顔は口ほどに嘘をつく

顔は口ほどに嘘をつく
ポール・エクマン (著), 菅 靖彦 (翻訳)
河出書房新社

著者は、アメリカの犯罪捜査ドラマ「Lie to Me(ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間)」の主人公ライトマン博士のモデルになった人。

本書を読んだ理由は、ティム・ロスの演技も魅力的なドラマが面白かったこともありますが、様々な場面で原発問題やがれき処理に関する人々の感情を目の当たりにすることが増えて、改めて人が持つ感情について知りたいと思ったからでした。

電子政府においても、マーケティングが重要なことなどと関連して、「感情」の重要性についてはある程度は認識してたつもりですが、本書を読んでまだまだ認識が足りなかったと反省しています。ユーザビリティテストなどでも、被験者をビデオ撮影することがありますが、その感情を示す顔の表情について専門的な分析がなされることは無いように思います。

脳科学の進歩により、脳の活動について測定することが以前より容易になりましたが、より自然な状態における人々の心理を表す顔の表情には様々なヒントが隠されていることでしょう。

例えば、ネットユーザーがニコニコ動画、掲示板、ツイッターなどを閲覧・書き込みしている時の様子を、ディスプレイ画面と合わせて撮影・録画しておけば、他者に対して攻撃的な書き込みをしている時に、その人の表情・感情はどうなっているのかがわかります。

ネット上では、ついつい攻撃的になってしまうと言われますが、実際に攻撃的な書き込みをしている時には、どのような表情をしているのか興味深いものがあります。自分で自分を客観的に見ることで後悔・反省して、今よりも他者に対して寛容になれるかもしれません。

しかし、本書を読んでしまうと、他人の顔をしげしげと見つめてしまいそうで怖い

変な誤解をされないように気をつけなくちゃ

ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間 DVDコレクターズBOX
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