なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方

なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
藤沢 数希
ダイヤモンド社

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本書では、『ファイナンシャル・インテリジェンス』を身に付けようと提案しています。

世間一般から見れば、すごく頭が良くてお金持ちと思われている人たち、例えば、医者や弁護士先生も、『ファイナンシャル・インテリジェンス』については、小学生並みだったりすることがあります。

派遣切りされて路頭に迷っている人たちも、『ファイナンシャル・インテリジェンス』を身に付けていれば、現状は変わっていたかもしれません。

本書の良いところは、リスクとリターンの関係を、わかりやすく説明してくれるところでしょうか。個人的には、この部分だけ取っても読む価値はあると思います。

投資においては、リスクは「不確実性」「損をする可能性」などと訳されることが多いようです。

リスクと上手に付き合うことができれば、積極的にリターンを追求することが可能となりますが、リスクを敵対視してしまうと、せっかくのリターンを逃してしまうことになります。

著者は、「インデックス・ファンドへの国際分散投資」という王道を勧めていますが、個人的には、これでは不十分と思います。

なぜなら、この投資スタイルは、インデックス、つまり「世界の経済は、紆余曲折があるものの、今後も成長し続ける」ということを前提としているからです。

意地悪なようですが、もし本書が出版された当時、著者と同じアセットアロケーション(資金の配分)で投資していたら、今頃はかなりの損失を被っていることでしょう。

作者は、本書の著者とは違った手法での投資(つまり、リスクマネジメントの手法が異なると言うことです)を試みています。

基本となる考えは、「安くなったら買って、高くなったら売る」という単純なもの。どんな種類の金融商品(不動産、債権、株式など)を買うかは、あまり気にしていません。

その上で、インカムゲインとキャピタルゲインの投資比率を一定に保ちつつ、キャピタルゲインの投資ではブル(買い)とベア(売り)の割合を、市場動向等に応じて調節するというものです。

電子政府を考える上で、投資の概念は非常に大切なので、今後も定期的に勉強・実践していこうと思います。

また、将来的には、社会・公益分野への投資家になりたいとも考えているので、そのための勉強でもあります。

投資は、経済だけでなく、人間の欲望や行動心理を実感するには、最適の分野と思います。

だから、子供のうちから投資について勉強することは、『ファイナンシャル・インテリジェンス』を高めるだけでなく、人間学という観点からも大切と思うんだけどなあ

問題は、子供達に教えられるような人材が少ないということか