つぶやき電子政府情報(2014年9月1日):おじさんたちで作る電子政府の限界を突破するには

「末端の人と人との関係をプロトタイピングできれば、いいシステムが作れる」――大前研一×サイボウズ青野慶久社長 
クラウドは、企業はほうっておいても使う。本当にクラウド導入のメリットが出てくるのは、パブリックサービスの部分だと。中身は全部同じなのに、選挙の際に、市町村が電子投票システムを作ったとしても、それを県議会や国会の議員選挙には使えない。発想が個別対応になっていると。マイナンバーの自治体独自利用やICT教育でも同じですね。
 
電子政府先進国では、バラバラ・重複システム構築・乱立を避けるために、「同じシステムを作ってはいけない、税金を使ってはいけない」と義務付けているところもあります。日本の電子政府に欠けているのは、「義務化・強制力」の伴う標準化・統一化であり、調整型ではいつまで経っても同じことの繰り返しになるでしょう。
 
人選については、今みたいに、自分も含めて頭でっかちのおじさんばかりで、日本の電子政府サービスを考えても、良いものができるわけないと思っています。
 
デジタル世代(10-20代)の国際色豊かな多国籍チームで考えて試行錯誤して、利用者を巻き込んで作っていくぐらいでないと厳しい。
 
おじさんたちは、彼らが動きやすいように環境整備することと、困ったときに相談に乗るぐらいでちょうど良いのではないかと思うのです。
 
関連>>Technology as catalyst for government cloud transformation
 

 
「政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン(案)」に関する意見募集
平成26年8月21日 総務省行政管理局 業務・システム改革総括担当
内閣官房と総務省で、政府におけるITガバナンスの強化を図り、共通のルールの下、情報システムの整備・管理等の具体的な取組を政府横断的に推進し、世界最先端IT国家の実現に資するため、「政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン(案)」を作成。治安、外交、安全保障等の業務に関する情報システムは対象外になることがあると。平成26年9月3日(水)まで。
 
総論、ITガバナンス、ITマネジメント、別紙という構成で、非常にわかりやすく整理されています。政府情報システム調達の新しい教科書という感じでしょうか。下記のセキュリティ対策基準に加えて、技術参照モデルとも一緒に活用すると良いですね。
今後の電子政府サービスでは、リーンスタートアップやアジャイル型が一般的になると思うので、ここで書かれているITマネジメントをそのまま適用するのは難しくなるかもしれません。
 
本ガイドラインの適用開始に合わせて、業務・システム最適化指針、情報システムに係る政府調達の基本指針、電子政府ユーザビリティガイドラインなどが廃止となります。重複するガイドラインの廃止は良いと思いますが、電子政府ユーザビリティガイドラインは更新するなりして存続して欲しいところです。
 
 
関連>>政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群(平成26年度版)
情報システム調達のための技術参照モデル(TRM):経済産業省
「情報システムに係る政府調達の基本指針(2007年)
電子政府ユーザビリティガイドライン
 

 
世界最先端IT行政”カンナムスタイル”~役所の手続きがいつでも・どこでも携帯電話からできる時代~
海外の電子政府では、ビジネスポータルを起点として、カスタマイズ型の企業・起業支援サービスを提供していますが、ソウル市江南区はその最先端ですね。書類発給(証明書交付)サービスは日本でもコンビニ交付等で力を入れていますが、エストニアやデンマークでは、そうした紙書類を無くす方向へ進んでいます。オンライン教育については、日本でも早々に実現して欲しいところですが、国内に留まらず世界中に無料で解放すれば、日本語や文化の海外普及にも役立つでしょう。日本のモバイル電子政府は、韓国やシンガポールと比べて三周遅れぐらいでしょうか。
 
「マイナンバー広報用ロゴマーク」の愛称決定
平成26年8月29日 内閣府大臣官房番号制度担当室 内閣官房社会保障改革担当室
700件を超える応募の中、選ばれた愛称は「マイナちゃん」です。「マナブちゃん」と1文字違いで、何となく親近感が。。きゃー、マイナちゃーん! こっち向いてー!!
 
医療保険者等における番号制度の活用に関する調査研究事業
医療保険者等における番号制度導入に関する説明会
厚労省では、医療保険者等が着実に番号制度導入のための準備を進めていくための支援として、番号制度導入の手引き(ガイドライン)の作成を予定しています。ガイドライン配布前に番号制度及び制度導入に係る業務への影響と課題の理解を深めていただくため、第1回目の番号制度の説明会を9月11日(木)から10月7日(火)にかけて、全国9か所で、医療保険者等及び関係ベンダーを対象として開催しますと。対象者は、全国健康保険協会、健康保険組合、国民健康保険組合、後期高齢者医療広域連合、保険者団体、担当ベンダーなど。説明資料を事前にダウンロード(対象者のみ)でき、事前の質問も受付中。10月末にガイドラインを配付し、第2回説明会を11月末以降に開催する予定。
関連>>企画競争(医療保険者等における番号制度の活用に関する調査研究)
社会保障・税番号制度への対応について(PDF)
平成25年11月厚生労働省政策統括官付情報政策担当参事官室
医療等分野における番号制度の活用等について
 
