公務員へのマイナンバーカード取得推進から考える、カード普及率の将来像

全公務員、マイナンバーカード 年度内取得 事実上強制|東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201908/CK2019082002000146.html

東京新聞らしい見出しと内容ですが、総務省自治行政局公務員部福利課の担当者は「あくまで『勧奨』で強制ではない」と回答しています。「職場の入館証」や「公務用システムへのログイン認証」などの用途が無いと、取得しても使い道が少ないですよね。電子入札のように「無いと困る」の環境整備が大切と思います。

イノベーター理論におけるイノベーター(Innovators:革新者 2.5%)とアーリーアダプター(Early Adopters:初期採用層 13.5%)の合計が16%で、この「16%の壁」を超えることがマイナンバーカード普及でも重要と考えます。住基カードでも、普及に力を入れる自治体において、実質的な強制(旧印鑑登録カードの廃止等)が無い場合は「16%の壁」がありました。

最新のマイナンバーカード交付状況(令和元年7月1日現在)によると、人口に対する交付枚数率は全国で13.5%となっています。その一方で、特別区では18.8%となっており、都道府県では東京、神奈川、奈良、宮崎などが「16%の壁」を超えていることがわかります。さらに、交付率上位の市町村には3-5割といった猛者も見られます。

交付枚数は「累積」なので、実際に「有効なマイナンバーカードの普及率」はもっと低いですが、任意のカードをここまで普及させたのは正直すごいと思います。

今後は、「マイナンバーカードの健康保険証利用」や「マイナポイント」などが実施される予定ですが、「無くても困らない」状況が改善されない限り、「16%の壁」を超えた先にある「アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随層)34%」へ移行し、全体として50%ぐらいまで達するのは難しいと思います。

心配なのは、「とにかくマイナンバーカードを普及させたい」となり、そのために貴重な人的資源や税金、そして時間が使われてしまうことです。普及率が頭打ちになったと思える早い段階で、「取得の義務化」も視野に入れた「無いと困る」の環境整備へ方向転換する、といった政治的な判断と意思決定が求められます。

関連>>公務員のマイナンバーカード取得は事実上の強制ではない!断っても罰則なし
https://www.lifehacking360.com/6916/

アーリーアダプターとは。イノベーター理論やサービスの成功・失敗例を解説
https://tech-camp.in/note/pickup/49754/

マイナンバーカード交付状況
http://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/#kouhu


個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について
https://www.ppc.go.jp/news/press/2019/20190826/

個人情報保護委員会が、株式会社リクルートキャリアに対して、個人情報保護法第42条第1項に基づき勧告及び法第41条に基づき指導を行ったと。
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/190826_houdou.pdf
リクルートキャリアが個人情報保護法第20条で求められる「安全管理措置」を適切に講じず、第23条第1項の規定に基づいて必要とされる「個人データを第三者に提供する際に必要な同意」を得ずに第三者に提供していたもの。

「一部の会員から必要な同意を得ていない状態で、リクルートキャリアにおいて、この不備を予防、発見、修正する体制がなかったこと」が問題と指摘されたようですね。逆に言えば、サービスそのものが個人情報保護委員会から否定されたわけではなく、わかりやすい説明と共に本人の同意を得る仕組み(オプトアウトもできる仕組み)を確立しておけば、ここまで大きな問題にはならなかったと言えるでしょう。

他の同種企業は、今回の個人情報保護委員会の措置に恐れることなく、リクルートキャリアの事例から学び、新しいサービスの開発を進めて欲しいと思います。その際には、弁護士だけでなく、少なくとも個人情報保護委員会には事前照会することをお勧めします。

関連>>『リクナビDMPフォロー』に係る当社に対する勧告等について
2019.08.26 株式会社リクルートキャリア
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2019/190826-01/
今回の『リクナビDMPフォロー』で起きた問題の根本は、「学生視点の欠如」と、「ガバナンス不全」にあると考えていると。これまでは、『リクナビ』全体を総合的に俯瞰するプライバシー責任者がいなかったみたいですね。

個人情報の保護に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC0000000057
(安全管理措置)
第20条 個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
第20条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
一 法令に基づく場合
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

リクナビ内定辞退予測、YKKや東京エレクトロンも購入
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190817-00000026-asahi-bus_all
プライバシーポリシーに「閲覧履歴をもとに内定を辞退する確率を予測し、企業に提供すること」を明記して、かつオプトアウトできる選択肢を学生に与えていたとすれば、このサービスはどうなったのかなと思います。また、有名企業でこうした過ちが多発するとすれば、個人情報保護制度にも問題があると言えますね。


第1回国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会の開催について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06643.html

我が国では、2020年度から特定健診、乳幼児健診等、2021年度から薬剤情報について、マイナポータルにより提供することとされており、これらを通じて、予防、健康づくりの推進等が期待されている。今後は、他の健康・医療等情報等も含めたPHRの活用も期待されると。日本でEU先進国並みのPHRが実現できるのは、早くても2023年頃でしょうか。
関連>>データヘルス改革で実現するサービスと工程表(平成31年2月26日現在)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000483677.pdf

第2回 医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みに関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000293890_00004.html

議題は、被保険者番号履歴を活用した医療等情報の連結について。
被保険者番号活用の仕組みの基本スキーム(イメージ図案)を見てビックリ。こんなこと考えているんですね。NDB、介護DB、DPCDB、MID-NETを「匿名データベース」と分類してるけど、ホントにそれで良いのかな。


中国のサイバー攻撃集団が、7年にわたり世界の医療データを攻撃していた
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12849.php
ネットワークに接続する医療機器の使用が増えるにつれて、こうした機器がサイバー攻撃のターゲットになる可能性も高まると。日本もターゲットになってますね。

