ブラウン大学の電子政府レポートから学ぶ利用者視点

日経BPの記事で、米国ブラウン大学「世界電子政府調査(Global E-Government, 2006 )」ランキングが取り上げられています。米国の名門大学による電子政府調査ですが、数ある電子政府ランキング調査の中でも、そのハチャメチャぶりが「売り」でした。今回は、なんか普通になっちゃたようで、ちょっと寂しい。。

どれぐらいハチャメチャかと言えば、ちょっと前まで北朝鮮が韓国より上位だったりと、もうやりたい放題で、かなり笑えました

しかしながら、その「徹底ぶり」は、電子政府ランキングの意味を考える上で、とても参考になります。

通常の電子政府ランキングは、その国の総合力が問われます。

ですから、ウェブサイトだけでなく、

・情報インフラ
・法制度の整備
・国民の情報リテラシー
・リーダーシップや政治支援
・人材活用(民間登用のCIOなど)

なども評価されるわけです。

こうしたランキングも、それはそれで良いのですが、

「電子政府? あー、ネット上の役所サービスね」という利用者視点で考えた場合、上記の様々な指標が邪魔になる場合もあるのです。

ただ単純に、ウェブサイトに訪れて、閲覧し、サービスを利用してみる。

うーん、まさに電子政府というかインターネットの本質を捉えている感じ

今後は、国別ではなく、次のような「サービス別のランキング」が、より重要度を増すことになるでしょう。

・ビジネスポータル(会社設立、融資、廃業など)
・電子申告サービス
・コンタクトセンター(コールセンターの発展型)
・社会保障サービス
・就職支援サービス
・司法手続サービス
・法律ポータル

「サービス別のランキング」で上位にあるものは、世界の優秀事例(ベストプラクティス)なわけですから、自身のサービスを改善する上で、とても参考になるでしょう。

「海外では、こんなに便利なサービスがあるのに、どうして日本はできないの?」

そんな素朴な疑問の中にこそ、「利用者の視点」があり、サービス改善のヒントが隠されているのです