つぶやき電子政府(2015年6月9日):デジタル社会に向けた抜本的な法制度改革とは

第10回電子行政オープンデータ実務者会議 平成27年6月4日
新たなオープンデータの展開に向けて。
関連>>電子行政オープンデータ実務者会議 第2回公開支援ワーキンググループ 平成27年5月29日
公開支援に係る検討課題について(新たなオープンデータの展開に向けて)
 
 
配布資料にある電子行政分科会事務局からの「電子行政分野におけるオープンな利用環境整備に関する取組(PDF)」が指摘する「情報社会の一番の根の環境整備(制度の改革)が進んでいない」は、非常に重要です。
 
 
・氏名にフリガナがない
・法人等の組織名にフリガナ、英語名がない
・ローマ字運用が整理されていない
・印鑑が必要
・マスターコードがない
 
といった「デジタルサービスを考える前に見直すべき内容」は、「ITではない課題」であり、制度または制度の運用を見直す必要があるとしています。
 
また、「政府CIO制度以後」の図は、よく整理されていますが、重要なデータの多くは自治体にあり、自治体を含めた情報システムとデータ管理のガバナンス体制を俯瞰して考える必要があります。これは、現在の政府CIO制度の限界を示すものでもあります。
 
 
 
次の図は、私が考える、日本における「デジタル社会に向けた抜本的な法制度改革」の進捗状況と進むべき方向性を整理したものです。
 
 
デジタル社会へ移行して、健全な電子政府を実現するためには、「利用・推進」、「サービス・アプリケーション」、「プラットフォーム」、「データ」という4つの階層へのアプローチが必要です。
 
日本は、データ階層の法制度改革が困難・不十分であり、そのことが、電子政府の健全な発展やデジタル社会への移行を妨げていると考えます。
 
マイナンバー制度で、データ階層に切り込んでくれることを期待しましたが、既存のデータベースやデータ構造を変更することなく、既存の各種管理番号にマイナンバーを追加・紐付けしているので、プラットフォームの域を出ることはありませんでした。つまり、これまでの「箱モノ的な電子政府」を脱却するものではなかったのです。
 
「データ」は、最も重要で最優先で取組むべき階層なのですが、改革が最も困難な階層でもあり、省益にも直結し、ITベンダーにとってお金にならないので、手を付ける人がいませんでした。
 
つまり、霞が関やITベンダーからの、自発的な改革は期待できないのです。
 
ですから、政治家や有識者など、外部からの働きかけを行い、その必要性や重要性を行政職員やITベンダーに認識してもらった上で、協働・連携により改革していく必要があります。業務や情報システムに直結するデータ階層へのアプローチは、トップダウンとボトムアップの両方が必要になるからです。
 
 
本ブログでも紹介しているエストニアの電子政府の本質は、デジタル社会に対応した「データマネジメント」と「データガバナンス」を法制度として確立したところにあります。
 
 
なぜそんなことができたのかは明確ではありませんが、政治のトップや行政内部にITを理解している人が多かった、雇用の流動性が高い環境で優秀な人材が入ってきやすかった、などの理由が考えられます。
 
その法制度の中心となるのが、Public Information Act (エストニア公共情報法)です。
 
エストニア公共情報法は、旧データベース法を改正したもので、公共分野における情報システムとデータベースのガバナンスについて規定する法律です。
 
データ階層の法制度改革をしないままに、日本のマイナンバー制度や電子政府で、エストニアと同じような電子政府サービスを実現しようとすれば、何百倍もの費用がかかってしまうばかりで、「箱モノ的な電子政府」から脱却することはできないでしょう。
 
政治家は、国民・住民へのわかりやすいメリットを提示したいと思いますが、日本の将来を考えるのであれば、データ階層の法制度改革を行った上で、次世代の電子政府・行政サービスを考えて欲しいと思います。
 

 
第6回新戦略推進専門調査会 平成27年6月4日
世界最先端IT国家創造宣言に対する意見募集の結果を掲載。意見総数130件。
 
 
脱中国でプノンペンに奇跡を起こした北九州市
東南アジアで飲める水道水を実現、さらに他の都市へ展開中
水道設備を作っておしまいではなく、メンテナンスやオペレーションに関しても極めて緻密にノウハウを伝授。まだ賄賂が当たり前の社会にあって、そういう慣習が入り込む余地をなくすような経営手法を教え込んだ結果と。電子政府も、かくありたいですね。
 
