つぶやき電子政府(2015年5月30日):「守りのマイナンバー制度」から「攻めのマイナンバー制度」へ

マイナンバーで医療情報も管理 政府が方針決定 NHKニュース
政府の産業競争力会議において、マイナンバー制度で交付される個人番号カードに、診察結果や処方薬といった医療情報などを結びつけて管理する新たな仕組みを、2020年までに導入する方針を決めたと。
関連>>第6回 産業競争力会議課題別会合
医療・介護のICT化、マイナンバー制度の活用・IT利活用の推進、AI・ビッグデータによる産業・就業構造の変革など。
 
 
 
 
 
 
 
マイナンバー制度は、「社会保障と税の一体改革」「電子政府」「個人情報保護」という3つの観点から進められてきました。この時点では、どちらかと言えば「守りのマイナンバー制度」でした。
 
他方、アベノミクス「3本の矢」である「金融政策」「財政政策」「成長戦略」のうち、「成長戦略」において、「新たな市場の創出 ~世界も驚く健康長寿社会へ~」を「成長の鍵を握る重要テーマ」の一つとしましたが、当初は出てきた内容があまりにショボかったので、多くの人がずっこけてしまいました。
 
しかし、「経済財政運営と改革の基本方針2014」や「日本再興戦略 改訂2014」でも、医療介護分野の産業が「新たな成長エンジン」として位置づけられて、政府の本気度も気合が入ってきました。2020年のオリンピック開催も、大きな刺激となっています。
 
今回、マイナンバー制度と医療情報の連携が正式決定したことで、マイナンバー制度も「新たな成長エンジン」として位置づけられたと言えるでしょう。つまり、「守りのマイナンバー制度」から「攻めのマイナンバー制度」への移行です。
 
使い勝手が良いとは言えないマイナンバー制度が、「新たな成長エンジン」としてどこまで機能するかは微妙なところですが、2020年までには日本がデジタル社会へ移行する最低限の準備を済ませておく必要がある(最後のチャンス?)と思うので、とりあえずの方向性は良いのではないかと思います。
 

 
今日から始めるマイナンバー準備ガイド
内閣官房IT担当室に出向経験もあるNTTデータの山田英二氏による連載が開始。私が知っている限りでも、マイナンバー制度に大変詳しい方の一人です。企業の担当者は、しっかり読んでおきたいところ。
 
「サイバーセキュリティ戦略(案)」に関する意見の募集について
平成27年5月25日 内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
平成27年6月8日(月) 17時まで
2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催、そしてその先の2020年代初頭までの将来を見据えつつ、今後3年程度の基本的な施策の方向性を示すもの。マイナンバー導入等の環境変化も見据え、地方公共団体に対し、政府として必要な支援を実施と。
 
「日本のマイナンバー制度を海外に輸出も」、福田自民IT戦略特命委小委員長
日本ブランドはアジアを中心に健在なので、海外輸出はあり得ますね。
 
全社員向けマイナンバー研修教材も登場、国会で制度の周知求める声
人材サービス大手が、野村総研が監修したeラーニングシステム「マイナンバー制度研修」の提供を始めたと。マイナンバー制度の広報活動に使える国の予算があるのだから、マイナンバー制度研修用の動画やアプリを作って、Youtube等で無償公開すれば良いと思います。
 

 
マイナンバー法・ガイドラインの読み解き方
作った人に罪は無いのですが、マイナンバー法は本当に運用が難しいものになってしまいました。マイナンバーを含む含まないではなく、個人情報の機微性で取扱いを分けることが大切です。「マイナンバー=秘匿情報」とせずに、「特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)」という概念がなくなることを願います。
関連>>作った人が明かすマイナンバー プライバシーの勘所
「マイナンバーはその他の個人情報と異なり、悪用されるとプライバシー権に深刻な影響を及ぼす恐れがある。」という考えが根本にあるようです。
 
なお、特定個人情報ファイルの範囲については、次の通りです。
 
・事務を行う権限を有する者が個人番号と共に見ることができない情報は、原則、特定個人情報ファイルに該当しない。
・ただし、システムの内部処理で連携していれば、特定個人情報ファイルに該当する。
・既存番号と個人番号の対照テーブルを保有する場合、対照テーブル以外のテーブルであっても、職員等が個人番号と紐づけてアクセスすることができる範囲は、特定個人情報ファイルに該当する。
・特定個人情報ファイルの単位は、ファイルの利用目的に基づき、各機関が合理的裁量の範囲内で定めることができる。
 
ある人にとっては、「特定個人情報」や「特定個人情報ファイル」でない場合でも、別の人にとっては「特定個人情報」や「特定個人情報ファイル」である可能性があります。個人情報でも同じような問題が起きていますね。
 
