自治体クラウドの整理:自治体クラウドを所管しているのは、どこですか

自治体クラウドポータルサイトによると、総務省の「地域力創造グループ地域情報政策室」が自治体クラウドの問合せ先となっています。

関連>>自治体クラウド―総務省地域力創造グループ高地圭輔地域情報政策室長に聞く自治体の情報システムの共同化に向けて(PDF)

地域力創造グループは、地域政策課(地政)、地域情報政策室(地情)、地域自立応援課(地自)、人材力活性化・連携交流室(人材)、地域振興室(地振)、過疎対策室(過疎)で構成されており、ツイッターのアカウント@ChiikiryokuGもあります。

こうして見ると、自治体クラウドは「電子自治体」だけでなく、より大きな「地域や地方の再生」といった視点で捉えられているようです。総務省のホームページでも、
総務省トップ > 政策 > 地方行財政 > 地域力の創造・地方の再生 > 自治体クラウドポータルサイト
という階層になっています。

例えば、自治体クラウドを単なる「情報システムのコスト削減」の手法ではなく、「行政全体のコスト」を持続可能な範囲で適正化していくためのツールと捉えることも可能です。少子高齢化が進み地方財政が厳しくなっていく中で、より効率的に行政事務を処理し行政サービスの水準を保っていくために自治体クラウドを活用しましょう、ということです。

あるいは、クラウドを活用したインテリジェント・シティを支える社会インフラの一つとして、自治体クラウドを捉えることも可能です。エネルギー、通信、交通、建物といった様々な社会インフラを有効に活用し、新しい価値や資産を生み出していくためにクラウドを活用しましょうと。社会インフラの中でも、「公共サービス」を初めとする行政分野の効率化は、地域が元気になるために欠かせない要素の一つであり、日本の国際競争力評価でも弱点とされている分野です。

作者は、自治体クラウドを地域主権へ移行していくために必要なステップと理解しています。

財源移譲を伴う地域主権が進めば、今までみたいにバラバラな情報システムで非効率な情報連携をしていては、行政の業務を維持していくことさえ難しくなるでしょう。各自治体は、予測が難しく変化を続ける社会に対応するために、できるだけ身軽になっておくことが必要でしょう。他の自治体や国の組織だけでなく、企業やNPOといった様々な組織や人々と連携・協力していく機会も増えるでしょう。

もし、自治体クラウドを導入することで、かえってフットワークが重たくなったり、他の組織との連携・協力がやりづらくなるのであれば、それは「なんちゃって自治体クラウド」かもしれません。。

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