つぶやき電子政府情報(2014年11月11日):電子政府サービスの廃止で問われる政府の説明責任

2014年11月15日追記:
 
読者の方から、政府調達事例データベースについて情報を頂きましたので、下記の通り整理しておきます。
 
政府電子調達(GEPS)が2014年3月に開始し、利用機関を順次拡大している。
・本サービスで調達事例が検索できることもあり、政府調達事例データベースが廃止された。
・現在は、全ての省庁が使用していないので、掲載情報は限られている。
 
政府調達事例データベースに掲載されていた情報(仕様書等を含む)が、政府電子調達(GEPS)へそのまま移行されるのか明確ではありません。2014年11月15日現在、「番号制度」や「社会保障」で検索してみたところ、番号制度関連のシステム調達情報を見つけることはできませんでした。解散総選挙など政局面の動きもありますが、一日も早いデータ移行をお願いしたいと思います。
 
仕様書等の調達資料が登録されている場合は、検索結果や情報提供画面に「ダウンロード」という表示が出てきて、これをクリックすると資料入手のページへ進みます。ダウンロードをするためには、連絡先情報の入力が必要になります。
 
 

政府CIO室による政府情報システム管理に係る資金プール制の実現を
 
データカタログサイト「DATA.GO.JP」もそうでしたが、「新しい制度やシステムへの移行スケジュールが遅れたことで予算切れとなり、移行が終わらないうちに旧サービスを廃止せざるを得なくなる」という事態の発生は、今後も予想されることです。
 
利用者の混乱を避け、行政として最低限の説明責任を果たすというの観点から、次のような情報掲載が必要です。
 
1.廃止の理由や事情
2.新サービスへの移行予定(有無を含めて)
3.新サービスや関連サービスの紹介
 
政府の共通ガイドライン等で、サービスの廃止や移行に関する規定を設けて、上記のような告知を期間や期限(30日以上等)を決めて義務化しておくと、各省庁でバラバラな対応がされることも無くなります。
 
さらに、抜本的な対策としては、利用者視点で電子政府サービスの維持管理ができるように、政府CIOの判断で柔軟に使える資金をプールしておく仕組みが考えられます。政府の情報システム改革・刷新で削減できたお金の一部を政府CIO室で蓄えておいて、今回のような予算切れでサービスが維持できなくなった場合に、政府CIOの判断で支出できるようにします。こうしたプール制は、一部の諸外国でも採用されています。
 
プール資金については、その出入りについて、透明性の高いガラス張りの運用で公開し、政府CIO制度の効果としても広く国民にアピールできるようにします。
 
電子政府で成功している国では、政府やサービスへの「信頼性」を重視して、国民からの信頼性を高めるために、様々な努力を続けています。そうした意味でも、今回のようなことが繰り返されないように、抜本的な対策をお願いしたいと思います。
 

 
「情報システムに係る政府調達事例データベース」の廃止について
2014年9月18日 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ
「情報システムに係る政府調達事例データベース」は、平成26年9月26日(金)18時を持って廃止いたしますと。
 
理由も示さずに廃止は、説明責任の放棄であり、「電子政府で最もやってはいけないこと」の一つ。これでは、国民にとっての「見えない化」です。以前、データカタログサイト「DATA.GO.JP」でも同じようなことがあり批判されたのに、どうして同じようなことをするのか、理解に苦しみます。
 
下記にある通り、「政府情報システム管理データベース」への一本化をするにしても、広く国民に公開される「情報システムに係る政府調達事例データベース」に代わるオンラインサービスが必要で、「ITダッシュボード」上に設置するなどの措置が必要です。
 
なお、「政府公共調達データベース(ジェトロ)」でも、政府情報システム調達について簡易情報は閲覧できますが、仕様書や調達計画書等は公開されていません。
 
関連>>政府電子調達(GEPS)
 
政府公共調達データベース
 
ITダッシュボード
 
平成25年行政事業レビューシート(PDF)
総務省所管府省共通情報システムの一元的な管理・運営
政府調達事例データベース(情報システムに係る政府調達事例データベース)と政府情報システム管理データベースについては、調達情報を登録し、それを共有するという点で共通機能があることから、政府調達事例データベースを発展的に解消し、将来的には政府情報システム管理データベースの機能に一本化する予定である。
 
行政事業レビューシート(PDF)
電子政府関連事業(行政効率化)(うち政府情報システム管理データベース整備経費)
平成24年度開始。各府省の情報システムに関する資産台帳を標準化・機能化させた「政府情報システム管理データベース」を整備し、その情報を基に、災害発生等の緊急時におけるシステム・ネットワークの死活・復旧状況の把握や確認、復興時の活用方策の検討・判断を行う。このほか、平常時においても、複数府省におけるICT投資の重複排除、政府全体を通じたシステムの連携・統合、政府共通プラットフォームへの移行、システム拠点の集積・再配置を推進する。
 
