これからの電子政府は「民のやり方に官が合わせる」へ

税・社会保険の書類不要に 企業、クラウドにデータ :日本経済新聞
官民の生産性向上/起業もしやすく
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO32515300S8A700C1MM8000/
企業は給与情報などをクラウドにあげ、行政側がそのデータにアクセスし、手続きを進める形に変えると。
方向性としては、とても良いですね。申請等のトランザクション型の電子政府サービスは、「(1)政府が提供する様々なAPIに民間側で対応する」のは煩雑かつ官民どちらの負担も大きいので、「(2)民間が提供するAPI等に政府が対応する」または「(3)官民共通で使えるデータ交換の仕組みを整備する」ことが有効です。エストニアのXロードは(3)で、これに(2)を加えてサービスを改善しようとしています。
この問題については、「APIで電子行政サービスを良くする」という発想は時代遅れにでも述べたところです。

これから何が起きてくるかと言えば、「行政が民間サービスのAPIを使って手続や事務処理に必要な情報をリアルタイムで見に行く」という、全く逆の流れです。そうすることによって、「市民や企業からの行政に対する手続という行為自体を不要にする」ことを目指すべき。

日本の場合は、次の方向性で進めると良いでしょう。
1 現在行なっている(1)のAPIを整理・統合しながら
2 (2)の民間API等に政府が対応する方法へ移行していく
3 民間の優れたデータ交換の仕組みがあれば政府も参加する
これまでの行政手続は、「官のやり方(書式や申請場所・方法等)に民が合わせる」というのが当たり前で、代書人制度の法制化と共に、明治の初めからずっと続いてきました。そこには、少なからず「官尊民卑」の思想もあったのではないでしょうか。
これからの電子政府は、「官と民がより対等な関係で協議しながら、より効率的で効果の高い方法を選択していく」ことになります。大切なのは「問題を先送りせずに、意思決定を行い選択していく」という点です。
官も民も、つまらないプライドや縄張り争いは止めて、より高度の次元から電子政府サービスを見直して欲しいと思います。


IoT新時代の未来づくり検討委員会とりまとめ(案)(「未来をつかむTECH戦略」)に対する意見の募集 平成30年7月6日  募集期限:平成30年7月26日(木)午後5時
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000255.html
「静かなる有事」をチャンスと捉え、アグレッシブなICT導入により 「変革の実行」へ。戦略の実行を通じ、日本の中長期的な成長戦略に掲げる「Society5.0」の実現などに寄与すると。「2030年代に実現したい未来の姿」のイメージが、なんかズレてるような。。
平成30年「情報通信に関する現状報告」(平成30年版情報通信白書)の公表
平成30年7月3日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000129.html
特集テーマは「人口減少時代のICTによる持続的成長」とし、新たな価値を実現するICTの活用について展望していますと。
「自治体戦略2040構想研究会」において取りまとめられた第二次報告の公表
平成30年7月3日
人口減少化において満足度の高い人生と人間を尊重する社会をどう構築するか
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei04_02000068.html
なぜか本文も概要資料もテキストがコピーできないようにしてる?
これまで自治体が個々にカスタマイズしてきた業務プロセスやシステムは、大胆に標準化・共同化する必要がある。更には、今後、ICTの利用によって処理できる業務はできる限りICTを利用するというICTの活用を前提とした自治体行政を展開する必要があると。
ICT街づくり推進会議 スマートシティ検討ワーキンググループ(第7回)
平成30年5月28日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict-town/02tsushin01_04000544.html
平成29年度データ利活用型スマートシティ推進事業の成果報告、StartupXAct(ベンチャー企業のスマートシティ参画支援)の結果報告、海外の先進スマートシティ事例紹介、データ利活用型スマートシティの今後の展開など。
データ活用においては、住民や専門家からのフィードバックを積極的に得るためのPublicEngagementの活動が世界的にも充実してきており、VisionやPrincipleなどの方針や原則を広く提示、発信してフィードバックを得ながら都市計画も修正していると。
道州制や都市国家を前提としたスマートシティ戦略と、日本のような自立していない自治体のスマートシティ戦略は、目指すところが根本的に異なるように思います。
ICT街づくり推進会議(第15回会合)平成30年6月27日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict-town/02tsushin01_04000543.html
ICT街づくりの最近の状況と今後の展開、地域IoT実装推進の進捗報告など。RPAによる自治体業務の省力化(熊本県宇城市)等を紹介。「地域IoT」って、税金を使うことにかけては「打ち出の小槌」みたいですね。
総務省の行政相談窓口の愛称等及び平成29年度行政相談実績の公表
平成30年6月20日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/107317_1107_00002.html
地道な活動ですが、色々と成果を積み上げてますよね。