マイナンバー制度で3つの誤解が浮上、システム対応をやり直す危険性も
「個人番号関係事務実施者」は、法律上は行政機関や企業等の組織を指すので、ここで言う「特定個人情報にアクセスできる人」は、「個人番号関係事務を行う権限を有する者」ですね。基本的には、企業は誰に「個人番号関係事務を行う権限」を付与するかを自由に決められるので、システム対応をやり直すのが大変(間に合わない、予算が無い等)な場合には、「個人番号関係事務を行う権限」の調整で対応することになりそうです。
 
「狙われているのは年金機構だけではない」、カスペルスキーが標的型サイバー攻撃を解説
通常の戦争と違って、サイバー戦争は始まりも終わりもはっきりしない、継続的な諜報合戦ですよね。年金機構の件も、入っている業者や従業員の素性から調べた方が良いかもしれません。。
 
寝たきり老人がいない欧米、日本とどこが違うのか
「延命処置をしないというと勘違いされるのですが、何もしないわけじゃない。延命処置はしなくても、緩和医療には手を尽くす。延命処置をする時間があったら、緩和医療に時間や人を割こうというのが、海外視察を通じて学んだことです」と。穏やかに亡くなることへのニーズは、日本でも高まっているのではないでしょうか。
 
「歳出の質」を改革せずに財政再建化は進まない
経済産業省に提出された日本総合研究所の調査レポートによると、糖尿病・高血圧性疾患・ロコモティブシンドローム(関節機能などが加齢などによって低下することなど)・誤嚥性肺炎・胃ろうを対象とした予防や重症化防止事業の市場創出効果は約4兆円程度であり、医療給付費削減効果は約1.2兆円であると。1.2兆円の削減でも、社会保障費の増加1年分しかカバーできないのですよね。
関連>>社会保障費の増加と財政状況
 
米で横行、税還付「なりすまし詐取」 1万3千人分、約49億円詐取も “マイナンバー”大量流出で
米国のオンライン行政サービスにおける本人確認は、あって無いようなものですから、当然の結果でしょうか。これはリスク管理の問題で、以前は受容できたリスクが、受容できないものになってきたということでしょう。
 
「マイナンバー対応中」は約30% 規模・地域で差
2015年6月2日 日本情報経済社会推進協会
JIPDEC・日本商工会議所共催「企業におけるマイナンバー制度実務対応セミナー」参加申込者のアンケート結果より。従業員数300名以上の企業、東京地域の企業では約半数が対応に向けてアクションを起こしているのに対し、100名以下、東京以外の企業では準備が遅れているという結果に。
 
朝日新聞は日本を戦争に引きずり込んだA級戦犯だ
戦時体制の中枢がGHQに迎合して生き延びた
ナチスを模範とする総動員体制を立案した朝日新聞は、軍国主義の中枢だった。大事なことは、軍部だけを悪者にするのではなく、あの悲劇をもたらしたメカニズムを理解すること。今度また朝鮮半島や尖閣諸島で軍事衝突が起こったら、一転して「日米が連携して中国を撃滅せよ」という論陣を張るだろうと。
 
社会保障改革の核心(上)―家庭医の導入とICT化を柱とする医療改革―
今後の社会保障改革の主戦場は医療・介護分野であり、家庭医の導入とICT化を柱とする医療改革が必要。プライバシーの保護を担保したうえで、早急にマイナンバーを活用できる体制を整える必要があると。
 
第9回 マイナンバー等分科会 平成27年5月20日
ICT街づくり推進会議共通ID利活用ワーキンググループの取組、三鷹市における社会保障・税番号制度への対応と課題、IT利活用促進に向けた取組、マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)など。
 
