森友学園問題への対応、「公文書管理」ではなく「情報ガバナンス」として

森友問題で話題の「決裁文書」とは何か、なぜ書き換えが問題なのか  ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/163125
誤り等が見つかった場合でも、修正したものと差し替えられるので、決裁文書の原本とコピーの記載内容が異なるということは当然ありえないと。

刑法上は、公文書偽造、虚偽公文書作成、公用文書等毀棄罪、偽造公文書行使等の罪がありますが、粛々と処分を進めて欲しいと思います。

関連>>改竄、電子鑑識で判明 大阪地検、PCデータ復元

野口悠紀雄先生による「森友問題の公文書改ざんはブロックチェーン技術で防げる」といった解説もありますが、決裁処理について、ある程度の電子化が進んでいれば、ブロックチェーン技術を使わずとも紙の文書よりは防止・発見が容易になるでしょう。

電子政府の分野では、政府全体の方針として、省庁における電子決裁が進められてきました。

関連>>アクションプランを踏まえた電子決裁取組状況について(平成27年9月総務省行政管理局)

平成28年度 政府における電子決裁の取組状況を見ると、電子決裁率(=電子決裁数/全決裁数)は、全体で91.4%、うち内部部局で95.8%、地方支分部局でも87.3%となっており、かなり電子決済が進んでいることがわかります。省庁間の格差も、以前よりは格段に縮小しました。

財務省の電子決裁率を見ても、
全体:25年度3.4%、26年度47.6%27年度83.5%28年度91.4%
審議会等、施設等機関及び特別の機関:28年度81.0%
地方支分部局:28年度91.7%

となっており、ここ何年かで急速に電子決裁が増えています。

しかし、森友学園問題は2013年から2016年(平成25-28年)にかけての話なので、まだまだ電子決裁率が低い状況にあった時期を含んでいます。また、「業務の性質上電子決裁に馴染まないもの」という区分けもあるため、電子決裁が進んでいても紙で処理される可能性があります。

デジタル社会やデジタル政府という観点で見た場合、重要なのは、今回の事件は単なる「(電子文書を含む)公文書管理」の問題ではなく、「情報ガバナンス」の問題だということです。マネジメントではなく、ガバナンスに不備があるということです。本ブログでも、たびたびデータガバナンスの重要性を指摘してきました。

関連>>エストニアの「国民ID」と日本の「マイナンバー」

エストニアでは、2017年に情報ガバナンスの原則「Principles for Managing Services and Governing Information」を決定しました。これは、電子文書管理から情報ガバナンスへと戦略の方向性が変更したことを意味します。これは非常に重要な決定だと思います。

日本でも、「これからは紙の文書ではなく電子文書で!」といったことに終わらせず(すでに政府の電子決裁はかなり進んでいる)、デジタル社会に対応した「情報ガバナンス」の戦略を策定する必要があるでしょう。


安倍首相のエストニア訪問で高まる機運、日本が電子国家に向けて本格始動
http://ascii.jp/elem/000/001/631/1631868/
日本とエストニアの関係がどのように発展していくかを展望。電子政府、セイバーセキュリティー、ブロックチェーン、人工知能など分野を横断した多様な取り組みも増えていくはずと。
両国間における経済・投資の促進、二国間の人材交流(ワーキングホリデー制度の導入)、サイバー防衛分野での連携、日本とバルト三国における協力関係など。エストニアのデータ連携プラットフォーム「X-Road」を民間企業向けに独自開発し、日本で提供しているプラネットウェイも紹介しています。
関連>>プラネットウェイ IoTプラットフォーム「avenue」
http://pwlvc.com/jp/business/avenue.html
1. 15年間におよぶ電子政府国家エストニアの政府インフラを民間応用
2. セキュリティを担保したData Exchange
3. 分散型による大規模なデータベースネットワークの構築
4. マルチプロトコル対応したプラットフォームによる無限のスケーラビリティ
5. Beyond API

Blockchain and healthcare: the Estonian experience
https://nortal.com/blog/blockchain-healthcare-estonia/
2016年からエストニア政府が導入した、ブロックチェーン技術による全住民の健康記録の保護について。全国的規模で医療分野にブロックチェーンを活用している国は、他に存在しないと言われています。実際には、(サイズの大きい)医療データそのものではなく、データに対して実行された処理(アクセス、変更等)を記録するログファイルに対して、ブロックチェーンを使います。これは、医療データが内部からの脅威を軽減する必要性が高いことも意味します。エストニア政府のブロックチェーンは、いわゆるプライベートチェーンで、医療データについては、Eヘルス財団が元帳(レジャー)を管理しています。
関連>>e-Health Records e-Estonia
https://e-estonia.com/solutions/healthcare/e-health-record/
Estonian eHealth and the blockchain
https://www.gemalto.com/review/Pages/Estonian-eHealth-and-the-blockchain.aspx

森友問題の公文書改ざんはブロックチェーン技術で防げる
http://diamond.jp/articles/-/163327
重要なのは、「文書の内容を明らかにせずに、同一性のチェックができる」ということ。「公務員が悪人であっても、なおかつ機能する仕組み」を確立することが緊急の課題となったと。

プロジェクト失敗の理由、15年前から変わらず
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/100753/030700005/
プロジェクトの失敗理由として、満足を得られなかった理由の筆頭は「要件定義が不十分」、コストを順守できなかった理由の筆頭は「追加の開発作業が発生」、スケジュールを順守できなかった理由の筆頭は「システムの仕様変更が相次いだ」と。

