「社会保障カード」の導入、厚生労働省まかせは危険

社会保険庁から、年金記録問題への対策(PDF)が公開されています。全3ページのわかりやすいリーフレットですが、ちょっと注目したい記述もあります。

『年金記録管理の在り方を抜本的に見直し、平成23年度中を目途に、年金手帳、健康保険証、更には介護保険証の役割を果たす「社会保障カード(仮称)」を導入します。』

というものです。

この「社会保障カード(仮称)」と

以前、本ブログでも触れた「健康ITカード」との関連が、いまいち良くわからない。。

恐らくは、「社会保障カード(仮称)」をPKI電子証明書対応のICカードで発行する。そして、希望者には、自身の健康情報等にアクセスできる「電子証明書」を発行・格納して、「健康ITカード」としても使えるようにする。ということで良いのかな。

「社会保障カード(仮称)」の導入時期とされる平成23年度は、今から4年後ですが、それまでに社会保障番号の導入なども済ませるつもりなのか(ちょっと厳しい)、とりあえずICカード化を進めるのかも不明です。

しかし、

・平成18年度中に被保険者証の券面に装着させる二次元コード(QRコード)の標準を示す
・平成20年度に、二次元コード(QRコード)を被保険者証の券面に装着させることを一部保険者に義務化する

と決まったばかりなのに、無理にICカード化すると、対応を迫られる企業や病院の負担が大きくなるばかり

健康保険証や介護保険証は、日常的に使うものだから、二次元コード(QRコード)装着のカードで一枚に統合するのは良く理解できます。この場合、ICカード化を急ぐ必要は全く無いので、平成23年度以降で良いはずです。

年金手帳をICカード化するにしても、社会保険庁の解体や社会保障番号の導入の有無といった問題が整理されてからの方が、システム構築等も安価で済むはずです。

介護制度や薬害問題などで、厚生労働省の対応のまずさが指摘されていますが、電子政府の分野でも、「使われない電子申請システム」を初めとして、かなりの「税金の無駄遣い」が放置されています。

「社会保障カード(仮称)」の導入についても、かなり危険な投資となる可能性が大きいので、総務省に監視してもらった方が良いんじゃないかなあ。

関連>>主要三分野(登記、税、社会・労働保険)の電子申請、今後のあり方について「年金業務・社会保険庁監視等委員会」の設置(PDF)

もちろん、国民による監視も必要でございます