使ってもらえる電子政府、国民が期待するサービスレベルを知りましょう

電子政府評価委員会では、利用者である国民や企業が、実際にどれだけ電子政府・電子申請サービスによって「便利になったなあ」とか「サービスが良くなったなあ」と感じてもらっているのかを評価していきましょう、ということになってきました。評価にも「国民の視点」を盛り込みましょう、ということです。

しかしながら、現状では利用者数が少なすぎることもあり、実感指標を測ろうとしても、「そもそもサービスの存在を知らない」とか「使ったことがないのでわからない」という回答が多くなってしまいます。

サービスの存在(認知度)については、費用対効果を考えながら、より適切できめ細かいプロモーション活動を続けていく必要があります。

パイロット調査の結果を見ると、インターネット経由だけでなく、役所の窓口(ポスターやパンフレット、担当者からの紹介など)といったリアルでアナログな方法も有効であることが示唆されています。

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プロモーション活動に加えて、もう一つ大切な作業があります。

それは、「国民が期待するサービスレベルを確認する」という作業です。

「評価」は「改善」のためにあるわけですから、利用者が期待するサービスレベルがわからないことには、どこをどのぐらい改善すれば良いのかわかりませんよね。

「○○の手続がインターネットでできるようになりました。今のサービスは、これぐらいですが、利用してみたいと思いますか。どれぐらいのサービスになれば、利用してみたいと思いますか?」

といった質問をします。

例えば、オンライン電子申告であれば、税還付までの期間について
紙:6週間
電子:3週間
期待:?

民間企業によるスピーディーなオンラインサービスに慣れてしまった国民は、

「3週間じゃ遅いよー。せめて、1週間ぐらいにならないの?」

と感じるかもしれません。

大切なのは、質問に回答してもらうことによって、現在のオンラインサービスを理解し、感じてもらうことです。

なぜなら、アンケートやヒアリング自体が、実は効果的なプロモーション活動にもなるからです。

サービスを知らない人、使ったことがない人が、サービスの存在を知り、頭の中で疑似体験できる。

そうした、国民の想像力をかきたてる質問を考える必要があるのです。

ですから、全ての手続や分野に同じ質問をする、いわゆる「アンケート」では意味がありません。(もちろん、比較評価(ベンチーマーキング)するためにも、総括的なアンケートは定期的に行う必要があります。)

「国民が期待するサービスレベルを確認する」ための質問は、各サービスの担当者が主体的に考えなければならないのです。

「自分が担当するサービスは、こんなサービスです。これこれこういうメリットがあって、こんなポイントもついてきますよ。」と

あたかも「営業担当者」として、国民に対して売り込むように、質問をしていくわけです。

もちろん、質問する基本項目については、一方的に良いところだけを売り込まないように、第三者が公平な視点で決める必要があります。

質問する内容は、
1)行為数(手間)
2)時間(暇)
3)コスト(お金)

で分けると良いでしょう。

関連>>「利用者=住民/行政職員」の手間・暇・お金を大切に:ITpro

なお、「国民が期待するサービスレベルを確認する」という作業は、現在あるサービスだけでなく、「これから始めようと考えているサービス」にも有効です。

その場合は、

「○○の手続についてインターネットでできるサービスを考えています。こんな感じでサービスを提供しようと思いますが、利用してみたいと思いますか。どれぐらいのサービスになれば、利用してみたいと思いますか?」

と質問すれば良いでしょう。

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