「データそのものへのアプローチ」が無ければデジタルガバメントは実現できない

令和になり、政府のIT戦略と関連指針・施策等がリニューアルされましたが、デジタルガバメントで必須となる「データそのものへのアプローチ」は行わず、利活用や保護の話で終わっています。残念ながら、「データそのものへのアプローチ」を行わないまま、どんなに頑張っても、円滑なデータ連携も、オープンデータも、サービスやアプリケーションも、良いものは生まれません。

先日開催された「日本・エストニア デジタルガバメントフォーラム」でも、エストニアの電子政府関係者から出てくるのは「データそのものの重要性」でした。私がよくお話しするeヘルスでも、戦略のまず初めに出てくるは、「データそのものの重要性」です。

「戸籍と住民基本台帳を統合した単一の全国住民登録データベースの実現」など、「データそのものへのアプローチ」は非常に大変で時間も手間もかかるものですが、一見遠回りのように見えても、それこそがデジタルガバメントへの道であり、避けて通ることはできない道なのです。

世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画について
令和元年6月14日 閣議決定
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190614/siryou1.pdf

令和元年の世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画においては、国民が安全で安心して暮らせ、豊かさを実感できる社会を実現することを目指し、デジタル技術の恩恵を誰もが享受できるインクルーシブな「デジタル社会」に向けた重点計画を取りまとめる。

用語集
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190614/siryou3.pdf

世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画改定 令和元年6月7日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou5.pdf

IT新戦略の概要ー 社会全体のデジタル化に向けてー
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou8.pdf

別表:施策と官民データ活用推進基本法 第3章(基本的施策)の各条との関係
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou7.pdf

オープンデータ基本指針 改定
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou10.pdf

デジタル時代の新たなIT政策大綱 令和元年6月7日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou1.pdf
デジタル技術を活用した社会課題の解決として、エストニアとシンガポールの事例を取り上げています。


令和元年第2回経済財政諮問会議 令和元年5月31日
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/0531/agenda.html
経済・財政一体改革(社会保障)、次世代型行政サービスへの改革、骨太方針の骨子案など。有識者からの提言として、
〇2020年度の本格稼働を目指すこととされている全国保健医療情報ネットワークについて、まずは、期限を定め、レセプトに基づく薬剤情報や特定健診情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みを構築すべき。
〇総務省は、自治体が保有するデータについて、個人情報の保護を徹底しつつ、その活用方策を2019年度内に構築すべき。


行政手続等の棚卸結果等 政府CIOポータル
調査時点:平成30年3月31日(年間件数等は、年度の記載がない限り、原則、平成29年4月1日-平成30年3月31日)
https://cio.go.jp/tetsuduki_tanaoroshi

オンライン化に向けた業務の見直し(BPR)等により行政サービス全体の利便性向上を進めるにあたり、行政手続等の実態を詳細に把握するための調査。
〇法令等に基づく手続は、全体で約58,000種類、年間21億件以上。
〇年間10万件以上の手続は、種類数ベースでは1.5%だが、件数ベースで98%。
〇年間21億件を超える手続のうち、オンラインで実施できる手続は、種類数ベースで12%、件数ベースで71%。
〇オンラインで実施できる手続件数のうち、実際にオンラインで実施されている手続件数の割合は55%。
〇添付書類が無い手続やオンラインの方が処理期間が早い手続等、オンライン利用しやすい環境では、オンライン利用率が高くなる傾向。
〇手続の際に求められる添付書類について、行政機関が発行する登記事項証明書や住民票、民間事業者が作成する定款等の添付を求める手続が多い。


メモ帳の文字コード既定値がUTF-8に、Windows 10「May 2019 Update」
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00723/042300004/
メモ帳でテキストファイルを作成した際、何も設定しないとBOMなしのUTF-8で保存する。これまで日本語Windowsでは、デフォルト設定の文字コードが「Shift-JIS」だったと。文字化けの原因が減るのは良いことですね。

20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2019年6月8-9日 於:福岡)
https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/g20/communique.htm
暗号資産の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る。暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安定に脅威をもたらしていないが、我々は、消費者及び投資家保護、マネーロンダリング及びテロ資金供与への対策に関するものを含め、リスクに引き続き警戒を続ける。

「小中学校で1人1台の端末」なんて夢のまた夢。そもそもネットにつながらない
https://forbesjapan.com/articles/detail/27818
「端末の数(1人1台)を増やせ」と言うだけでなく、それを支えるネット環境に予算を投じないと、使えない、使わない端末ばかりが残ると。悲しすぎます。。

厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」について
http://www.jcma.or.jp/news/post_942.html
多くの医療機関が求めている「身元保証・身元引受等」の機能や役割について整理を行い、既存の制度やサービスの利用など、「身元保証人・身元引受人等」がいないことを前提とした医療機関の対応方法を示すことによって、身寄りがいない場合にも医療機関や医療関係者が患者に必要な医療を提供することができるよう、また患者側も身寄りがなくても安心して必要な医療を受けられるよう、ガイドラインをとりまとめました。

米国行政における電子化(デジタルガバメント)及びクラウド活用の現状(2018年9月)
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2018/02/d27a4d4631f3c118.html
英米両国の例に倣って、制度設計や関連施策を推進する担当者(組織)に民間人材の起用を求める声もあり、日本型デジタルガバメント政策を推進する上で、市民や企業等のユーザーの使いやすさを重視したサービスの実現が期待されると。


From sustainable e-governance to agile transformation
https://e-estonia.com/e-governance-conference/
https://2019.egovconference.ee/
5月21日から22日にかけて、エストニアのタリンで開催された第5回電子ガバナンス会議において、エストニア大統領のKersti Kaljulaid氏は、「リモートで作業を実行できるため、時間とリソースを節約できます。これにより、CO2排出量が削減され、気候変動への対応が改善されます」と述べました。また、「テクノロジを適用するための法的環境を構築することは、単にソフトウェアを構築することよりもはるかに困難である」と指摘しています。
エストニアの政府CIOSiim Sikkut氏は、「目に見えないサービス」を紹介しました。市民からの行動を必要としないサービスで「AI主導のガバナンスであり、我々がすでに適用し始めた実用的な解決策である」と述べています。

Estonia gains a seat at the UN Security Council
https://estonianworld.com/security/estonia-has-for-the-first-time-elected-a-non-permanent-member-of-the-united-nations-security-council/
エストニアが、初めて、国連安全保障理事会の非常任理事国に選出されたと。エストニア外相のUrmas Reinsalu氏は、デジタル国家の運営における経験とその知識を共有する機会もあるとし、デジタルガバナンスとサイバーセキュリティが、私たちの安全保障に直接関係していると述べています。

Upgrading the digital country to version 2.0
http://garage48.org/blog/upgrading-the-digital-country-to-version-2-0

デジタル国家として知られるエストニアですが、「行政への市民参加」については、あまり成功していませんでした。現在では、「48時間でアイデアからプロトタイプまで」というGarage48ハッカソンにより、「行政への市民(企業・大学)参加」が盛り上がりつつあります。つい最近も、次世代の公共サービスのデジタル化を目指して、DigiriigiHakaton2.0が開催されました。