評価も現場から、道路占用許可の電子申請から学ぶ

国土交通省の近畿地方整備局が、「平成18年度近畿地方整備局研究発表会論文集」を公開しており、この中に「道路占用許認可申請の電子化の現状と課題(PDF)」という論文があります。内容を見ると、地方の現場でも、かなり適切に電子申請の評価が行われていることがわかります。

「地方の現場でも」と言うよりは、「地方の現場だからこそ」と言った方が良いかもしれません。

なぜなら、地方の現場担当者は、電子申請の利用者である企業等と接する機会も多く、利用者が置かれている環境やニーズについて理解が深いからです。

上記の論文を執筆されている方は、「道路部 路政課 行政第一係長」ということで、まさに現場の視点(利用者視点を含む)で電子申請を見ています。

例えば、「電子申請の認知度」を高めるために、利用者の操作説明会の開催、出張所等の窓口で説明やパンフレットの配布といったプロモーション活動を行い、電子申請システムの利用を促進し、実際に利用率を増やしています。

アンケートやヒアリングの実施を通じて、利用者の実感指標を測定し、行政側の効果についても検証しています。

今後の課題として、システムの最適化(関連システムの統合化)についても触れています。

電子政府評価委員会のように、全体を俯瞰して評価する機関は大切ですが、各現場における自己分析や改善への取り組みがあってこそ、評価が意味のあるものになります。

電子政府は、トップダウンだけでもダメだし、ボトムアップだけでもダメ。

トップダウンが先行する必要はありますが、ボトムアップを育て支援することで、両者の最適なバランスを探る努力が大切です。

そして、その最適なバランス(割合)は、一定なものではなく、状況に応じて変化することを理解しましょう