政府情報システム刷新のための共通方針(提言)(PDF)
平成24年8月9日 政府情報システム刷新有識者会議
各府省は、平成24年度中に、政府情報システムの棚卸しをさらに精査した事項について実施するとともに、総務省においてこれらの情報を蓄積した「政府情報システム管理データベース」を整備し、25 年度からその運用を開始する。
 
政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン(案)
政府情報システム管理データベース(ODB:Official information system total management Database):政府における情報システムに関係する情報を一元的に管理するため、総務省において整備及び管理し、各府省の用に供するデータベース。具体的な活用方法については、「第5章 情報システムの管理(ODBの活用)」等で解説。
 

 
金融機関向けIBMマイナンバー対応ソリューション 2014年10月28日
金融機関が個人や法人の顧客からマイナンバーを取得し、管理・保管する機能を提供するだけでなく、金融機関の従業員のマイナンバー管理・保管にも適用できますと。ここで紹介されている機能は、金融機関以外の企業でも必要なものなので、各企業においては、下記に挙げる機能をいかに低価格・低負担で実現・維持管理していくかを考えることになります。
 
・マイナンバーを顧客や従業員から取得する
・マイナンバーをライフサイクル(登録・更新・消去等)を通じて一元的に管理する
・登録済マイナンバーの目的外利用を制限する
・マイナンバーのアクセス権限・履歴管理を行う
・十分なセキュリティレベル(安全管理:漏洩や不正利用等の防止)を確保する
 
「マイナンバーで業務を効率化する」という視点も大切ですが、実務を考えた場合、「マイナンバーによる業務・事務処理の非効率化をいかに防ぐか(既存の業務への望ましくない影響を最小化する)」という視点が、より重要になるでしょう。
 

 
「中間サーバー・プラットフォーム構築等に係るプロジェクト管理支援業務」の入札公告における開札結果 地方公共団体情報システム機構
公告日 平成26年11月10日
開札結果は「不調」と。またスケジュールが厳しくなりますね。。
関連>>社会保障・税番号制度導入に向けた準備について(PDF)
中間サーバーのハードウェアの整備は、クラウドの積極的な活用により共同化を図ることとし、 中間サーバーの拠点(「中間サーバー・プラットフォーム」)を、地方公共団体情報システム機構が全国2か所に用意(平成26年度後半~27年度で整備)。
 
 
住民基本台帳法施行令の一部を改正する政令(仮称)案に対する意見募集について
2014年12月8日まで
マイナンバー法の施行に伴い、個人番号に係る住民票の記載等の方法、地方公共団体情報システム機構、都道府県及び市町村における本人確認情報の保存期間の延長等について必要な事項を定めるほか、所要の規定の整備を行うもの。
地方公共団体情報システム機構、都道府県及び市町村において保存している本人確認情報(現行は原則5年間)の保存期間について、番号制度導入による年金、税等の個人番号利用事務への対応等に鑑み150年間に延長すると。
関連>>住民基本台帳法施行令の一部を改正する政令(仮称)案に対する意見募集
 
電子自治体推進パートナーズ・セミナー
マイナンバーの制度運用と情報連携 ~総務省・厚生労働省・内閣官房の導入運用政策と企業・医療保険者向けマイナンバーガイドライン~
諸橋さん、榎並さんのお二人に加えて、総務省・厚生労働省・内閣官房の番号制度担当者が参加という、豪華メンバーによるマイナンバーセミナー。2014年11月20日(木)10:00~17:10開催。
関連>>自治体のマイナンバー・クラウド導入の行政実務
こちらは、愛媛の高倉さんなど、自治体関係者が多く参加します。2014年11月21日(金) 10:00~17:10開催。
 
共通語彙基盤 コア語彙2.1(検証版)を公開し、意見募集を開始いたしました。
コア語彙2.1の一覧表、コア語彙2.1 XML スキーマ、コア語彙2.1 RDF スキーマ、IEP(Information Exchange Package:情報交換パッケージ)、共通語彙基盤全体の概要説明書、技術者向けのテクニカルガイドラインなど。締切は2014年11月17日。
 
 
 
社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)について|秋田県公式Webサイト
2014年11月6日 企画振興部 情報企画課
平成27年10月から、皆さま一人ひとりに12桁のマイナンバー(個人番号)が、市町村から住民票の住所に通知されます。平成28年1月から、社会保障、税、災害対策の行政手続きでマイナンバーが必要になります。マイナンバーは社会保障・税・災害対策分野の中で定められた行政手続きにしか使えませんと。
 
