マイナンバーカードを活用した全国共通のポイント制度「マイナポイント」とは

共同通信の記事「政府、全国共通の新ポイント発行 マイナンバーカードを活用」が流れたことで、久しぶりにマイナンバーの話題で盛り上がっているようです。その後の記事として、ITmediaから「マイナンバーカード取得者にポイント付与 「○○ペイ」と連携、20年度導入へ」も出ています。

総務省でも、専用サイト「マイナンバーカードを活用したポイント」を開設し、具体的な内容は現在検討中・準備中としながらも、情報提供を始めています。

実際にポイントを受け取るためには、「マイナンバーカード」に加えて、専用のID(マイキーID)が必要になります。法律上、「民間サービスとの連携にマイナンバーは使えない」ので、マイナンバーカードのICチップに格納された「利用者証明用電子証明書」を利用することで、「本人に確実に紐づけされたサービス連携用のID(1個だけ作成可能)」を発行するのです。

マイキーID」は、「自治体ポイントの口座番号」として機能し、自治体ポイントの付与、使用、残高確認等の事務を管理するために使われています。この「マイキーID」に、官民の各種サービスで使用される個々のサービスIDを紐づける(登録する)ことで、マイナンバーカードを活用した官民サービス連携が可能になります。

利用者証明用電子証明書発行番号>マイキーID>事業者ID>各種サービス利用者ID

このため、政府の方で把握できるのは、「マイキーIDに、どのサービスが登録されているか」までで、個々のサービスの利用状況(購買履歴等)までは把握できないようになっています。

2019年9月3日開催のデジタル・ガバメント閣僚会議(第5回)の配布資料「マイナポイント」を活用した消費活性化策によると、「一定金額を前払い等した者に対して、「マイナポイント」を国費で付与」となっており、民間キャッシュレス決済手段(○○ペイ等)に対して、この「マイナポイント」がプレミアム分として加算されるようです。また、利用場面の一例として、「スマホによるQRコード決済等でポイント利用」や「オンラインショップでポイント利用」があります。マイナンバーカードの普及に加えて、政府が推進するキャッシュレス決済との連携に力を入れるようです。

先に述べたように、政府が把握できるのは「マイキーIDに、どの民間キャッシュレス決済サービスが登録されているか」までなので、「利用者が民間キャッシュレス決済手段を利用して、どのような商品を購入したか」など個々のサービスの利用状況を、政府が把握することはできません。

これまで政府が推奨してきた「自治体ポイント」は、利用するまでの手続きが面倒で、利用できる場面も限られていたので、あまり利用が進んでいません。

2020年度の実施を目指すという今回の「マイナポイント」が、どこまで「利用者視点でサービス設計ができるか」は、今後の電子政府サービスを考える上でも、良い試金石になるのではないでしょうか。