平成25年度補正予算「ICT街づくり推進事業」に係る委託先候補の決定
平成26年8月26日
他地域への普及展開を推進するためのプラットフォームの構築に向けた実証プロジェクトとして。群馬県前橋市「ICTしるくプロジェクト」では、電子母子健康手帳、電子お薬手帳、健康情報ポータルの普及展開で、マイナンバーカードを活用。徳島県と三菱総研の「放送・ID融合サービスプラットフォームの構築及び実証」でも、マイナンバーカードや公的個人認証の活用を想定しています。
関連>>放送・通信連携によるスマートテレビを活用した公共・地域情報等を発信するアプリケーション効果検証に関する企画の公募
 
 
 
政府、マイナンバー制度に関わる本人確認の措置についての資料を公表
崎村さんによる解説コメント。「個人番号利用事務実施者が適当と認める方法」に付けられた解説「※民間発行の電子署名、個人番号利用事務実施者によるID・PWの発行などを想定」に対して、今後の広がりが考えられると。マイナンバー法施行規則における「個人番号利用事務実施者が適当と認める(本人確認の)方法」は、実はこれまでの電子政府の考え方を受け継いだものです。
行政手続オンライン化関係三法の一つである「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(行政手続オンライン化法)」では、電子情報処理組織による申請・処分通知、電磁的記録による作成等について、「行政機関等は、当該処分通知等に関する他の法令の規定により署名等をすることとしているものについては、当該法令の規定にかかわらず、氏名又は名称を明らかにする措置であって主務省令で定めるものをもって当該署名等に代えることができる。」としています。つまり、「いわゆるPKI電子署名でなくとも、手続を所管する省庁が適当と認めれば、単なる記名やID・PWでも良い」ということです。
主務省令を見ると、さらに考え方がはっきりします。例えば、「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う行政機関の保有する情報の公開に関する法律に係る対象手続等を定める省令」では、電子情報処理組織による申請等(第三条)について、「前項の規定により申請等を行う者は、入力する事項についての情報に電子署名(電子署名法に定める電子署名)を行うことを要しない」としています。
「厚生労働省の所管する法令に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」では、署名等に代わる措置(第五条)を「電子署名を行い電子証明書を当該申請等と併せて送信すること、又は識別番号及び暗証番号を入力して申請等を行うこと」として、電子署名と共にID・パスワード方式を認めています。
認証や署名に関する柔軟な対応は良いことですが、「行政側が適当と認める方法」については、リスク評価やセキュリティ指針等による基準が必要でしょう。
関連>>行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律
 
「マイナンバー制度」とは? – 『日本の人事部』
民間企業でも、社会保障・税務関連の諸手続きにマイナンバーを利用するため、システム変更および厳格な情報管理体制の構築が必須で、制度開始までに確実な対応が求められると。ケーススタディとして、パートやアルバイトを含む全従業員とその扶養家族のマイナンバーの収集・本人確認・管理、源泉徴収票や被保険者資格取得届などへのマイナンバー記載・提出などを挙げています。システム改修については、マイナンバー制度をきっかけとして、人事・給与・労務管理のアウトソーシングやクラウド化が進むかも。
 
平時の外部提供に課題も 災害弱者名簿で滋賀の自治体
法改正で名簿作成自体に同意は不要となったが、平常時の外部提供には、従来以上に同意が得にくくなるとの懸念が出ている。「提供に同意しない」と意思表示した人以外は原則同意とみなす「逆手上げ方式」を、豪雨水害を機に新潟県三条市が導入すると、不同意の割合が約25%から約5%に減ったと。
 

 
「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ―第1回プライバシーフリークカフェ
山本一郎氏、高木浩光氏、鈴木正朝氏の3名が、個人情報保護法上の争点となった昨今の事例について、その問題点を解説。改正個人情報保護法のあり方を提案しています。
 
個人情報の定義は解説の通りで、データの流通状況や技術の変化により、特定の個人を識別しやすくなっているため、以前に比べて、ある情報(の集合体)が個人情報と判断されやすくなっています。ただ、「ある情報が個人情報であるかどうか」の判断は、裁判所(または第三者機関等)が行うことであり、一部の法律家や専門家が判断するものではありません。
 
このことは「(生存する)個人に関する情報」の解釈でも同じで、「ある情報が個人に関する情報であるかどうか」の判断も難しく、やはり最終的な判断は裁判所で行うことになります。今まで認識されていなかった新しい種類の情報が出てくると、果たしてこれは「個人に関する情報」と議論があるのは自然なことです。
 
現行の個人情報保護法におけるプライバシー保護の考え方については、消費者庁の「よくわかる個人情報保護のしくみ《改訂版》(パンフレット平成26年3月改訂)」が参考になるでしょう。このパンフレットのQ&A集の総論Q1-3では、「個人情報保護とはどういうことですか。プライバシー保護とは違うのですか。」という質問に対して、次のように回答しています。
 