見づらい信号機の改善、壊れた点字ブロックの修繕、就学支援金受給決定前の授業料納付猶予、視覚障害者への年金に関する通知書等の改善、自動車登録における戸籍謄本等の原本の返却など。
関連>>希望ナンバーの予約の有効期限の取扱いの改善
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/112771_180619_1.html
ビッグデータ等の利活用推進に関する産官学協議のための連携会議(第2回)
平成30年6月27日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02toukatsu01_04000277.html
労働分野におけるビッグデータの利活用事例、転職市場における民間ビッグデータの活用可能性など。総務省統計委員会担当室ワーキングペーパーの品質が高くて驚きました。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000562964.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_content/000562966.pdf
AIネットワーク社会推進会議 報告書2018(案)に関する意見募集
平成30年6月12日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000071.html
・AIネットワーク社会推進会議 報告書2018(案)
・AIネットワーク化が社会・経済にもたらす影響~分野別評価
・AIネットワーク化の進展に伴い形成されるエコシステムの展望
・AIネットワーク化の進展において想定される課題(ネットワーク化の観点から)
・教育・人材育成に関する主な意見
「AIネットワーク化」とは、AIシステムがインターネットその他の情報通信ネットワークと接続され、AIシステム相互間又はAIシステムと他の種類のシステムとの間のネットワークが形成されるようになること。
2018年6月11日 第4回医療等分野情報連携基盤技術ワーキンググループ 議事要旨
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213063.html
全県単位の地域のネットワークは26あるが、参加患者数は1%。導入コストの問題、運営コストの問題、セキュリティ専門知識の欠如等の理由により、急速に導入が進んでいるとは言い難い。基本的に医療は地域で行うことが多いことから、全国での基盤を活用しながら、地域での人的ネットワークをベースとしたネットワークを作りやすくするという観点から、全国的なネットワークを構築することには意味があると思う。
地域のネットワークがうまくいっていないのは、コストの問題や情報共有の標準化がなされていないため、ばらばらに構築されているのが現状。医療従事者の人員不足、データヘルス推進などを踏まえれば、一気に進めないといけない。HPKIなどの基盤となる技術は熟してきている。今こそ全国的なネットワークを構築すべき。
IoT機器に関する脆弱性調査等の実施結果の公表 平成30年7月2日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000154.html
重要インフラ等で利用されるIoT機器(国民生活・社会経済活動に直接影響を及ぼす可能性がある機器)と、家庭用ルータ、防犯カメラ等の一般利用者向けの機器(サイバー攻撃の踏み台となってネットワークに悪影響を与えるおそれがある機器)の2種類に分けて実施。
脆弱な重要IoT機器とは、パスワード設定が適切になされていないものに加え、パスワード設定はなされているが、認証画面がインターネット上で公開されているものも含む。
検出した重要IoT機器(工場、工事現場等)は、消費電力監視装置、水位監視装置、防災設備制御装置、ガス観測警報通知装置等であったと。
関連>>「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証実験」の結果の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000155.html
カーモビリティ、スマートホーム、教育の3分野で実施。
サイバー攻撃の防御に向けた情報共有基盤に関する実証事業の成果の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000153.html
場所に依存しない起業家の新たな時代の幕開け
https://note.mu/_estonia/n/n68e14581cde6
エストニアのe-Residency(電子居住権)プログラムが、フィンランドのフィンテック企業である「Holvi」と提携したことで、EUでのビジネスバンキング(そして支払いカード)を完備した、完全なるEU企業が、すべてオンラインのみで設立できるようになったと。
ビジネス主体としては、既存の銀行が提供するオンラインバンキングを利用する必要はなく、ビジネス活動に必要な決済手段が確保できれば十分なんですよね。
サイバー警察に家宅捜索を受けた際の体験談
https://it-giron.com/25
フィッシングサイト作成の疑いで、令状に基づく家宅捜査を受けた体験が詳細に書かれています。県警レベルだと、こんな感じなのかなと思いました。
Guidelines for the Use of PIV Credentials in Facility Access
https://csrc.nist.gov/publications/detail/sp/800-116/rev-1/final
NISTから個人識別認証(PIV)カードを使用するための技術ガイドライン(最終版)が出てます。エストニアのように取得や公的業務での利用が義務化された国民IDカードが無いと、リスクベースで様々な手法を使い分ける必要があるので色々と大変ですね。
