重点計画-2007が決定、サービスの専門家で電子行政サービスの検証を
ＩＴ戦略本部から、重点計画-2007（PDF：2007年7月26日）が公開されました。ＩＴ戦略本部（第４２回）議事次第の中で、「重点計画－２００７（案）に対する意見及びそれらについての考え方」も公開されています。パブリックコメントを踏まえての大きな変更は、特に無いとのこと。
電子政府関連では、
１ 国・地方の包括的な電子行政サービスの実現
２ 国民視点の社会保障サービスの実現に向けての電子私書箱（仮称）の創設
３ 世界一便利で効率的な電子行政
の三つが主な施策ですね。
●国主導では、良い電子行政サービスは生まれない
「国・地方の包括的な電子行政サービスの実現」は、今後の電子政府・電子自治体のあり方に大きな影響を与えるものですが、成功は極めて困難と認識したいところ。
国が、先進自治体や民間企業（特に電子政府ベンダー以外）から学ぶという形を取れれば、良いサービスが生まれる可能性があるかもしれません。
つまり、自治体、民間企業、利用者（企業、国民）が考えるサービスの実現を、国が協力・支援するということです。
●サービスの専門家による、電子行政サービスの検証を
「世界一便利で効率的な電子行政」は、「オンライン申請率50％達成や簡素で効率的な政府の実現」という副題がある通り、「現在の電子行政サービスやインフラを、もっと利用してもらいましょう」という施策です。
現在のオンライン申請サービスの多くは、マニア向けとも言える難しさなので、根本的な改善が無い限り、利用率５０％の達成は無理ですね。
電子政府評価委員会では、個々のサービスを細かく分析・評価することが困難なので、行政や民間から「サービスの専門家」を集めて、電子行政サービスを検証してもらい、廃止・統合・条件付きで継続といった措置を取るのが有効でしょう。
「電子私書箱」については、別ブログで詳しく述べたいと思います。
関連ブログ＞＞「重点計画－２００７（案）」が公開、民間の優れたサービスから学びましょう｜次世代電子政府サービスを考える：これからは行政が国民に合わせる
オンライン利用率に関して
>現在のオンライン申請サービスの多くは、マニア向けとも言える難しさなので、根本的な改善が無い限り、利用率５０％の達成は無理ですね。
８月３日に総務省が公表しましたね。
「平成１８年度における行政手続オンライン等の状況」です。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/pdf/070803_6.pdf
利用率が極めて低い。惨憺たるありさまです。法務省の登記申請における利用率には数字のトリックがありそうですねぇ。
登記情報提供サービスの利用件数も利用率に上げているので・・・
オンライン登記手続と登記情報提供サービスの利用とは異質なんですけど。
まぁ、この利用件数を含めないと利用率が惨めなものだからであろう。
勝ち組と負け組み
イエモリさん、こんにちは。
コメント＆最新情報ありがとうございます。
オンライン申請も格差社会のようで、勝ち組と負け組みがはっきりしてきましたね。
・厚生労働省の汎用システム
・法務省のオンライン登記申請（証明書関連を除く）
・国税（イータックス）
この３つは、改善が見込めず、今のままでは税金の無駄遣いなので、制度設計からやり直して、廃止・統合等の措置が必要と思います。
登記情報提供サービスの利用件数や利用率は、別枠で示すようにお願いするつもりです。
交換システムが入っていそうな数字
イエモリさん、むたさん こんにちは。
法務省の分の数字ですが、成年後見証明は電子署名がいるのに５０％近い。ありえるのかなと思ったのですが、各法務局、地方法務局から申請するのも省内オンライン使って東京法務局からとりますから、これも含めているのかと。
そうすると不動産、商業法人登記証明書にも、交換システムを使っているというだけで、窓口で紙の申請書を出して申請する分までオンラインに上乗せか？
国を挙げて盛下げる
国を挙げて電子政府の構築で３大目標が・・・・
>・法務省のオンライン登記申請（証明書関連を除く）
・国税（イータックス）
これに自動車保有関係手続といわれるOSS.
