行政が果たすべき説明責任、徹底した情報公開の後は・・・

熊谷俊人・千葉市長株がツイッター界で急上昇中?!を読んで、行政における説明責任のあり方を考えさせられました。

上記のツイッターで取り上げられている「被災地のがれき処理」については、色々な考え方があって良いと思います。個人的には、被災地からの希望等を踏まえて、国や自治体が協力・連携しながら、一定の基準や手続の下で粛々と進めて欲しいと考えています。がれき処理に関する疑問や知りたいことがあれば、国や自治体のホームページを見て確認します。

他方、がれき処理の受け入れに反対する人がいるのも、別におかしいとは思いません。もちろん、放射脳みたいに極端な人とは、できればあまり関わりたくないというのが正直な気持ちですが。。。

そもそも、「怖がりかた」に正しいも間違いもありません。特に放射能のように「目に見えないもの」「影響結果の確認に時間がかかるもの」「子供や妊婦への影響がより大きいもの」などに対して、人々の恐怖が大きくなることは、リスクコミュニケーションなどでも知られているところです。

また、積極的な情報公開などにより説明責任を果たすことは、(反対する)相手方との信頼関係の構築には役に立ちますが、相手を説得したり納得させたりすることにはあまり役に立たないと言われています。

リスクとつきあう―危険な時代のコミュニケーション (有斐閣選書)
吉川 肇子 (著)
有斐閣

ですから、行政ができることは、「徹底した情報公開」により少しずつでも信頼関係を築いていくことなのだと思います。Q&Aや絵・図表なども交えながらわかりやすい情報公開を行うと共に、専門家の利用にも耐えうる詳細なデータについても迅速かつ積極的に公開していくと。

そして、「徹底した情報公開」した後は、無理に説得や納得を求めず、市民に任せるのが良いと思います。公開された情報をどのように解釈して、どのように判断し、どのような行動を取るかについては、一人ひとりが自分自身で行うしかないのですから。

こうした市民による解釈・判断・行動を尊重する一方で、自治体(の首長や議会)は法令に従って「がれき処理受け入れ」について決定し、決定に基づいた措置を実行していきます。それに対して納得できない市民は、行政訴訟や解職請求等の行動を起こす選択肢があります。「引越しする」といった選択肢もあるでしょう。

「がれき処理受け入れ」をリスクと考えた場合、市民ができることは次の3つぐらいでしょうか。

1 我慢して、いやいや受け入れる
2 リスクを軽減した上で許容範囲として受け入れる
3 受け入れない(反対運動を起こして撤回させる、引越し等で回避するなど)

精神衛生上もコスト負担の観点からも、作者のおすすめは2です。

「がれき処理受け入れ」について、まずは公式な情報を入手して、「まあ、これなら問題ないんじゃないの」と理解した上で受け入れることができれば、「被災者・被災地への支援ができた」「自分が払った税金が良いことに使われた」と満足することができるでしょう。

一日も早い、被災地の復旧・復興を願って