器総合機構による審査の効率化、社会保険診療報酬支払基金に関する見直し。投資等分野では、放送を巡る規制改革(通信と放送の枠を超えたビジネスモデルの構築) 、放送を巡る規制改革(電波の有効活用その他)、官民データ活用と電子政府化の徹底。重点的にフォローアップに取り組んだ事項として、税・社会保険関係事務のIT化・ワンストップ化、IT時代の遠隔教育、官民データ活用など。色々と限界を感じる内容で、特に目新しいものは無い印象です。
オンライン資格確認について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180214.html
オンライン資格確認に関する調査研究事業の報告書(平成27-29年度)を公開。2020年度中の本格運用により
・マイナンバーカードを用いた資格確認
・保険証(個人単位の被保険者番号)を用いた資格確認
・特定健診データの閲覧
・医療費等情報の閲覧 などのサービスが可能になると。
関連>>第2回医療等分野情報連携基盤技術ワーキンググループ議事要旨
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209837.html
第3回「データヘルス時代の母子保健情報の利活用に関する検討会」の資料
平成30年5月24日
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208364.html
乳幼児健診における市町村が電子的に記録する情報、妊婦健診における市町村が電子的に記録する情報、学校保健との連携など。
医療通訳に関する資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056944.html
テキスト「医療通訳」などを公開。
日本の政府・自治体での「ネットワーク分離」は世界的には異例
http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/14/239942/050200013/
政府の事業運営や住民サービスの向上にとって、クラウドサービスの導入はますます重要になっている。行政システムをインターネットから切り離す「ネットワーク分離」政策では、クラウド活用による効率化の恩恵が損なわれてしまうと。日本以外では、シンガポールで進めると発表がありましたが、その後どうなったのかな。
関連>>シンガポール、公務用コンピューターのネット接続を遮断へ
http://www.afpbb.com/articles/-/3089822
Internet access block for public servants ‘absolutely necessary’ for security
https://www.channelnewsasia.com/news/singapore/internet-access-block-for-public-servants-absolutely-necessary-f-7985936
IMDA – Info-communications Media Development Authority of Singapore
https://www.imda.gov.sg/
日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書について
2018年6月4日
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/press/2018/201806/20180604.html
事案の概要、契約締結後の業務等の実態、調達手続きの実態、今後の外部委託のあり方など。「日本年金機構における業務委託のあり方」ではなく、「公的年金に係る業務委託のあり方」を議論した上で、日本年金機構への業務委託の縮小・廃止を進めて欲しいものです。
IT化、システム化の推進
①電子申請の促進等、事務処理の電子化の促進(紙の削減、入力業務の削減)
②機構内情報の活用(機構内データの活用によるデータ入力項目の削減により正確性確保・業務効率化を図る等)
③業務プロセスの見直しを行った上で、最新のIT技術の活用を含め、現行システムの改善及びシステム刷新の取組を進める
個人情報を中国に流出で窮地 従業員に倒産を告げる社長の“演説”がすごい
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180525-00007498-bunshun-soci
開き直り具合がすごいけど、この社長も「データ入力作業を減らそうとしない年金機構」の被害者と言えなくもないかな。
GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)
https://www.ppc.go.jp/enforcement/cooperation/cooperation/GDPR/
個人情報保護委員会による日本語訳など。日本の個人情報保護委員会は、少ない人数で密度の高い仕事をされてますね。
関連>>個人情報保護委員会熊澤委員と欧州委員会ヨウロバー委員との会談
https://www.ppc.go.jp/enforcement/cooperation/cooperation/300531/
可能な限り早期に、個人情報保護法第24条に基づく個人情報保護委員会によるEUの指定及びGDPR第45条に基づく欧州委員会による日本の十分性認定に係る手続を完了させるための作業を加速することに合意しました。
How we worked together to prepare for GDPR
