あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書、「おたがいさま」を広めよう!

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書
アーネ リンドクウィスト,ヤン ウェステル
新評論

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昨今、日本でも注目されている北欧の教育ですが、その紹介本の先駆けとも言えるのが本書。

いわゆる「知識を増やす」だけでなく、子供達が自分で「あーでもない、こーでもない」と考えることは、今のように「答えが見えない」時代にこそ大切ですね。

日本の教科書と異なる特徴の一つは、教科書検定が無いこと。

子供たちの思想が偏らないように配慮しながらも、教科書についてはかなり自由。

「自分たちの国が外国に依存していることを認識した上で、多様性を尊重する」という基礎があってこそ、こうした教科書が生まれるのでしょう。

スウェーデンを初めとした北欧諸国でよく聞かれますが、障害者(ハンディキャップ)に対する考え方も、日本と異なるようです。

それは、「周囲と比較して、能力が劣る部分は全てハンディキャップである」というもの。

例えば、作者が参加している日本語ボランティアでは、日本語を勉強している外国人は、障害者となります。

しかし、作者が中国人の学習者3人と一緒に会話する場面では、中国語ができない作者が障害者となります。

作者が、初めての仕事先で社内の勝手がわからない場合も、作者自身が障害者となります。

つまり、誰もが障害者なのだから、お互いに補完しあうのが当たり前で、そうでなければ社会も経済も成り立たないと。

ということで、「もったいない」に続く、流行らせたい日本語として「おたがいさま」を推薦しまっす