戦略「脳」を鍛える、電子政府を良くする思考とアンテナ

戦略「脳」を鍛える
御立 尚資
東洋経済新報社

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先日紹介した『戦略の原点』が基本編としたら、こちらは応用編。特に「考え方」にこだわり、実践トレーニングの要素も組み入れています。

本書の著者であるボストンコンサルティングの御立氏は、テレビ東京のワールドビジネスサテライトのコメンテーターとしてもお馴染みです。

御立氏のコメントは、その内容だけでなく、まとめ方や伝え方などが洗練されており、同番組のコメンテーターの中でも際立っている感がありますね。

作者は、日々、電子政府のことを考え、アンテナを張っていますが、ある日突然、それらが一つの全体像として見えてくることがあります。

それは、文字通りイメージ(像)であり、論理的に整理された文章ではありません。

そして、そのイメージを他者に伝えるために、分解したり文章化したりするわけです。

この現象は、本書で提案されている「インサイト」に近いのではないかと思います。

この「インサイト」が強化されてくると、例えば、「次世代電子行政サービス」などの構想を見て、「あ、これはダメだな」とか「これは、面白そう」といった直感的な判断ができるようになります。

直感と言っても、単なる当てずっぽうではなく、蓄積された情報やパターンがあればこその判断なのですね。

電子政府サービスを良くしたければ、常に「どんなサービスにすれば喜んでもらえるか」といった核となる自分自身の指標を基に、常にアンテナを張っていることが必要なのだと思います。