電子申請の統合も利用者視点で (e-Gov懇親会感想その3)

各省庁の電子申請システムの統合については、電子申請システムの比較電子申請の失敗:汎用受付等システムに欠けているもので述べてきましたが、今となっては非常に難しいというのが正直なところです。

なぜなら、使ってもらえない電子申請システムを寄せ集めても、使ってもらえるはずはないからです。

もし、使ってもらえるようにしたいのであれば、「統合も利用者視点で進める」という考えを徹底しなければいけません。現在のように、準備のできた省庁から統合するという流れを変える必要があるのです。

政府は、オンライン利用促進対象手続を決めており、年間申請件数の多い(年間申請件数10万件以上)手続、企業が行う頻度の高い手続、オンライン利用に関する企業ニーズの高い手続等を把握しています。これを活用しない手はありません。

例えば、登記・自動車・社会保険・税などの電子申請を統合(専用システムがある手続きは案内だけで良い)すれば、利用者の7~8割のニーズを満たすことができるはずです。統合にも、利用者視点で優先順位を持たせるべきなのです。

電子申請システムの統合によって、「どの組織が参加したか」ではなく、「何ができるようになったか」を、利用者にわかりやすく伝えることができなければ、使われない現状を変えることは難しいでしょう。

関連>>利用者視点の組織改革(PDF)