ソーシャルブレインズ入門 ―― 社会脳って何だろう

ソーシャルブレインズ入門――って何だろう (講談社現代新書)
藤井 直敬
講談社

ソーシャルブレインズは、簡単に言えば「社会の中で生き抜くために必須の脳の働き」だそうです。

脳が単体で機能しない。つまり、「身体との関係があって初めて、脳の存在に価値が生まれ機能する」という考え方は、かなり一般的になったように思います。

それと同じように、「他人(の脳)との関係があって初めて、脳が身体と共に成長する」ことに注目したのがソーシャルブレインズなのかなと思います。

作者も、ゆる体操などを通じて、脳と身体の関係性、他者とのコミュニケーションにおける(脳の力を十分に発揮できる)身体の重要性を認識し、日々模索しています。

特に強く意識できるのは、(脳と身体の一体性が大人より高いと思われる)子供たちとのコミュニケーションの場面です。

子供と遊ぶのは単純に楽しいだけでなく、コミュニケーションの勉強、実証実験の場としても最適と思っています。

また、全く知らない人に初めて会ってコミュニケーションするのも、とても好きです。

そんな時は、いつもよりも身体性を高めておくようにします。

本書で提唱している「リスペクト:人が人に与える、母子関係を源に持つような無条件な存在肯定」は、これからの社会で重要になってくると思います。

こうしたリスペクトは、高い身体性があってこそ身に付けられるもので、相手にも伝えられるのではないかと思っています