財政制度分科会(平成27年5月15日開催)資料
有識者ヒアリングで、「社会保障」について森田朗中医協会長が説明。現在の医療費の支出には削減できる部分があると。
国・地方のIT投資について、財務省主計局が説明。
地方の情報システム予算(平成26年度)は、
①市区町村は、約5,200億円(うち運用コスト約3,300億円、開発コスト約1,900億円)
②都道府県は、約1,910億円(うち運用コスト約1,270億円、開発コスト約640億円) 
 
企業でのマイナンバー対応、イマドキの3つの疑問:ITpro
・多くの企業にとって一つの目安となる時期は2016年12月
・証券会社や信託銀行は、2018年中までにマイナンバーを口座にひも付け
・生命保険会社は2016年1月の支払い分の調書からマイナンバーを記載
・中小企業でも担当者の適切な監督・教育が必要
 
マイナンバー制度の事業者向けチェックリスト等のご案内
全国商工会連合会 2015年5月13日
従業員が数名程度の事業者が最低限チェックすべきポイントを整理。
 
厚木市公共施設最適化基本計画の策定について 2015年4月22日
40年間で約422億円(年間約10.5億円)の財源不足を解消することを目標とし、適正な規模での更新・複合化、施設の統廃合、私有地の売却・廃止、民間活力の導入、適正な受益者負担制度の導入などを行うと。
 
「日本に感謝しています」~韓国人大学教授が語る日本統治時代の真実
植民地時代の背景を学ぶことが大切ですね。
 
自治体職員のためのマイナンバー(PDF)
弁護士・前 特定個人情報保護委員会 上席政策調査員 水町雅子
どのような利活用条例が必要かも解説。
 
皆があきらめてしまっていた行政の決定をくつがえした市民発の動きとは? 兵庫県西脇小学校の木造校舎の補修保存をめぐるキャンペーン事例
行政は前例・権威・市民の声に弱く、根回しが大切であることを念頭に、コツコツ手順を踏んでいきましたと。小学校の頃、木造校舎があっさり立て替えられたのは、子供ながらに寂しく思いました。
 
医療・介護市場は魅力的か?――医療コンサルタントがひも解く
「2025年問題」は、日本では2025年に「全人口に占める65歳以上の割合が30%を超える」「団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる(2200万人超)」「65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症を発症する」というもの。2000年の市場規模を100%としてみると、2014年には144.2%まで成長。さらに、現在の医療費は毎年3%ずつ上がっており、これは約1兆円の市場が毎年増えていることになる。
 
第3回地方創生IT利活用推進会議 平成27年5月28日
地方創生IT利活用促進プラン(案)について。第68回IT総合戦略本部(6月下旬予定)で決定し、公表する予定。
 
法令等により書面による保存、交付等が規定されている事案(平成26年3月末時点)
国と個人・民間事業者等との間で行われる手続
地方公共団体と個人・民間事業者等との間で行われる手続
個人間、個人・民間事業者間、民間事業者間等で行われる手続
について一覧表で提示。
 
イルカ漁等に対する和歌山県の見解(項目追記) 英語版あり
太地町におけるイルカ追い込み漁は、以前は、映画「ザ・コーブ」で隠し撮りされたように、イルカを入江に追い込んだ後に、銛を用いて捕獲していました。しかし、2008年12月以降は、イルカが苦痛を感じる時間を短くするために、デンマークのフェロー諸島で行われている方法に改められています。この方法では、と殺時間は1/30に短縮(10秒前後)され、イルカの傷口も小さく、出血も殆どなくなりましたと。
私も「ザ・コーブ」は観ましたが、見せ方の上手さもあり、かなりの説得力を持っていたように思います。日本側の事情もある程度は知っていましし、基本的にはイルカ漁に反対しない立場ですが、捕獲方法の残虐性は気になりました。今回、捕獲方法の改善があったのを知り、少し安心しました。情報発信は重要ですね。
関連>>ザ・コーヴ – 作品 – Yahoo!映画
 
Paix2 “塀の中”の歌姫 塀の中のアイドル
受刑者を規律で縛り、そのつらさゆえ「二度と刑務所には来たくない」と思わせる「北風」が効果的なのか。あるいは、時には慰問を受け入れて、受刑者の心の琴線に触れさせ、良心を芽生えさせる、「太陽」の手法を取り入れるべきかと。