だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方

だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方
鈴木 亘
東洋経済新報社

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年金、医療、介護制度の実態と、政府の無責任さがわかる内容で、改めて制度の疲弊を感じます。

本書で書かれているような政府機関による情報操作は、電子政府のオンライン利用率などでも見られますね。

年金、医療、介護の制度が、このままでは維持できないことは、国民の多くが感じていることと思います。

ところが、政治や制度を動かしているのは、「現状維持が一番の得となる人たち」なので、なんとか自分の生きているうちは、今の制度を維持しようしています。

図表でみる世界の年金でも紹介しましたが、日本の年金は、賦課方式(unfunded:次世代への先送り方式)です。

本書では、この賦課方式を止めて、積立方式への移行を提言しています。

いずれにせよ、給付カットか保険料増額をしない限り、制度を維持することはできないでしょう。

例えば「年金」の場合、作者だったら次のようにします。

1 保険料の徴収を止めて、税で統一し、不要な行政機関やシステムを廃止する。
2 人間らしい暮らしができるための「適切な年金受給金額」を、国民に決めてもらう。
3 「適切な年金受給金額」を維持していくために必要な「国民の負担額」を計算して、国民に提示する。
4 国民からの大よその同意と支持が得られたら、最適な制度を設計し実行する。
5 以上の過程を、徹底的な情報公開と意見公募等により、国民が直接参加・チェックできるようにする。

電子政府でも重要な役割を担う「国民の意識改革」と「政治や行政への参加」が、制度改革の鍵となりますね

“だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方” に1件のコメントがあります

  1. 「だまされないための年金・医療・介護入門」
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