戦略論の原点―軍事戦略入門、電子政府にも戦略を

戦略論の原点―軍事戦略入門
J.C. ワイリー
芙蓉書房出版

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古典となりつつある軍事戦略入門書の良作。

先日、セキュリティ関連の専門家とお話していて、「戦略」の話になりました。

その内容は、電子政府も含めて、日本には本当に戦略が無いなあと。

特にセキュリティの分野では、技術的というかマニアックな議論が盛り上がりがちだそうです。

なんとなく・・・想像がつきます

行政職員にしても、防衛省などを除くと、「戦略」を体系的に学ぶ機会は無いでしょうし。。

Wikipediaでは戦略の定義を

『長期的視野、複合思考で特定の目標を達成するために力や資源を総合的に運用する技術・科学である。』

としています。うーん、なんとなくわかるようなわからないような。

本書では、

『何かしらの目標を達成するための一つの「行動計画」であり、その目標を達成するために手段が組み合わさったシステムと一体となった、一つの「ねらい」である。』

と定義しています。

どうやら
・何らかの目標があり、それを達成することを目指すもの
・複数の試みや行動が結びついた総合的なもの
であるらしい。

「戦争」に必要なのが「戦略」で、「戦闘」に必要なのが「戦術」「テクニック」とも書いています。

戦略における「目標」は、「大きな目標」であることが必要なのかも。

「電子政府」に必要なのが「戦略」で、「オンライン申請」に必要なのが「戦術」「テクニック」とも言えましょう。

ワイリーは、戦略の分析法として「順次戦略」と「累積戦略」を提示しています。

「オンライン申請」は、「順次戦略」がほどんど考えられておらず、かといって「累積戦略」があるとも思えません。無秩序な自爆テロが一番近いかも。。。

本書における総合戦略の視点で電子政府を見ると

1 電子政府、つまりは行政におけるIT活用した業務の効率化やサービスの高度化は避けられないものである

2 電子政府の目的は、国民との関係をコントロールするものである

3 電子政府は、行政の計画通りに進むことはなく、予測不可能である

4 電子政府における究極の決定権は、現場に立ち、業務を処理しサービスを提供する職員が持っている

と整理することができるでしょう。

最後に、戦略の階層(エドワード・ルトワックなど)を紹介しておきます。

世界観:Vision

国家政策:Policy

大戦略:Grand Strategy

軍事戦略:Military Strategy

作戦:Operation

戦術:Tactics

技術:Technique

さて、電子政府には何が欠けているのかな