参考>>特定個人情報保護評価
 

 
職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくり(THP)
平成27年12月より施行のストレスチェック制度について、各種資料が出ています。マイナンバーと並んで、企業対応が必要な制度となっています。
常時使用する労働者に対して、医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を実施することが事業者の義務となります(労働者数50人未満の事業場は当分の間努力義務)と。
 
第4回「保健医療2035」策定懇談会 平成27年4月18日
2035年を見据えて保健医療政策において優先して取り組むべき課題について、各委員から資料を提出。地域医療と災害緊急医療に対応するスーパー診療所構想、日本のプライマリ・ケアはどう変わるべきか、保健医療2035を考える視座、「保健医療2035」策定に向けた課題提起など。
関連>>保健医療2035 | 厚生労働省
懇談会の全体像や進捗状況がわかる、良い取り組みですね。
 
金銭教育は子どもだけではなく、親世代の老後生活をも救う
子どものうちから、きちんと金銭教育を受けていれば、国の借金もここまで膨らむまで放置されなかったでしょうね。勤務先お任せの税申告制度も、また然り。そう言えば、アインシュタインも「複利は人類史上最大の発見」と言ったとか言わなかったとか。。
 
ICT街づくり推進会議 共通ID利活用ワーキンググループ(第7回)
平成27年4月16日
平成26年度実証事業、今後の進め方(平成27年度)について。「放送・通信分野等における公的個人認証サービス民間活用実証に関する報告」が出ています。CATVヘルスケア・施設予約、保険資格確認・決済、保険資格確認・処方箋情報照会、ワンストップの4つのユースケースについて実証。PIN入力しない認証方式は、かなり無理があるような。。全体的にコストや運用の課題が多く、持続的なサービスの提供は難しい印象があります。
 
総務省まち・ひと・しごと創生推進本部(第5回)平成27年4月21日
今後の地方創生の取組、地方創生に関する動き、総務省まち・ひと・しごと創生関連事業など。
 
「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成26年度)」の結果
平成27年4月24日
学校種別在籍状況、母語別(外国人児童生徒)・言語別(日本国籍児童)在籍状況、在籍人数別状況、施策の実施状況など。
日本語指導が必要な外国人児童生徒は、2,185人増加。日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒は、1,726人増加。日本語指導が必要な外国人児童生徒の母語は、ポルトガル語が3割近くで最も多い。日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒の言語は、フィリピノ語が3割近くで最も多い。
 
各国競争法の執行状況とコンプライアンス体制に関する報告書 平成27年4月24日
EU、米国、韓国、中国等における競争法の執行状況やその課題をまとめ。実効的な競争法コンプライアンス体制の整備や、米国、EU、中国、新興国等の当局による執行手続き及び民事訴訟への対応について、我が国企業が留意すべき点を提言。
 
2015年版中小企業白書・小規模企業白書 平成27年4月24日
日本企業(個人事業者を含む)のうち、大企業の割合は約0.3%で、従業員数名の小規模事業者が8割以上ということを、マイナンバー対応でも考慮する必要がありますね。
 
 
最近の中小企業・小規模事業者の動向についての分析に加え、より中長期的な観点から、中小企業・小規模事業者が直面する経済・社会構造の変化(企業の収益構造の変化等)について分析。
・中小企業の景況は2013年1-3月期以降、着実に改善を続けてきたが、2014年4-6月期に悪化。その後は横ばいの時期もあったが、足下では持ち直しの動きも見られる。
・2014年秋以降は、原油価格の下落に伴い、国内石油製品価格も下落。他方、中小企業・小規模事業者の採算は依然として厳しい状況であり、仕入単価の上昇を販売価格に転嫁できるよう、引き続き対策を講じていくことが重要。
 
統計におけるオープンデータモデル事業 平成27年4月24日
政府全体のオープンデータ推進のトップランナーである総務省統計局は、国勢調査等の統計データをLODで提供する先進的取組として「オープンデータモデル事業」を、福井県、同県内全市町及び独立行政法人統計センター等と連携して平成27年度に実施。
 
個人情報・利用者情報等の取扱いに関するWG(第4回)平成27年4月16日
個人情報・利用者情報等の取扱いに関するWG(第5回)平成27年5月20日
ICTサービスをめぐる個人情報等の今後の課題、インターネット上での個人情報・利用者情報等の取扱い。韓国における個人情報保護の動向、個人情報の削除権に関する最近の動向、プロファイリングの効用と課題など。
 
榎並利博 富士通総研主席研究員 「マイナンバー制度の本質と可能性」
2015.4.24 – YouTube
マイナンバーで何が変わるのかを榎並さんが解説する動画です。