20歳からの社会科、電子政府も若い世代中心で動かせ

20歳からの社会科 (日経プレミアシリーズ)
明治大学世代間政策研究所 (編集)
日本経済新聞出版社

編集を担当する明治大学世代間政策研究所では、「年金・医療・介護・雇用などの分野における世代間格差問題に関する政治経済分析と政策提言」を研究課題としているそうです。

本書でも、世代間格差を軸にしながら、政治経済、外交・安全保障、年金・医療、教育、環境問題などをテーマにとりあげています。

提言内容については賛否が分かれると思いますが、現状や課題についてのわかりやすい解説だけでも読む価値があるでしょう。

執筆メンバーも70年代生まれの人たちが多く、こうした世代からの真摯な提言こそ、もっとマスコミに取り上げて欲しいと思います。

「なかなか変わらない、変われない」と言われる日本ですが、もし変わるとすれば、若い世代の人たちを中心とした動きが発端になると思います。大阪市の橋下市長は、その一例でしょう。

特定の地方や特定の世代からの動きで始まり、最終的にはあらゆる地域や世代を巻き込んで、全体を変えていくと。既得権益化している抵抗勢力も、環境や時代に合わせなければ淘汰されていくので、それほど問題にはならないでしょう。

電子政府についても、同じようなことが言えます。

20代、30代の新しい世代にどんどん入ってもらって、自分たちや子供たちの将来を考えた新しい電子政府を考えてもらえば良いのです。

作者自身も含めて、古くからいる人たちは、彼らが動きやすいように後方支援部隊となって働くのが良いでしょう。

そんな風に考えると、電子政府にも、少しだけ明るい未来が見えてきます