上海訪問記(1):日本のタクシーは競争が無いから、やる気もない?

先週末から、ほんの短期間でしたが、上海へ行ってきました。

親族の結婚式に出席するのが目的でしたが、新興国の都市国家を肌で感じられる良い機会でした。

途上国や新興国へ行くと、車の運転が荒いと感じる人も多いのでは。

上海も例外ではなく、周囲の日本人からは「とにかくタクシーの運転が荒い」と。

実際に乗ってみると、言われるほどでもなく、作者の友人の若かりし頃の方が、よっぽど荒い。

日本と若干交通ルールが違うのだけど、水が高いところから低いところへ流れるように、上手い具合にスイスイと進むので、慣れるとなかなか楽しい。

まあ、これぐらい緊張感があった方が、良いのかもしれない。

さて、タクシーの運転は荒く、運転手の愛想もあまり良くないけど、だからと言って、特にサービスが悪いわけでもない。

こちらの荷物がたくさんあると、トランクを開けて、入れるのを普通に手伝ってくれる。

何しろ、初乗り運賃が12元(150円ぐらい)だから、日本でバスに乗るより安い。

空港から乗った運転手が、たまたま日本オタクというか日本通で、アニメや仮面ライダーシリーズやらで覚えたという日本語が、笑える具合に上手い。

というわけで、上海のタクシーの印象は、個人的には○である。

ところが、日本に帰ってきてタクシーに乗ったら、サービスの悪さにビックリした。

荷物がたくさんあるのは見ればわかるのに、トランクを開けようともしないし、もちろん手伝おうともしない。

個人タクシーだったせいか、トランクの中は私物だらけで、中国のタクシーの半分も荷物が積めない。

で、10分ばかり走らせたら、中国の10倍ぐらいの料金が取られる。

これでは、タクシーの利用客も減るわけだと納得した。

タクシー業界で働く友人もいるので、業界事情も多少は知っている。

MKタクシーなど、サービス品質の向上に努力している企業も知っている。

しかし、これでは国民からも同情されないだろう。

中途半端な規制は、業界にとっても利用者にとっても、ためにならないことがよくわかる。

徹底的に競争する環境があれば、もう少しまともなサービスが育つであろうに。

考えてみれば、電子政府も少し似ているような。。

敷居の高いサービスにして、ほとんど利用されないか。

誰でも気軽につかえるサービスにして、多くの人に利用されるか。

タクシーも、タクシーと競争している限りは、サービスのイノベーションは無いと思う。

電気自動車にしてエネルギー効率を高めると共に、バスや電車と価格競争するようになれば、これまでとは違ったサービスが見えてくるかもしれない。

「高料金で、待機時間が多く、たまに客を拾う」というビジネスモデルか

「低料金で、常に客を乗せている」というビジネスモデルか

いずれにしても、「多くの人に利用されてこそ、サービスは磨かれる」のは間違いないでしょう。