電子政府の総合窓口(e-Gov)電子申請システムの仕様公開、成果を生み出すためには

総務省から、電子政府の総合窓口(e-Gov)(イーガヴ)電子申請システムの仕様公開についてが発表されています。

仕様の公開により、

・e-Govの電子申請システムに対応したソフトウェア製品等の開発が進み
・これを事業主、社会保険労務士等が利用することにより
・オンライン申請・届出等に係る作業負担が軽減され
・その結果、オンライン利用の拡大が期待される

としています。

公開内容が、ちょっと不十分な気がしますが(電子署名関係など)、今後の改善に期待しましょう。

せっかくの良い機会なので、電子政府サービスの仕様公開について、改めて整理しておきたいと思います。

●仕様公開、3つのポイント

まず、基本的な考え方として、次の3つをあげておきます。

1 仕様公開は手段であって、目的・目標ではない
2 目標や成果を、「利用者の視点」で決める
3 公開にあたっては、開発者の視点を重視する

●仕様公開の成果と目標設定

「仕様公開」にもお金(税金)がかかるので、それに見合った成果が求められます。

利用者である国民や企業から見て、「仕様公開されると何かメリットあるの?」ということです。

例えば、

『政府サイトへのアクセスやアプリケーションのダウンロード等をすること無しに、市販の業務ソフトウェアや民間ウェブサイトを使って直接に電子申請できるようにする。』

といった目標設定が必要です。

その上で、

・電子政府に対応する民間ソフトウェアの数や割合
・電子政府に対応する民間ウェブサイトの数や割合

などを指標とします。

例えば、市販の会計ソフトの上位5本で全体の8割を占めていたら、少なくともその5本については電子申告に対応しておきたいところです。

今後は、「ウェブ上で無料または有料のアプリケーションを提供する」といった形態も増えてくるでしょうから、そうしたアプリケーションが電子政府に対応してくれると、利用者の拡大も期待できます。

また、実際の利用において、民間経由の申請等がどれぐらいあるのかも、必ず測定しておきます。全体の数パーセントにも満たないようであれば、仕様公開が上手く機能していない可能性が高いでしょう。

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●仕様公開の方法

電子政府が民間サービスと連携していくためには、民間企業をパートナーとして考えることが大切です。行政と民間企業が同じ目的意識を持ち、対等な関係でサービスを改善していくのです。

仮に、「民間が仕様公開をお願い」して「行政がそれに応えてあげる」という関係であれば、良いサービスが育つわけもありません。

そうした事態を避けるためには、次の項目をチェックしておきましょう

1 仕様の公開について

行政:公開してますよ
民間:一部だけ公開されても困るなあ

2 実装の支援について

行政:仕様を公開してるんだから、後は自分たちでやってよ
民間:実装を支援するツールや仕組みが欲しいなあ

3 テスト環境について

行政:テストなら自分たちでしてください
民間:実際に使えるかのテストは、行政側の協力が無いと難しいなあ

4 完成後のフォローについて

行政:いちおうホームページ等で紹介だけはしましょう
民間:認定制度があると、お客様も安心だし販売しやすいなあ

行政:仕様の変更等は、ちゃんと公開していますよ
民間:急に変更されても対応できないから、事前の協議等が欲しいなあ

関連ブログ>>電子政府における実装規約の役割(2):「開発者の視点」で民間サービスとの連携を強化

今後の電子政府では、「利用者の参画」と共に「民間との連携」が重要課題となります。

そのためにも、行政が「自分たちは何をすることが求められているのか」を考え、自らの役割と責任を再確認することが大切です。

“電子政府の総合窓口(e-Gov)電子申請システムの仕様公開、成果を生み出すためには” に2件のコメントがあります

  1. 自治体の方が
    イエモリさん、こんばんは。
    コメントありがとうございます。

    >例えば、お隣韓国の、
     http://www.hikorea.go.kr/pt/main_ja.pt

    韓国電子政府の日本語サイトは、よくできていますね。海外サイトを閲覧していて、日本語があると、ちょっと安心&嬉しいですよね。

    e-Govでも外国語版を検討しているようですが、基本的なセンスが違うように思います。

    韓国政府はとても勉強熱心で、以前(まだ韓国の電子政府ランキングが低かった頃)はよく政府関係者の方からメールをいただきました。

    海外からの問い合わせメールで、日本語でくれたのは韓国だけでした。

    その後、あっという間に日本を追い抜き、電子政府先進国となったのはご存知のとおりです。

    外国人向けサイトは、自治体の方が中央政府より充実していますね。

    Shizuoka Prefecture Official Site – Home of Mt. Fuji
    http://www.pref.shizuoka.jp/a_foreign/english/index.html

    City of Yokohama – Public Relation Division – Living Guide Contents
    http://www.city.yokohama.jp/ne/life/en/

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