「個人情報保護法は、個人情報取扱事業者が個人情報の適切な取扱いのルールを遵守することにより、プライバシーを含む個人の権利利益の侵害を未然に防止することを狙いとしています。したがって、個人情報の取扱いとは関係のないプライバシー問題などは、この法律の対象とはなりません。プライバシー侵害などが実際に発生した後の個人の権利利益の救済については、従来どおり、民法上の不法行為や刑法上の名誉毀損罪などによって図られることになります。」
 
第三者提供例外規定は、問題が多いので、法改正での見直しが期待されるところです。
 
関連>>よくわかる個人情報保護のしくみ《改訂版》
 

 
ナショナルデータベースがあぶり出す地域医療の「格差」
都道府県の中には、既にナショナルデータベース(レセプト情報・特定健診等情報データベース)を活用し、医療レセプトだけではなく介護も含めたレセプトを個人単位で連結させたデータベースを構築するケースが出てきている。保険者から見て好ましくない診療行する指標がより重視為が多い医療機関があぶり出される可能性もあり、今後の医療行政では、アウトカムに関する指標がより重視されることになりそうと。
 
佐賀県の教育ICT先進利活用に見る教育の未来
佐賀県が導入した富士通製の学習用パソコンとデジタル教材「日経パソコンEdu」を活用し、情報科の著作権の基礎知識をテーマに授業を紹介。
関連>>恋するフォーチュンクッキーからタブレット配布まで、佐賀県知事が多面的なICT政策を解説
 
行政機関等が保有するパーソナルデータに関する研究会(第3回)
平成26年8月28日
日本消費者協会、全国消費生活相談員協会、日本弁護士連合会からのヒアリングと意見交換など。色んな問題がごっちゃになっているような。。
 
日本では科学を論じないしきたりがある
ニュートンもアインシュタインも、悟りを求めていた
物理限界の意味すら知らず科学リテラシーのない文系を社長にしておけば、すべての組織事故は免責になってしまうという奇妙な国家が出来上ってしまいますと。私も文系(法律)なのですが、中学生の時は科学部、高校時代は古文や英語が苦手で、物理や化学の成績が良かったので、科学は身近な存在でした。
 
がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会報告書
平成26年8月15日 厚生労働省健康局・労働基準局・職業安定局
主治医等が患者に対して産業医や保健師などの社内産業保健スタッフの有無や就労条件等を聴けていない、医療機関と患者の所属する企業等との情報共有の仕組みが不十分と。ここでも、情報連携・共有が必要そうです。
 
 
法務省:子どもの人権を守りましょう
法務省の人権擁護機関による啓発活動や、内閣府の「人権擁護に関する世論調査結果」などを紹介し、いじめ、体罰、児童虐待・児童買春・児童ポルノ問題について解説しています。
関連>>子どもの人権110番
 
人月商売に技術者を固定し続ける日本の危うさ
例えば公共、特に地方自治体のシステムは、業務プロセスに大きな違いはないのだから、それこそクラウドサービスで一元提供すれば片付いてしまう。にもかかわらず、全国で多数のシステムが作られ、そこに多くの技術者がロックインされたままである。それは技術者という人的資源の凄まじい浪費。単にITベンダーやユーザー企業だけの問題ではなく、これはもはや国家的な損失であると。官僚の国会対応なども人的資源の浪費ですね。
 
2015年は官民挙げての“セキュリティブーム”が来る?
東京オリンピック・パラリンピック、サイバーセキュリティ基本法、マイナンバー制度、民間企業における個人情報漏洩問題への対応と、セキュリティ業界の期待は膨らむばかりですね。
 
国民生活に関する世論調査 平成26年6月調査
現在の生活、今後の生活、生き方・考え方、政府に対する要望などを調査。「本報告書の内容を引用されたときは,その掲載部分の写しを下記宛に御送付下さい」とありますが、何の意味があるのかな。政府はどのようなことに力を入れるべきだと思うか聞いたところ,「医療・年金等の社会保障の整備」を挙げた者の割合が68.6%と最も高く,以下,「景気対策」(58.7%),「高齢社会対策」(54.9%),「雇用・労働問題への対応」(42.5%)などの順で、「医療・年金等の社会保障の整備」(65.9%→68.6%),「高齢社会対策」(49.9%→54.9%)を挙げた者の割合が上昇。
 
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
- 国内BtoC-EC 市場規模は11.2兆円に成長 
経済産業省による毎年恒例の調査。日本国内の消費者向け電子商取引及び企業間電子商取引の市場規模に加え、越境電子商取引の消費者向け市場規模及び動向(日本、米国 及び中国相互間)についても実態を調査。日本、米国及び中国の消費者の3か国間の越境EC利用率を見ると、中国の消費者の越境EC利用率(35.4%)が、日本(10.2%)及び米国(24.1%)の消費者よりも高くなっています。