「Knowledge Connector」のβ版リリースについて
2014年11月7日 一般財団法人日本情報経済社会推進協会
オープンデータを活用したビジネスを加速するため、「全国で実施されているオープンデータに係るイベント(アイデアソン、ハッカソン等)の成果をITで集約・継承するとともに、それら成果に紐づく人材(解決策を必要とする主体、ビジネス化へ協力してくれる主体等)へのアプローチに繋がる基盤「Knowledge Connector」を試験的に構築。β版開発に当たっては、Idea.LinkData.orgの機能(成果登録機能等)を活用しつつ、新たに「ビジネス化支援機能」等を開発したと。
関連>>Knoledge Connector + Idea.LinkData
ハッカソン・アイデアソン成果の共有とビジネス化支援・人材情報の統合サイト
 

マイナンバー制度「特定個人情報保護評価書(全項目評価書)(素案)」に関する意見を募集します
平成26年10月27日 仙台市
住民基本台帳に関する事務、国民年金に関する事務、個人住民税管理事務、軽自動車税管理事務について。平成26年11月26日(水)まで。仙台市の場合、マイナンバー制度全般に関する取り組みついては「まちづくり政策局情報政策部情報政策課」が、特定個人情報保護評価については「総務局総務部文書法制課」が担当しているようです。
 
各省庁や自治体の特定個人情報保護評価書を見ることで、特定個人情報保護の具体的な措置が見えてきます。例えば、住民基本台帳に関する事務では、リスク対策として、委託契約書に以下の規定を設けています。

1.個人情報の適正な取り扱い
2.目的外使用の禁止
3.使用者に対する遵守事項の周知義務
4.個人情報の適切な管理のための措置をおこなう義務
5.個人情報の収集に係る制限
6.目的外提供の禁止
7.複写等の禁止
8.第三者利用の禁止
9.契約終了時の返還義務
10.契約違反時の発注者への順守

 


片山さつきが明かす「女性幹部誕生に必要なこと」

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2800Q_Y3A820C1000000/
民間企業では役所ほど明確に1年ごとのロールモデルがあるわけではないが、3年スパン程度ならマニュアルを作れるはず。実際、IBMではロールモデルのマニュアル化に成功している。要は、飲み会の場で伝授しているような話もひっくるめて、上がるべき階段一段一段が見えるようにマニュアル化することは、民間企業でも可能なはずと。

電子政府関係でも、女性幹部にお会いする機会は、まずありません。外資企業や海外政府機関では、3-5割が女性という印象。ロールモデルのマニュアル化は、電子政府の人材育成でも有効ですね。役所・民間企業・教育機関等の間で人材が行き来できると、さらに良いでしょう。
 

 
社会保障費用統計(平成24年度)|国立社会保障・人口問題研究所
平成26年度にとりまとめて平成26年11月11日に公表。マイナンバー制度や医療分野の番号制度を考える上で欠かせない基本資料です。
 
社会支出(OECD基準:113兆円)、社会保障給付費(ILO基準:109兆円)で共に過去最高を更新。財源項目別では「社会保険料」が61兆4,156億円で、収入総額の48.3%を占めますが、「公費負担」が42兆5,469億円で33.5%を占めています。社会支出の国際比較では、スウェーデンよりもフランスが多いのですが、今後も維持できるのか不安がありますね。
 
関連>>平成24年度社会保障費用統計|政府統計の総合窓口
 
 
 
 
 

 
医療ビッグデータ、その課題~DPCを中心に
電子化されたレセプト情報に一歩先んじて、医療の質や効率化に寄与しているビッグデータが、DPC(診断群包括分類)に基づく診療情報のデータ。しかし、DPCデータ本格活用の最大の課題として「患者の追跡ができない不自由さ」がある。
マイナンバーであれ医療IDであれ、これが健康保険と連動されれば、健康診断やカルテの情報など、自分の健康データが生涯を通じて管理でき、重複する検査や投薬なども減らせると。
関連>>マイナンバーと医療IDの使い分けが焦点に   医療経営CBnewsマネジメント
[最適な病院選びを支援]公開データに基づきランク付け、医療費抑制に一役
 
第31回 特定個人情報保護委員会 2014年10月28日
特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインについて、モーリシャス共和国出張の報告(データ保護プライバシー・コミッショナー国際会議)など。特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(行政機関等・地方公共団体等編)(案)が配布されています。
関連>>特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン
「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)(案)」(本文、別添及び別冊による構成)に関する意見募集について
 