見えてきた仮想通貨の限界。マイニングの赤字化でビットコインほか総崩れになる
https://www.mag2.com/p/money/483640
総崩れはまだ先の話と思いますが、電気代の安い中国でのマイニングも、いずれは赤字になりますよね。個人的にはビットコインの値上がり余地はまだあると思いますが、それがいつどのようにやってくるかを読むのは難しそうです。
AI社会実装課題の調査と対策の方向性に関する報告書を公開
2018年6月19日 独立行政法人情報処理推進機構
https://www.ipa.go.jp/sec/reports/20180619.html
AIの社会実装推進上の主な課題
・ユーザや社会に係る課題(AIの理解、社会受容性、AIと人との協調)
・国際課題(国際競争力、データの流通)
・開発に係る課題(AI人材の育成、学習環境、学習データ・学習済モデルの流通)
・AIの特性に係る課題(AIシステムの検証性、AIシステムの安全性、AIの精度)
・法制度に係る課題(AIと法制度、個人情報・プライバシー)
政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/cloud_%20policy.pdf
政府情報システムのシステム方式について、コスト削減や柔軟なリソースの増減等の観点から、クラウドサービスの採用をデフォルト(第一候補)とし、府省CIO補佐官の関与の下、事実に基づく客観的な比較を行いその利用を判断するための考え方等を示した標準ガイドライン附属文書
書評「町工場の全社員が残業ゼロで年収600万円以上もらえる理由」
http://jyoshige.com/archives/9151771.html
残業そのものを無くし、浮いた残業代を基本給に上乗せして支給する方法を採用。給料については、もともと「勤続年数に関係なく能力に応じて決める」と。多くの企業が本気を出して残業をなくし、仕事を効率化し、競争力の高めることが出来れば、どれほどの効果が上がるだろうかと。
「生活保護受給世帯出身の大学生等の生活実態の調査・研究」委託事業の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212751.html
・生活保護世帯出身の大学生等の約60%が、高校2年生までに大学等への進学を考え始めている
・主な進路相談者については、親が約65%と最も多く、次いで、学校の先生が約42%
・塾や予備校、通信教育を利用して、受験勉強した生徒は約11%
・生活保護世帯出身の大学生等は、JASSO調査と比べて収入に占める奨学金とアルバイト収入の割合が高い
・出身者の奨学金を利用している割合(約87%)は、JASSO調査(約49%)と比べて高い
第3回 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/online_pf/003/shiryou/index.html
楽天市場の取り組み、メルカリサービス概要と安心安全の取組、Yahoo! JAPANにおける取組み、EUにおけるオンラインプラットフォーム取引に関するルール形成の現状など。
「GoogleがGmailの内容を外部企業に読ませている」という記事について
http://stomita.hatenablog.com/entry/2018/07/04/133952
Forbesの記事では「同意」というものが何を指しているのか曖昧になっていると。ユーザがオプトインで同意した内容について、しっかり理解することが大切ですね。
日本より遥かに悪いイギリスの治安実情「女性は日本より20倍ぐらい治安に気をつけないとダメ」「犯罪が多すぎて警察が処理しきれない」
https://togetter.com/li/1243559
何年か前にイングランド出身の友人が日本の治安の良さを語っていたけど、なんかさらに悪くなっているような。。
ネットを危険として規制する時代遅れな日本の薬事行政
http://agora-web.jp/archives/2033544.html
ネットは必然として安全管理規制を導入した米国・カナダに対して、わが国は依然としてネットは危険であるとして規制していると。なんだか悲しくなりますね。
今後のLアラートの在り方検討会(第1回)平成30年7月5日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02ryutsu06_04000135.html
Lアラートの現状、情報伝達者に対するアンケート調査の結果、第II期Lアラート中期的運営方針に基づく取組の現状など。
住民生活のグローバル化や家族形態の変化に対応する住民基本台帳制度等のあり方に関する研究会(第7回)平成30年6月8日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/global_kazoku/02gyosei02_04000102.html
中間報告に対する地方公共団体からの主な意見について。マイナンバー・マイナンバーカード・電子証明書の海外継続利用関係、住民票等の除票の保存期間の延長関係、PIN入力を要しない認証方式など。日本の個人認証基盤の電子証明書は「住所」が記載事項ですが、世界的には珍しいケースですよね。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000560298.pdf
情報通信法学研究会データ法分科会(平成30年度第1回会合)平成30年6月25日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/hougakuken/h30/02iicp01_04000140.html
こんな研究会ができたのですね。理念・原理・制度とサイバーセキュリティ法制(湯淺構成員発表)など。