オンライン利用促進のための行動計画(案)への意見

先日、「オンライン利用促進のための行動計画」が決まりました。「利用率50%」が単なる数字合わせとならないよう、どこに出しても恥ずかしくない洗練されたサービスを目指して欲しいですね。参考までに、作者が提出した意見(の一部)を掲載しておきます。

オンライン利用促進のための行動計画(案)への意見(全体として)

1.担当者からの自由コメント欄を

 行動計画を見ると、画一的な内容で良くも悪くも役所仕事といった印象を受ける。担当者からの自由コメント欄を設けて、メリット等をPRしてもらえば、政府の熱意が国民に伝わりやすくなる。

2.実務で利用できる電子許可証を

 許可証等を電子化して発行する場合、ただ電子化して発行すれば良いわけではない。紙の許可証等を、利用者がどのように使用しているのか(携帯、備付、他の機関等への提示・提出など)を考慮した上で、実務での利用に耐え得る電子許可証等を発行する必要がある。

3.電子申請だけでなく手続き・制度のPRも

 広報 ・普及活動は、ただ闇雲に電子申請の利用を働きかけるだけでなく、個別の手続きや制度についての宣伝と一緒に行うことが望ましい。電子申請サービスと一緒に提供される関連情報の量・質・わかりやすさが、サービス全体の価値を決めることになる。

4.本人が簡単にできるよう手続の見直しを

 更新手続など、定期的・反復的に行われ、高度な専門性を要しない手続については、紙でもオンラインでも本人が簡単にできるよう、手続・制度の見直しをする必要がある。

5.利用対象者との意見交流を

 利用アンケートだけでは、利用した人の意見しか見えてこない。利用対象者のうち、利用しない人からの意見(なぜ利用しないのか等)を聞き、新規の利用者開拓を図ることが必要である。特に、電子署名等を必要としない届出や報告など、簡単なのに利用が増えないものについて実施したい。こうした利用者の声を聞く機会の実施状況については、行動計画等に明示・記載するべきである。

6.利用率が低いオンライン手続の停止を

 平成20年度までに利用率が1割を超えないものについては、原則停止して、手続の見直し等を含めた新たな方策を検討することが望まれる。こうした措置が無いと、利用もされずお金ばかりかかるシステムが増え、「電子政府=箱物行政」といった悪いイメージが国民に植え付けられ、電子政府の健全な発展に悪影響を及ぼす恐れがある。

7.書類作成サービスの提供を

 手続によっては、「確定申告書作成サービス」のように、書類作成のサービスを提供するだけで、申請者の負担(代理人等に支払う費用を含む)が軽減される場合がある。オンライン化に固執せず、利用者の利便性や環境を考慮した柔軟なサービス提供が望まれる。

8.利用者への減税措置を

 手数料と同様に、税金に関する優遇措置をインセンティブとして提供することが望まれる。また、インセンティブの項目は、「手数料等」として、手続に伴い発生する税負担等も記載する必要がある。申請者からすれば、手数料も税金も、自分が支払う費用という意味で同じものである。

9.行政がオンラインで確認できるものは全て無料に

 住民票の写しや登記事項証明などについて、「行政がオンラインで確認できるもの=無料」「紙で証明書等を交付するもの=有料」として明確な差別化を図るべきである。また、各省庁や手続ごとに不平等が発生しないよう、政府全体の共通認識として明示しておく必要がある。

10.行政機関による戸籍情報照会のオンライン化を

 多くの手続で必要となる戸籍謄本・抄本を省略できるように、行政機関による戸籍情報照会オンライン化の早期実現が望まれる。なお、行政機関が照会できれば良いので、戸籍謄本・抄本を電子化して流通させる必要は無い(費用対効果が低い)。

11.紙の手続と連動した電子申請の利用申込みを

 オンライン手続を利用するにあたり、事前の利用申込みが必要なものについては、開業届出や営業許可申請の時に、オンライン利用申込みも受付けして、必要なID・PWやソフトウェア等を交付する。できれば、「原則、利用申込み」とする選択性としたい。

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