第42回電子情報利活用セミナー 
法人番号(企業版マイナンバー)の社会的意義とその利活用
手塚先生や日立製作所が講演。当日の講演録(要旨)が公開されています。
 
所得のフラット化 ?世界の変化をビジュアルで見る?
世界は分断されておらず、ほとんどの人が真ん中にいます。2048年にはインド、中国の平均所得が先進国の水準に届くのではと。ビジュアル化されると、わかりやすいですね。以前書いたブログを思い出しました。
関連>>日本の電子政府が良くならない本当の理由(18):「給料もらい過ぎ」の日本人
 
第18回経済財政諮問会議 平成26年11月4日
金融政策、物価等(地域経済情勢を含む)、歳出の重点化・効率化(社会資本整備)など。民間委員からは、「公共施設等の維持管理の大宗を担う地方公共団体において、インフラ長寿命化計画(公共施設等総合管理計画)の策定やその前提となる固定資産台帳の作成が進んでいない。こうした取組なくして効率的な社会資本整備は不可能である。国交省、総務省、地方自治体が協力し、民間能力の活用を含め、以下の社会資本マネジメントを推進すべき」と。これはホントに急務で、「何を残すか」を決める必要があります。
関連>>総務省|公共施設等総合管理計画
 
 
 
第17回経済財政諮問会議
女性の働き方に中立的な税制・社会保障制度等、歳出の重点化・効率化(社会保障改革の在り方)、骨太方針・予算の全体像フォローアップなど。厚労省の資料で、最近の社会保障の動向がわかります。
関連>>社会保障改革について|参考資料(塩崎臨時議員提出資料)
今後の経済財政動向等についての点検会合
 
第9回 国家戦略特別区域諮問会議 平成26年10月10日
「ビジネス環境の改善・グローバル化」、「公的インフラ等の民間開放」、「持続可能な社会保障制度の構築」、「新たな地方創生モデルの構築」等の観点から、必要な規制改革事項を追加。外国人を含めた起業・開業促進のための各種申請ワンストップセンターの設置、公証人の公証役場外における定款認証、NPO法人の設立手続きの迅速化、インターネットによる酒類販売の要件緩和など。公証人による「定款認証」なるものは無駄・非効率の典型なので、速やかに廃止するべきと思うのですが、法務省の既得権益には切り込めないのでしょうね。
 
規制の簡素合理化に関する調査-関係者からの意見・要望への対応-
<調査結果に基づく勧告> 平成26年10月14日
規制に伴う国民や事業者の負担を必要最小限のものとする観点から、規制の実施状況、規制に伴う国民の負担の状況等を調査し、その結果を取りまとめ、必要な改善措置を勧告。
事業者等のニーズや現状の技術に対応していないもの、規制の有効性・効果の発現が明らかではないものがあると。
例:狂犬病予防注射の実施頻度(狂犬病予防法)
調査した保健所では、科学的に1年以上の期間効果のあるワクチンが開発されれば実施頻度を延長しても支障はなく、また、毎年4月から6月までの間に限定されている予防注射の実施時期は、犬の体調によっては当該期間内に予防注射を受けさせることが困難な場合もあるため、自由にすべきとしている。
 
 
警察・消防無線はLTEの上に構築すべき
御嶽山噴火のような緊急時に、自衛隊・警察・消防等に効果的・効率的に動いて頂くために、わが国でも、LTEを公共安全に利用するようにすべきと。
関連>>消防庁における災害対応の標準化に関する取組み
災害対策標準化検討会議より。
 
 
政府共通プラットフォームとは
Government Shared Platform System
クラウドベースで共通機能を一元的に提供する、統合・集約型の政府情報システム基盤システムについて、これまでの経緯を含めて解説。警察庁では、2012年度時点で35のシステムが存在していたが、特別なセキュリティが求められるシステムが多いこともあり、2021年度までに政府共通プラットフォームに移行するのは、2システムに限られる予定と。政府共通プラットフォームは、国(各府省)が利用するものですが、自治体でも同様の仕組みが必要とされています。
関連>>「政府共通プラットフォーム」の運用を開始 平成25年3月18日
「地方公共団体におけるクラウド導入の取組み(平成25年度改訂版) 」について
 

“つぶやき電子政府情報(2014年11月11日):電子政府サービスの廃止で問われる政府の説明責任” に1件のコメントがあります

  1. 政府調達事例データベース
    情報システムに係る政府調達事例データベースが見れなくなったのは本当に困ります。
    早く何とかして欲しいです。

    調達仕様書をWebで公開してるのは
    厚生労働省と地方自治体ぐらいで、
    他の省庁はまったく公開してないので困ったものです。

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