オープン・サービス・イノベーション 生活者視点から、成長と競争力のあるビジネスを創造する

オープン・サービス・イノベーション 生活者視点から、成長と競争力のあるビジネスを創造する
ヘンリー・チェスブロウ (著), 博報堂大学 ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ (監修)
阪急コミュニケーションズ

昨今、サービス分野でのオープンイノベーションは、ちょっとしたブームになっていますが、今後は定番のやり方の一つとして定着していくことでしょう。

電子政府サービスも同様で、オープンデータ活用型、利用者参加型、民間企業等との連携型などの形態で、オープンイノベーションが起きる可能性があります。その意味で、第1部「イノベーションと成長を促すフレームワーク」にある、ビジネスをサービスとして考える、顧客との供創、社外にサービスイノベーションを広げる、サービスでビジネスモデルを変換する等は参考になりますね。

行政の役割としては、その可能性を邪魔しないこと、阻害要因を排除することなのですが、行政関係者がクローズな環境で利益を得ている場合は、利害が対立する場合があり、難しいところです。

巻末の監修・監訳者解説では、現代のビジネス戦略論の移り変わりが概説してあり、こちらも楽しめます。財政が厳しくなる行政では、内部資源でできることが減少していくので、外部資源をいかに取り込んで活用できるかが鍵となってきます。その流れは、電子政府において特に顕著となるでしょう。