「放射能は怖い」のウソ 親子で考える放射能Q&A

「放射能は怖い」のウソ 親子で考える放射能Q&A
服部 禎男 (著)
武田ランダムハウスジャパン

「放射能を過剰に怖がる必要は無いですよ」と説く本。

放射能関連の本は、アマゾンのレビューを見ると「放射能は怖い!」とする本ほど絶賛されて、「放射能を過剰に怖がる必要は無い」「今の基準は高すぎる」とする本は攻撃されるようです。

本書は、かなり早い時期(2011年8月)に発売されており、当時の状況を考えると、かなり勇気のある行為だったと思います。

それから1年以上経った現在、以前ほどのパニックはなくなりましたが、がれき処理が進まないといった現状もあります。

多くの原発を抱える日本に住む以上は、学校の理科の時間にでも、子供たちに放射能や原発に関する新しい正確な知識を教えてあげることが必要でしょう。

ちなみに、本書には次のようなことが書かれています。

・低線量の放射線は体を元気にしてくれる効果がある(放射線ホルミシス効果
・放射線には若返りの効果がある(活性酸素の減少)
ICRP(国際放射線防護委員会)勧告のそもそもの根拠は80年も前のショウジョウバエ実験結果
・約30年前にDNAは修復活動をしていることがわかった
・ショウジョウバエの精子は修復活動をしない
・放射線が人間の細胞に与える影響実験は胎盤や胎児の細胞を使っている
・毎時10ミリシーベルト(1万マイクロシーベルト:自然放射線の10万倍)までなら完全に修復される(大人だけでなく子供も)
・ICRPは新しい実験結果やデータを受け入れず勧告を撤回しない
・人間の細胞は修復を繰り返しているので毎時の放射線量が重要
 (年間の被爆量は生命科学的に意味が無い)
・福島原発周辺の放射線量は全く問題の無いレベル
・農産物、海産物、畜産物も同様に全く問題ない

こうして見ると、放射線の影響に関する問題は、政治的な問題となっているようです。国連も組織的な問題を多く抱えますが、「新しいものを受け入れられない」「変えられない」というのは、どこの組織も同じなのですね。

どんな科学的主張にも万人が賛成するわけではなく、放射線ホルミシス効果についても、様々な反論があります。しかし、一般人が根拠となる文献・論文等を精査することは難しく、結局は主観的な判断で「信じるか信じないか」を決めることになるでしょう。

広島や長崎の原爆被害については、長期検証の結果が出ており、被爆しながら長生きしている人は正に生き証人となっています。

福島原発事故についても、これから20-30年が経たなければ、その影響はわかりません。影響結果についても、様々な解釈や議論があることでしょう。

少なくとも私は、福島県産の飲食物を美味しくいただき、旅行で訪れれば観光や温泉を満喫するつもりです