地方公共団体電子申告等普及促進協会の設立(1):エルタックスの課題と改善策は

先日、「地方公共団体電子申告等普及促進協会(略称:APTO)」という団体の設立総会に参加してきました。地方税の電子申告(地方税ポータルシステム:eLTAX)の普及を目指して、民間企業や納税者に対して情報提供を行い、関係機関に対して提言していくとのこと。

団体の構成はベンダーが中心となっており、作者はオブザーバーとして参加させて頂くことになりました。

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今後の電子政府・電子自治体においては、民間企業から「こうしたサービスモデルなら、使ってみたい」と提案していくべきなので、APTOのような試みは、とても良いことと思います。

もちろん、電子政府ベンダーの利益だけを追求することがないように注意することが大切ですが。。

良い機会なので、「地方税ポータルシステム:エルタックス」に向けて、作者からいくつか提案してみたいと思います。

●エルタックスとは

eLTAX(エルタックス)とは、地方税ポータルシステムの呼び名で、地方税におけるインターネット電子申告・申請・納税といったサービスを提供しています。

利用件数や利用率は着実に増えているものの、利用できる市町村やサービスが少ないといった課題があります。

関連>>eLTAXとは(地方税ポータルシステム)

エルタックスの特徴は、「全ての地方公共団体が共同で利用できるシステム」になっていることです。

地方自治体における電子申請や電子入札のシステムは、都道府県内で共同利用することで、経費を少なくしよう(割り勘にしよう)としていますが、エルタックスのように全国規模のシステムにはなっていません。

単純に考えれば、全国で1821(平成19年12月1日現在)ある市区町村と47都道府県が、一つのシステムを共同利用した方が安上がりとなります。

また、税申告する国民や企業から見ても、一つのシステム(窓口)で全国の自治体への手続が完了するのは、とても便利なことです。

ですから、エルタックスは、活用次第ではかなり効率的な仕組みと言えます。

関連>>最近10年間の市区町村数の変遷

しかし、実際には、エルタックスに参加する(共同利用を申し込む)自治体が少ないため、割り勘の効果も少なく、利用者から見た窓口のワンストップ化も道半ばとなっています。

関連>>地方公共団体ごとのサービス状況(地方税ポータルシステム)

こうした状況の中で、エルタックスの今後の課題は

・参加自治体を増やすこと
・サービスを拡充すること

の2点と考えられています。

●作者からの提案

エルタックスをより良いサービスとするための、作者からの提案は次の5点です。

1 エルタックス自身が、財務体質を強化すること
2 自治体の業務分析と財務分析を行うこと
3 業務改善の提案を付加したSaaS型サービスを提供すること
4 「電子私書箱」の機能を活用・推進すること
5 公共性・社会性を重視すること

詳細については、次回以降で説明しましょう。