「マイナンバー」で税制はこうなる!―各界有識者による徹底討論

「マイナンバー」で税制はこうなる!―各界有識者による徹底討論
大蔵財務協会 (編集)
大蔵財務協会

マイナンバー法案が国会に提出されたこともあり、いわゆる「共通番号」ではなく、マイナンバーに特化した本が出始めました。法案が可決され法律が施行されれば、より具体的なマイナンバー本が出てきそうです。

本書は、専門家による座談会と座談会メンバーによる特別寄稿の2部構成になっています。

メンバーは、財務(大蔵)省出身の税法専門家、経団連の税制・経済法専門家、日本証券業協会副会長(大蔵省出身)、日本税理士会連合会常務理事の4名で、政府、企業、金融、国民などの視点がありバランスが良いと思います。また、座談会形式なので、あまり専門知識が無くても、読みやすい内容になっています。

個人的にも、給付付き税額控除による効率的・効果的な再分配、金融所得課税の一体化、給与支払報告書等の企業負担軽減、記入済み確定申告などの実現には、大いに期待しています。

日本における現在および将来の財務事情を考えると、収入の確保(税)と支出の抑制(社会保障等)がどちらも必要であり、どちらが先かと議論を先送りするほどに事態は深刻化するばかりでしょう。

マイナンバーが納税者番号として確実に機能させることは、行政事務の効率化や行政サービスの改善を実施していくための第一歩だと思います。