「日本怪奇ルポルタージュ」大阪二児置き去り死事件、マイナンバーでは変わらないデジタル敗戦
「日本怪奇ルポルタージュ」大阪二児置き去り死事件…なぜ母親は約50日間子どもを放置したのか? | TVer 1月17日(金)23:59 終了予定
「あとでみる」に入れていたものの、重たい内容だったこともあり、ようやく視聴しました。
大阪二児置き去り死事件の書籍をベースに作られていると思いますが、公共分野、特に人の命にかかわるような問題に対する「追跡可能性」を考えてしまう内容でした。
まず、シングルマザーの母親が自分で住民票を異動しないと、育児や独り親に対する公的な支援が受けにくくなります。さらに、実際に住んでいる場所にリンクする住民票が無いと、問題の発見や把握も難しくなります。その背景には、自治体ごとに住民データを管理していることによる「行政の縦割り」があります。
日本では子供に対するかかりつけ医(家庭医)の登録が義務化されていないので、保育園や幼稚園に通わない子供の成長を定期的に見守る義務がある医療専門家がいないことも、子供の放置を起きやすくします。
大阪二児置き去り死事件のようなことは、今だったら防げるのかと考えると、やはり難しいのではないかと思います。本来であれば、マイナンバーがこうした事件の早期発見や防止に活用されるべきだと思いますが、マイナンバーを患者の識別番号としても使えない現状では、あまりにも無力なのです。これも一つの「デジタル敗戦」と言えるでしょう。