戦略の原点、行政管理職のスタートラインとして

戦略の原点
清水 勝彦
日経BP社

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本書の特徴は、「すべての数学の基礎となる九九」のような、幅広く応用が可能な「基本」へのこだわりにあります。

先に紹介した『戦略論の原点』よりは、「企業経営」という一分野に焦点を絞っていますが、その内容は様々な分野に通じ応用できるものばかりです。

MBA関連の書籍は多いですが、「わかりやすさ」と「ハズレのなさ」という視点から見た場合、本書はかなりオススメですね。

電子政府評価委員会でのヒアリングもそうですが、行政職員の方々と話をする中で、なかなか「噛み合わない」ことがあります。

それは、あたかも同じ日本語を話していながらも、全く異なる言語で会話するような感覚です。

考え方の背景や方向性が異なるとでも言いましょうか。

そうした「噛み合わない」は、お互いが共通の認識や知識を持つことで、ある程度は避けることができると思います。

本書における『戦略』の基本は、まさに電子政府における共通認識として、関係者の多くが学ぶべきものです。

最近では、地方でも国でも、戦略的な思考や手法を身に付け実践する人たちが出てきています。

省庁でも、せめて課長補佐以上の職員には、必修科目として「戦略」を学んで欲しいと切に願うのでした