https://gds.blog.gov.uk/2018/05/31/how-we-worked-together-to-prepare-for-gdpr/
英国電子政府としての対応を紹介。GDPRプロジェクトは合計19のワークストリームで構成されており、現在まで1年近く作業を続けている。GDPRへの対応は、サービスに対する信頼を高めるチャンスでもあると。
・既存の商業契約がGDPRに準拠しているか
・同意書やプライバシーに関する通知など、個人情報の取扱いと処理が適切か
事業全体のすべての処理活動の文書化、4,000社を超えるサプライヤーとの契約変更・更新が大変だったと。
【フェイスブック】低い原価率の“楽園”は終焉、GDPRで狭まる包囲網
https://diamond.jp/articles/-/170513
ネット広告の品質が向上することに期待しましょう。
関連>>GDPRより怖い? EUが準備中の「クッキー法」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/052500827/
欧州サイトで出てくるクッキーの利用を求める「ポップアップ」を見るにつけ、ポップアップ表示オフにしている人への対応はどうしてるのかなと思います。
データ規制 柔軟なルールを マティアス・ライスナー氏 独ミュンヘン大教授
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO31212720R30C18A5TCR000/
次世代の産業の基盤でもあるデータを巡る規制は、個人や企業の権利を保護しつつ、情報の自由な流通を担保するという前提に立ち設計する必要があると。産業データも、個人データか非個人データかの見極めは難しくなるばかりなので、現在の欧州ルールも変更を余儀なくされることでしょう。
グーグルに会社売った起業家、今度は栗田工業へ売却
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31144390Q8A530C1X11000/
AIを使うことで交換の失敗を防ぎ、更新コストの削減を実現できると。加藤崇氏のような起業家と組むことで、日本の大学も多くのことが学べますね。
手書き文字をほぼ100%認識、AIで書類を効率よくさばく会社
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/051600049/051600004/
帳票の種類を認識し、FAX仕分けがゼロに。全国から届いた申込書や見積依頼書などのファクシミリ文書は、複合機で画像データに変換すると。ファクシミリの利用を止めないところが日本らしいですね。
合成アイデンティティ詐欺、Fintechを襲う新たな脅威の手口
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00141/052100018/
合成アイデンティティ詐欺は、米国のクレジットカード会社が利便性向上のためにオンラインだけで口座開設をできるよう、身分確認を簡略化したことを逆手にとった手法。ナレッジベース認証ではまず、サービスを申し込んだ利用者に氏名や住所、生年月日、SSNなど「本人しか知り得ない情報」を登録してもらうと。「ナレッジベース認証」を誤解しているような。。アメリカは今後も「成りすまし天国」のトップリーダーであり続けるようです。
仮想通貨の資金消失をもたらした「51%攻撃」とは何か
https://diamond.jp/articles/-/171239
ブロックチェーンそのものが狙われた最初の攻撃だが、規模の大きいビットコインでは51%攻撃はあり得ないと。
産業サイバーセキュリティ研究会(第2回)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/sangyo_cyber/002_haifu.html
産業サイバーセキュリティ強化へ向けたアクションプランでは、Society5.0/Connected Industriesの進展に対応した『サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク』等を策定すると。
森友文書でも発覚、繰り返される墨塗りPDFファイルからの情報漏洩
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00529/
PDF編集ソフト「Adobe Acrobat Pro DC」を使った場合、墨消しツールを使って情報を削除するのが良いと。「墨塗りPDFファイル」という発想自体がずれていると思うのですが。。
関連>>森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書(平成30年6月4日)
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180604chousahoukoku.html
幼保無償化、19年10月から
https://jp.reuters.com/article/idJP2018052601002152
幼児教育・保育の無償化を2019年10月から全面実施する方向。無償化には消費税増税に伴う増収分の一部を活用すると。
日本の学校でIT化が進まないのはなぜ? 保護者への連絡はいつまで「お手紙」なのか
https://news.yahoo.co.jp/byline/otsukareiko/20180528-00085735/
IT化が進まない大きな理由のひとつは、端的に、お金の問題ではないかと。エストニアでは、下記の通り、お金の問題も含めて解決されています。
関連>>エストニアの教育クラウド「e-School」を日本でも実現しよう!!
