民主主義という不思議な仕組み

民主主義という不思議な仕組み (ちくまプリマー新書 64) 佐々木毅

「中学生にもわかるように書く」は、学習書を書く上での基本と思いますが、実践するのはなかなか難しい。。

世の中には頭の良い人がいるもので、本書では民主主義について大変わかりやすく解説しています。

行政ってなんだろう 新版 (岩波ジュニア新書 586)とセットで読んでおきたいですね。

電子政府と民主主義の関係は深く、「市民参加の可能性」もその一つです。

もっとわかりやすいところでは、「声の大きい一部の人たち」が電子政府に少なからずの影響を与えるという現実。これなども、民主主義の事例です。

電子政府では、いわゆる「利用者の意見」を全部聞いていたら、システムが肥大化・複雑化し、予算がいくらあっても足りなくなってしまいます。そして、できあがったシステムは、いびつで使いづらいものとなり、「電子政府の負の遺産」となってしまうのです。

「電子政府の負の遺産」に対しては、「役所が責任を負わない」と言われますが、実は「声の大きい一部の人たち」の責任も大きいのです。

「声の大きい一部の人たち」は、自分たちの利益優先で、「全体最適」といった考えはあまり持っていません。

こうした問題に対しては、「電子政府サービスやシステムの価値」を明らかにしておくことが有効です。

すなわち、その電子政府サービスが
・誰に対して
・どのような価値を
・どれぐらい
もたらしてくれるだろうか? ということです。

「電子政府サービスの期待価値」と言っても良いでしょう。

「電子政府サービスの期待価値」がわかれば、「いくらぐらいの税金を使って良いか」がわかります。

これまでの電子政府では、期待価値が100万円のサービスを、何億円・何十億円の値段で買っていました。

しばらくすると価格が下がってきて、数千万円ぐらいで買えるようになり、「いやー、安くなった」と喜んで買いました。価値は100万円なのに。。

今後の電子政府に必要なのは、価格に見合わない価値しかないサービスやシステムを処分し、価格に見合わない価値しかないサービスやシステムを新たに「作らない・買わない」ことです。

そのためには、サービスやシステムの「本当の価値」を見極める判断基準が必要となります。