遺伝子がわかる! (ちくまプリマー新書)

遺伝子がわかる! (ちくまプリマー新書)
池田 清彦
筑摩書房

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個人的には、電子政府やIT関係の本より、生物や人体に関する本の方が、ずっと面白いと思う。

小宇宙とも言える生物のほんの一部を覗き見るだけで、「電子政府が抱える問題は、なんてちっぽけなものなのだろう」と思えてしまう。

遺伝子の研究は日進月歩のようで、そのため世間の誤った認識も多いらしい。

例えば、遺伝子の本体はDNAだけど、DNA=遺伝子ではなく、ヒトのDNAの約2%ほどが(たんぱく質を作る)遺伝子とのこと。

また、「遺伝子は生物の体を作る設計図である」といった誤解に対しては、「遺伝子はシステムの部品に過ぎない」としています。

で、親から子に伝えられる「生きているシステムとしての細胞」が、より重要な働きをするとか。

遺伝子の働きが、環境に大きな影響を受けている様子は、あたかも人間が愛情や環境によって形作られていくかのよう。

人体を細かくしていくと、記号になってしまうので、なんとなく無機質で人間味の無い印象を受けるけど、その活動内容を知ると、なんとも人間らしいと言うか、ロマンを感じずにはいられません。

情報システムや組織のあり方についても、人体や生物から学ぶ点が多いなあ。。と思う作者なのでした