https://blog.goo.ne.jp/egovblog/e/eb711b2b0ea70d4a05ba0d22308cd13c
「e-School」は民間のサービスで、学校が規模に応じて支払う利用料で運営されています。同じようなシステムが学校や地域ごとに乱立することはなく、全国どこの学校でも同じ「e-School」を使っています。学校にとって毎月の利用料が負担になるのでは?と心配されるかもしれませんが、学生数が20人以下の場合は無料、それ以上でも規模に応じて月額50-175ユーロ(7000-22000円ほど)と非常に低価格です。
セクハラ150事例の深刻、メディアで働く女性たちが声を挙げた
https://diamond.jp/articles/-/170984
新聞・放送局の記者、番組ディレクター、タレントなど計35人の事例をまとめた。加害者は情報を提供する側、権力の側に立つ者が多かった。道徳教育ではなく、教育機関、社会全体、あらゆる角度からの人権教育が日本には必要と。
所有者不明の土地、解消へ一歩 政府が対策案 放棄制度は難航も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31272740R00C18A6EA3000/
相続登記の義務化、登記官の権限強化など、解消に向けて一歩前進。登記と戸籍の情報を連携させ、所有者を調べるシステムを構築。自治体が把握できる所有者の死亡情報と国が管理する登記情報を結び付け、誰が現在の所有者なのか迅速に調べられるようにすると。
関連>>所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議 平成30年6月1日
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shoyushafumei/dai2/gijisidai.html
各省庁の検討状況(国交省、法務省)、基本方針(案)、対策推進の工程表(案)など。
戸籍の副本を法務局が管理する戸籍副本データ管理システムの仕組みを利用して、特定の行政機関等に対して戸籍情報を提供するための法整備やシステムの設計、開発等を行う。その上で、2020 年に登記簿と戸籍等を連携するために必要な制度の整備を行う。
外国人の「単純労働者」を受け入れへ
人手不足に直面し、政府が政策を「大転換」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/021900010/053100068/
これまで便法として「技能実習制度」を使った事実上の就労が広がっていたが、真正面から「労働者」として受け入れると。日本語教室でも「労働者」として外国人が急増している実感があります。
定年後再雇用、待遇格差は不合理でない 最高裁判決
一部手当の不支給は違法
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31266100R00C18A6MM8000/
今後は、正社員の各種手当が廃止されていくのかな。
関連>>第7回 人生100年時代構想会議 平成30年5月16日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai7/siryou.html
2017年時点の高齢化率(65歳以上人口割合)は27.7%、2065年には38.4%に達する。
我が国では、中高年の基礎的ITリテラシーの向上が課題である。
日本の65~69歳層の就業率は、欧米諸国と比較すると、高水準。
年齢とは無関係の成果による職務・ポストの割当てが当たり前となる文化の形成が必要。
今後起業したいと考えている60歳以上の高年齢者は増加。
再任用職員数は一貫して増加しているが、公務部門においても、限られた人的資源の有効活用を図るため、知識・技術・経験等が豊富な職員の更なる活用方法の検討が課題。
相乗りマッチングサービスに係る道路運送法の取扱い
http://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180531001/20180531001.html
「グレーゾーン解消制度」活用の結果、道路運送法第2条第3項に規定する「旅客自動車運送事業」に該当しないが、サービスの提供・利用上の注意点について、ウェブサイトその他適切な方法で明確に周知することが望ましいと。
「日大・危険タックル、アメリカでは3日でケリがつく」。スタンフォード大のアメフトコーチの見解は?
https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/28/american-football-coach_a_23444448/
「監督や大学の理事長ら個人の責任追及だけで終わらせず、日本のスポーツのシステムを根本的に見直すときだ」と。アメリカから学ぶべきことは多いですね。