日本企業のアプリには「おもてなし」の心が足りない
https://diamond.jp/articles/-/212989
サブスクリプションモデルでは「その機能が使われているかどうか」が問われる。完成品をつくるのではなく、常にアップデートすることが大切と。電子政府サービスも、同じですね。


年金って? 老後のお金 知るべきこと:日本経済新聞
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/pension-system/
年金制度の「見える化」ですね。政府の説明より、わかりやすいかも。
関連>>公的年金制度の概要|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei01/index.html
いっしょに検証!公的年金 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/index.html

第25回 税制調査会(2019年9月4日)資料一覧
https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2019/1zen25kai.html
私的年金税制等について、アメリカ・カナダ、イギリス・フランス・ドイツなどの海外調査報告が出ています。


第4回 納税環境整備に関する専門家会合(2019年8月21日)資料一覧
https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/noukan/2019/1noukan4kai.html

今後の納税環境整備の方向性について。マイナポータル経由やAPI活用の最大の課題は、「従業員等の個人がマイナポータルのアカウント作成してくれるかどうか」と思うのですが、資料だけだとよくわかりませんね。

○ICTの活用による年末調整手続の簡便化のため、年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)を無料で提供(2020年10月導入予定)。
○確定申告に必要な控除証明書等の情報をマイナポータル経由で一括入手し、そのデータを確定申告書に自動入力できる仕組みの実現に向けて検討中。
○これまで縦割り・バラバラだった手続をマイナポータルを活用して法人設立オンライン・ワンストップ化を実現(設立後の手続きは2019年度中)。
○従業員の採用、退職等のライフイベントに伴う社会保険・税手続等について、マイナポータルのAPIを活用したオンライン・ワンストップ化を開始(2020年11月頃から順次)。

関連>>企業が行う従業員の社会保険・税手続のオンライン・ワンストップ化等の推進
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/sankankyougikai/smartpublic/dai3/siryou2-2.pdf

企業が行う従業員の社会保険・税手続のオンライン・ワンストップ化等の推進に係る課題の最終整理 2019年4月18日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/kettei/20190418kettei_3-1.pdf
本施策においては、社会保険関係、国税関係、地方税関係の対象手続について、一括してマイナポータル経由で連携するためのAPIをマイナポータルが公開する。申請等データをサービス事業者の Webサービス等からマイナポータルへの送信を可能とする

ソフトウェア開発業者の方へ(マイナポータルAPI提供)
https://www.cao.go.jp/bangouseido/case/business/developer.html

「APIで電子行政サービスを良くする」という発想は時代遅れに
https://www.manaboo.com/wordpress/?p=1907
「行政が民間サービスのAPIを使って手続や事務処理に必要な情報をリアルタイムで見に行く」の時代へ。


ドラレコだけじゃない 「あおり対策」で使える新機能
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/082000616/
ドライバーが通報ボタンを押し、「あおり運転に遭っている」と告げると、オペレーターはすぐに警察に連絡。オペレーターとの会話が警察に切り替わり、ドライバーはそのままハンズフリーの状態で警察のアドバイスを受けて走ることができると。こうした緊急通報サービスが普及すると良いですね。例の煽り運転の動画を見た後で、本日、ちょっとドキドキしながら久しぶりに1時間半ほど車を運転しましたが、煽られることもなく、右折時に道を譲ってもらったぐらいでした。

既に「移民大国」 日本人だけもう限界
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00191/
日本語教室に来ていたイランの人たちは、日本人配偶者の在留資格を得て、自分で起業する人も多かったです。

出産一時金詐取の疑い=ボリビア人男女逮捕-2千万円超被害か-神奈川・千葉県警:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019082200868&g=soc
神奈川・千葉の両県警はイシイ容疑者が制度を悪用して一時金の不正請求を繰り返し、関東、中部、近畿の各地方で計約40件、総額2000万円以上をだまし取っていたとみて調べを進めていると。複数自治体に対する生活保護の不正・重複受給と同様に、データ管理がバラバラだからこそ起こる問題の一つですね。

パスワード管理の心構え最新常識
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00079/080800002/
セキュリティー強度を高めるために、(1)強度の高いパスワードを使用し、(2)パスワード管理ソフトを使い、(3)「2段階認証」を使うことを勧めていると。特に、お金が関わる決済系サービスや生活上重要なオンラインサービスについては、この3つを実行したいですね。

日本銀行はデジタル通貨を発行すべきか
日本銀行副総裁 雨宮正佳
https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2019/data/ko190705a1.pdf
中央銀行は最新の情報技術動向やそのCBDC(Central Bank Digital Currency)への応用可能性に関する理解を深めておく必要がある。CBDCを通じて、決済システム全体を改善していくヒントが得られると。

三鷹市自治体経営白書2019 2019年8月4日
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/c_service/081/081088.html
第1章 基本構想で定める「自治体経営の基本的な考え方」に基づく取り組み
第2章 第4次三鷹市基本計画(第1次改定)に基づく取り組み
第3章「各部の運営方針と目標」に基づく取り組み
第4章 行財政改革等の取り組み
富士通総研経済研究所の榎並さんが「AI/IoT時代における持続可能な自治体経営とは」を寄稿されています。
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/c_service/081/attached/attach_81088_3.pdf

京浜急行本線の踏切事故で考えさせられた、現場周辺地域の2つの「複雑事情」
https://news.yahoo.co.jp/byline/sakuraiyukio/20190906-00141481/
そもそも踏切がなければ、このような事故は起きない、との思いもある。踏切がなければ、交通渋滞も起きにくくなるし、カンカンという音もないと。地元を運転している身としても「京浜急行の踏切は避けたい」というのはありますね。イチコク、ニコクも確かにわかりにくい。