これらの利用率、重点三項目の目標値が惨憺たるものです。
ほんとどうするんでしょうね。
交換システムを含めるのは詐欺
すみません。まだ先程のコメントがアップされていませんが、追加です。
法務省の統計から見ると
http://www.moj.go.jp/KANBOU/JOHOKA/online01.html
不動産の利用件数38,151,990、商業の利用件数15,069,238の合計53,221,228の中には、提供サービスの20,333,915が含まれてますが、提供サービスを除いた32,887,313のほとんどが交換じゃないですか？
あの証明書オンラインが１８年度３０００万件あったとは考えられません。
省内オンラインは、利用者たる国民はオンラインだと意識していないのだから、これを利用実績にするのは詐欺だと言っていいでしょうねえ。
交換システム
イエモリさん、sagoさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
成年後見証明のオンライン申請件数・申請率については、昨年から疑問に思っていたのですが、もしご指摘のとおりであれば、ちょっとひどいですね。
不動産・商業の証明書交付についても、オンライン申請が提供サービスより件数が多いとは考えにくいですし。。
評価委員会では、今年も省庁へのヒアリングを予定していますので、事実確認をしておきたいと思います。
役人のやりそうな係数トリックですよね
＞不動産の利用件数38,151,990、商業の利用件数15,069,238の合計53,221,228の中には、提供サービスの20,333,915が含まれてますが、提供サービスを除いた32,887,313のほとんどが交換じゃないですか？
あの証明書オンラインが１８年度３０００万件あったとは考えられません。
オンライン利用で登記事項証明書交付請求件数が３０００万件数？も行ってるわけがありません。利用者は極々一部だろうと察します。４月から手数料が７００円になったので微増はしているでしょうけど。
「登記事項情報交換システム」利用を利用件数に含めているのであれば、これはトリックですよね。役人の考えそうなことです。
社保庁が以前に、年金の納付率をごまかすに分母をいじったというのに似ているのかもしれませんね。
法務省、きちんと説明しないとその責任が問われますよ。大臣が「お詫び」するようにならないようにね。
詐欺はいいすぎか
すみません。詐欺はいいすぎだったか。あんまり反省してませんが、例えば厚生労働省の「年金受給権者現況届」をどう見るか。
こんなのも住基コードで勝手にやってるだけなのですが。
http://www.mhlw.go.jp/sinsei/torikumi/07/dl/03-01-01.pdf
年間8,356,004件がオンラインだといいます。
厚生労働省全体実績が10,223,133ですから、これもいわば水増しでしょう。実質。
ただ、まあ住基ネットの恩恵だとはいいたいのでしょうね。そうすると登記の交換システムも、省内ネットワークの恩恵か？
やっと発表-登記情報オンライン提供
もしかしたら今回初めてですかね。
http://www.moj.go.jp/KANBOU/JOHOKA/online01-04.pdf
独立行政法人等が扱う手続（申請・届出等手続）
オンライン提供サービスが５０００万件くらいあるものと思っていました。
これが２０００万なら、のこり３０００万が何かになってしまいますね。
ただ、民事法務協会の決算書があるから、この件数の水増しも無理。
どうも、総務省の言う
「また、平成19 年3 月に改定された「オンライン利用促進のための行動計画」の対象である利用促進対象手続（161 種類）に限るとオンライン利用率は17.1％となっており、「オンライン利用促進のための行動計画」における平成18 年度のオンライン利用率の目標（17％）を達成しています。」
これを発表したいがための水増しか？
成年後見では状況証拠があります。
むたさん 成年後見に関しては、ほぼ間違いないでしょう。
http://www.moj.go.jp/KANBOU/JOHOKA/online02-1.pdf
１４ページの「成年後見登記に関する証明書の交付請求」のが、１７年度に急激に増えました。地方の本局で取れだしたのが、１７年の１月３１日です。
http://houmukyoku.moj.go.jp/hakodate/standard/seinennkouken19.html
２、３月でそこそこ申請が出るでしょうから１６年度実績もそれなりにあったと。
申請件数の数え方
住基ネット等の活用により、申請等が不要となった手続きについても、実績がわかるようにしましょう。
といったことが、評価委員会でも確認されましたが、
そのままオンライン申請件数の実績に含めるとしたわけではありません。
そんなことをしたら、実際のオンライン件数を正確に把握することができなくなりますし、行政側で好きなだけ水増しが可能となります。
・行政内部のネットワーク経由で行われるものは、オンライン申請件数に含めない。
・別途、実績として把握することは必要である。
以上を評価委員会で確認したいと思います。
法務省と厚生労働省には、正確な申請件数の内訳を資料として提出してもらいましょう。
下手したら、イエモリさんご指摘のように、またニュース＆謝罪となるかもしれませんね。
利用件数の調査部署がベンダーじゃないのか？
オンライン化等の状況の調査をした現場は、そのシステムを開発したベンダーではないのか？
受け持ち省庁から「利用件数を提出しろ」と言われて適宜恣意的に利用率概念をねじ曲げて、報告提出したのでは？
利用率をなんとかしても「色をつけたい」と。
戦前の「大本営発表」のようにならないように。敵航空母艦３隻撃沈などと発表し、最後には敵空母の総数を上回る撃沈数を発表したり・・・・
利用率、利用件数については「国民」は観ていないと思っているのじゃないか。
分母が変
法務省の報告で
http://www.moj.go.jp/KANBOU/JOHOKA/online01.html
の不動産、商業の備考欄に書いてある、
『※利用率は，利用件数をオンライン庁における平成１８年度の申請件数で除して算出(No.1)』とあるのですが、オンライン庁の分の総申請件数ですと、証明書の申請件数はもっと減るのではないかと思うのですが、これは正しいのかな。
交換システムは、オンライン指定庁でなくとも使えるのですが、あの３０００万という数字は、オンライン指定庁のみで交換システムを使った数字なのでしょうか？
むたさん またお尋ねする機会がありましたら、よろしくお願いします。
先程のは甲号のみ
すみません。さきほどの「分母が変」は、登記申請いわゆる甲号のみが、指定庁分だけを分母にするというものでした。読み間違えておりました。
ただ、甲号は未指定庁を含むとあまりに惨めな数字になるから、ぬかりなくやってます。
財務省は通関、税関で稼ぐ
１８年度オンライン利用実績が全体で「1 億2,419 万8,676 件」もあったということですが、登記、年金以外でどこにそんな件数があるのかと思ったら財務省でした。
http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/densiseifu/tetuduki_online1908b.pdf
５０００万を越えてますが、ほとんどは通関、税関関係ですね。これは水増しではない。
ということは、登記５３２０万、厚生労働省１０００万、財務省５４００万で、ほぼいっぱいですから、登記交換システム３３００万と、年金現況届８３５万の水増しがないとやはり厳しい数字になると。
別ブログで
イエモリさん、sagoさん
コメントありがとうございます。
この件、かなり深刻そうなので、別ブログで投稿しておきました。