モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
クリエーター情報なし
講談社

原題は「Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us」

ダニエル・ピンク氏の著作には、『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』からお世話になっていますが、本書も色々と考えさせられる内容でした。

電子政府にかかわる作者にとっては、行政職員を初めとした関係者のモチベーションをいかに高め維持していくかが、ここ10年間の大きな関心事の一つです。

運動生理学などが好きなのも、人間がそのパフォーマンスを最大限に発揮するためにはどうすれば良いか。システム化して、より多くの普通の人たちでもその効果を得られるようにできるだろうか。といった興味からきています。

税と社会保障の番号制度を考える際も、その仕組みを実際に利用する人がいて、その人たちのパフォーマンスが向上して、人間としての喜びを感じることが重要と思います。人間としての喜びが、更なる改善や工夫を生み出す最大のインセンティブになると考えています。

今の日本の電子政府に、「モチベーション3.0」、つまりは「自分の内面から湧き出る持続するやる気」「活気ある社会や組織を作るための新しいやる気」が欠けていることは、多くの関係者が感じているところだと思います。

子供や犬は、芝生の上を走り回るだけで、ホントに楽しそうです。

彼らが感じる喜びを、電子政府で再現できないか。

究極的には、それぐらい単純なところまでたどり着きたい。

そこまで行けなくても

便利になると、なぜ人は喜びを感じるのか。

国民に喜んでもらうことで公務員が感じるであろう喜びを、なんとか電子政府でも再現したい。

今回の震災では、多くの公務員が「やりがい」を感じ、国民も彼らの「心意気」を感じ、それに応えるべく何らかの行動を取ってくれたのではないかと思います。これは緊急時のものですが、平時から持続可能な形で再現できれば、政府と国民の関係性も変わってくるでしょう。

そのためのヒントが、本書には書かれていると思いました。

フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社