地方公共団体給与情報等公表システム:電子政府を使ってみよう

先月末より、総務省が「地方公共団体給与情報等公表システム」が運用を開始している。全国レベルで比較できるので、誰でも自分が住んでいる市町村の公務員給与水準がわかってしまう。ずいぶんと時代も変わったものである。

こうして見ると、地方自治体の公務員が優遇されていることが良くわかる。月々の給料は国とさほど変わらないのであるが、手当てが異常に多いのだ。これでは、「お手盛り」と言われても仕方がない。ちなみに、作者が住む神奈川県は、全国平均より高めで、職員一人当たりの給与は808万3千円(17年度)となっている。

しかし、今後は定員削減や手当ての廃止等が進み、地方公務員の給与水準も、少しずつではあるが民間レベルに近づいていくことになる(と期待しよう)。

それに合わせて、仕事のやり方も変える必要があるのだが、市民館の役割とボランティアの自立でも触れてる通り、市民館などを見ても、改善すべき点は多いと感じる。

仮に、今の仕事を
・時給1000円ぐらいのアルバイトでできる仕事
・時給1200~1800円ぐらいの派遣社員でできる仕事
・経験ある行政職員でないと難しい仕事
と分類すれば、同じ人件費でも、働き手を増やして仕事を効率的にできるはずである。

また、細かいことであるが、配布資料なども片面標準印刷で行われていたりする。

貧乏性の作者などは、「なぜ両面印刷、縮小印刷にしないのか?」と思ってしまうのだが、こうしたコスト感覚にも民間と差があるように思う。

定員削減や手当ての廃止等が進む中で、行政の現場では混乱が見られるようだ。
悪いパターンは、

1 予算と人が減らされる

これは仕方がないと受け止めて、限られた資源(予算と人)を最大限に生かす方法を考えないといけないのだが、出てくるのは文句ばかり。。

2 仕事が大変になる

お金と人が減っているのに、今まで通りの非効率的な仕事のやり方では、大変になるのは当然である。職場の環境が悪くなり、職員は疲弊しやる気をなくしていく。。

3 サービスの質が低下する

サービスが低下すれば、市民から苦情が寄せられる。最近は、ホームページ経由で市長宛にメールもできる。市民は、職員の職場環境など知らないので、「高い給料もらってるのに怠慢だ!」と怒るのも無理はない。

4 予算や職域確保のために事業を企画する

現場からの抵抗として、市民のニーズや社会的な優先度ではなく、予算や職域確保のための事業が企画される。今までは、新事業の立上げや、手当ての新設などが評価され、予算や職域確保に繋がったから。。しかし、情報公開が進み、事業に対する評価が厳しくなり、給与等の管理も厳格になったので、そうした事業企画は逆効果となり・・・

その結果、ますます予算と人が減らされることに

こんな風にならないように、行政職員も積極的に電子政府を活用して、仕事のやり方を改善して、心が届くサービスを市民に提供してもらえると嬉しいそれができるのが、電子政府なのだから

“地方公共団体給与情報等公表システム:電子政府を使ってみよう” に2件のコメントがあります

  1. 立場微妙ですが…
    このログのターゲットとなっている立場の人間として微妙なのですが一言

    20年以上この世界で仕事をし、生計を立てさせていただいているのですが
    地方公務員を含む公務員の給与がどの程度が妥当なのかよく分かりません

    納税者の立場に立ってみて、民間の給与の平均値と同じなら許されるのか、平均値以下が適当なのか…
    また、この世界で仕事をしようと思っている若い世代にとってどの程度が魅力的なのか…

    私たちの業界は税というシステムにより
    利益を得ているところから税を集め、利益のないところに配分するといる
    所得の再配分を行なうことで成り立っています

    言い換えると、儲かっているところから、儲かっていないところにお金を動かしているともいえるので
    利益を上げることが第一優先の経済原則の考え方からすると、全く意味のないことを至上命題としている一面もあります

    そもそも、福祉分野は利益優先なら全くの無駄遣いともいえますが、相互扶助の認識が国民に共有されているので成立しています

    このように、民間ベースの給与感覚で妥当か否かを判断することが難しいと思っています
    象徴的にマスコミ等で指摘される部分(無駄遣いetc)があることも確かだと思います
    この点は、われわれの世界だけでなく、民間でも、どの組織体でも少なからずある部分だと思います

    もう一つ、地方公務員の優遇が指摘されていますが
    実は国家公務員の待遇で意識的にか、見過ごされている部分もあります

    国家公務員の場合年齢が上がりポストがなくなると、
    いわゆる天下り等により関連団体やらに出向となる受け皿があります
    これは民間でも大企業の場合は子会社出向という形で存在すると思います
    (出向先での待遇の問題は話が複雑になるので別問題とさせてください)

    一般的に地方公務員の場合、特に基礎的自治体である市町村では、出向先が全くないわけではないですが、
    国や民間の企業(大、中規模の場合)に比べてほとんどない(皆無)ので、
    かといって解雇することも出来ないので内部で対処することとなります
    無理やりポストを作ったり、ポストのない待遇で給与のみ同程度の処遇をしたりします

    必然的にこういった世代が給与水準を高どまりさせる原因となっています
    国に比べて地方の月々の給与がさほど変わらないのではなく、
    実は比較の対象となっている給与の実態が意図的に隠蔽されている部分もあるのです
    このあたりが、国の地方公務員叩きの巧妙に練られた戦略でもあると考えています

  2. 公務員の待遇
    私自身は、公務員が民間より多くもらっても良いと思います。

    民間平均値より少し上ぐらいが妥当でしょうか。

    ただし、自治体の財政が悪化して、民間の景気が悪い中でも、安定して給与が支給されるというのであれば、平均値前後でないと、市民は納得しないでしょうね。

    また、公務員という性質上、極端な高給は難しいと思いますので、公務員の経験や実績を踏まえて、民間へと転職する人が増えても良いと思います。

    さらに、民間で経験をつんで、また公務員というのも良いですね。

    公務員の友人と話をしていても、ちょっと考え方に偏りやズレがあると感じることがありますので、若いうちに、もっと民間との交流をしておけば良いと思います。

    やはり、閉鎖的になるのが一番良くないかと。。

    1 民間にはない役所ならではの仕事ができる
    2 給与は少なくないし、安定している
    3 学習機会が多く、実力次第では民間への転職も可能

    となれば若い世代にも魅力があると思います。

    福祉分野のように利益とは一見関係なさそうな部門(福利厚生など)は、民間にもあります。そうした分野こそ、無駄をなくし、お金に見合った効果を追求するべきと思いますが、現実は「利益優先じゃないから」という甘えがあるように思います。「ボランティアでやってるんだから」という感覚に似ています。

    「無駄遣い」については、企業が自分たちのお金を無駄遣いするのと、政府が税金を無駄遣いするのとは、国民の印象が全く違うと思います。自分が住んでいる市町村であれば、なおさらですよね。

    ご指摘のような地方公務員や国家公務員の待遇については、まだまだ情報公開が足りない分野と思いますので、電子政府を活用して、国民に開示していくことが大切ですね。

    なお、「天下り」のように、退職金が何度もらえたり、勤務実態とかけ離れた報酬が支給されるのは論外ですが、公務員の適切な「再雇用」については、どんどん進めて欲しいと思います。優秀な人材が埋もれてしまうのは、ホントにもったいないですから。

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