多文化カフェから学ぶ、外国人との付き合い方


多文化カフェ お茶を飲みながら外国の文化を学ぶ
でお知らせしたように、2012年9月15日に「多文化フェスタ さいわい」というイベントがあり、その中で「多文化カフェ」という「簡易な喫茶スペース&展示コーナー」を実施しました。

詳細については、多文化カフェ実施報告書(2012年)にまとめておきましたので、こちらをご覧ください。同報告書は、同じようなイベントや事業を実施する際の参考にできるよう、自由な利用・配布を前提として作成してあります。

「多文化カフェ」は、玄関ロビーという人通りが多い場所で、なおかつ飲み物やお菓子が無料ということもあり、おかげさまで非常に多くの来場者がありました。1時間ごとに国と飲み物が変わるのですが、「一カ国当たり30人ぐらいきてくれたら嬉しいなあ」と考えていたところ、実際には100名近い利用者があり、忙しいながらも楽しいひと時でした。

折りしも、「多文化カフェ」に参加してもらった中国と韓国は、日本との間で領土問題が注目されていたのですが、政治と文化交流は別と考えてくれた人が多かったようで、トラブルなども全くありませんでした。

ただし、展示物については、外国人市民の方から配慮があり、地図や国旗などは展示しませんでした。これに対して、モンゴルは地図と国旗、フィリピンは国旗を展示しています。

個人的にも、政治と文化交流は別と考えています。日本と韓国の歴史に対する認識の差が埋まることは、少なくとも私が生きている間は無いだろうと思いますが、個人間や団体間の文化交流は今後も続けるべきだと思います。

日本語ボランティアを初めて15年ほどになりますが、その中で外国人との付き合い方も学ぶことができました。

・国(政府)と個人は別ものである。
・中国、韓国、イランなど多くに国において政府は怖い存在である。
・個人は政府や政治に踊らされる存在である。
・日本人も外国人も良い人が大半だけど、悪いことをする人もいる。
・悪い人たちやトラブルに巻き込まれないようにする。
・慣習や文化を知らないことには寛容であるべき。
・しかし、友人としてルールを教えてあげることも大切。
・外国人に対する政治やマスコミの情報を鵜呑みにしない。

整理してみると、なんだか当たり前のことばかりですね。

日本語教室には、反日的な国の人であっても、日本に対して極端に悪いイメージを持っている人は来ないので、基本的に平和です。実際に日本人と触れ合うことで、自国にいた時よりも良いイメージを持って帰国する人が多いようです。もちろん、親日的な台湾、インドネシア、タイなどは、より楽しいひと時を過ごしてくれていると思います。

日本語教室では、日本語を学習する機会を提供するだけでなく、縁あって日本に来てくれた外国人が、日本での生活を少しでも楽しいと感じてくれて、その思いを持って帰国してくれることを願っています。その思いは、どの国の人であっても変わるものではありません。

政府や政治家は変わり、200年、300年もすれば歴史認識も変わるでしょう。だからこそ、地道に文化交流を続ける(絶やさない)ことが大切と思うのです。