プロはプロでも「作業」のプロに成り下がるな!
http://diamond.jp/articles/-/162855
日本のIT人材のほとんどが、「IT作業人材」に過ぎないと。電子政府関係で思うのは、ITベンダー自らが政府の「出入り業者」でいることに、ある種の居心地の良さを感じているのではないかということです。少なくともプロを自負するのであれば、省庁の担当者に呼び出されて話をすることに価値を見出さないと思うのですが。。

不動産の売却価格(成約価格)が見られないため、
日本ではどんな不都合なことが起こっているのか?
http://diamond.jp/articles/-/161081
日本の不動産取引では、売買も賃貸も実際に契約した成約価格は公表されない。シンガポールでは法律で不動産仲介会社による両手取引が禁止されているうえに、コンドミニアムなどの住宅価格は全て開示されている。一般消費者も市場価格を知ったうえで、安心して不動産取引ができると。エストニアのデジタル社会について学んでいても、日本社会の「透明性の欠如」や「公共性の高い情報の公開が遅れている」ことがわかります。

東日本大震災で流された大量の「戸籍」が鳴らす警鐘
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180311-00054765-gendaibiz-bus_all
戸籍も住民貴重台帳システムも全て流失し、死亡者の戸籍確認は不可能、南三陸町に1ヵ所あった火葬場も使用できない状況で、行方不明者の届出受付と平行して身元が確認ができた人の死亡届の受領と火葬許可証の発行。「戸籍」がないなかで手続きは進むが、死亡届の先の相続他はどう考えても「戸籍」がないと進まないと。

買物レシートデータを活用したアプリコンテストを開催しました
http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180308002/20180308002.html
買物体験の向上や店舗の課題解決につながる38件のアイデア提案があり、特に優秀な6件の提案を表彰。
http://meti-appcontest.go.jp/

IoT時代に知らないと恥、セキュリティとセーフティの違い
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00164/022600005/
安心を実現するためには、セキュリティとセーフティを誤解なく理解するようにしたいと。

北朝鮮との「非核化」対話、繰り返される失敗の歴史
http://diamond.jp/articles/-/162834
北朝鮮の現体制が、かなり追い詰められていることは確かでしょうね。今後の体制をどうするかは、米中の対話で決まっていくかと。米国からの条件を満たした上で、中国がコントロールしやすい政権とか。

有能な公務員を「無能化」する上司の3つの言葉
http://diamond.jp/articles/-/161949
能力を引き出す言葉は、「地域に出ろ」「チャレンジしろ」「責任は俺が取る」と。

岡山県内400医療機関が診療情報共有 「晴れやかネット」運用5年
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180305-00010000-sanyo-hlth
2013年の運用開始から5年を迎えた「晴れやかネット」は、医療機関がインターネットを介して(同意した)患者の診療情報を共有する専用システムであると。平成27年の保健統計では、岡山県内に病院は164施設、一般診療所は1,659施設、歯科診療所は996施設とあるので、400医療機関はかなりの数字ですね。岡山件の人口は約190万人なので、エストニアより60万人ほど多いです。モデルケースとしては規模もちょうど良いかと。
関連>>平成27年 医療施設調査・病院報告の概況(確定数)
http://www.pref.okayama.jp/page/486342.html
医療ネットワーク岡山 晴れやかネット
https://hareyakanet.jp/
利用回線はVPN。HPKI対応。現在51施設で診療情報開示の運用中。平成28年4月から、広島・HMネットとの相互接続を開始。ヘルプデスクはNTTデータ。

腸内細菌層の検査で一歩も二歩もリード!
健康アドバイスの充実で、さらなる先へ
http://ils-top100.dreamgate.gr.jp/ils_top100/231
使えるデータを蓄積していることが強みと。腸内細菌叢データなら、遺伝子データよりも敷居が低くて、より効果が実感できますね。

「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂
平成30年3月14日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000197665.html
1 病院における延命治療への対応を想定した内容だけではなく、在宅医療・介護の現場で活用できるよう見直し
2 心身の状態の変化等に応じて、本人の意思は変化しうるものであり、医療・ケアの方針や、どのような生き方を望むか等を、日頃から繰り返し話し合うことの重要性を強調
3 本人が自らの意思を伝えられない状態になる前に、本人の意思を推定する者について、家族等の信頼できる者を前もって定めておくことの重要性を記載
4 今後、単身世帯が増えることを踏まえ、3の信頼できる者の対象を、家族から家族等 (親しい友人等)に拡大
5 繰り返し話し合った内容をその都度文書にまとめておき、本人、家族等と医療・ケアチームで共有することの重要性について記載

Microsoft 365とAzureを導入した佐賀の小学校 タブレットフル活用の授業を見てきた
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1802/07/news018.html
児童や生徒の個人情報や成績情報、試験問題といったデータはローカルにコピーできない。校務用と学習用両方でパブリッククラウドを採用したのは、国内では初めてと。2018年1月26日から、2019年3月31日までの実証プロジェクトとして運用するそうなので、その後の展開を見極めたいですね。
関連>>エストニアの教育クラウド「e-School」を日本でも実現しよう!!
https://blog.goo.ne.jp/egovblog/e/eb711b2b0ea70d4a05ba0d22308cd13c

個人情報開示 プライバシー権侵害で高島市敗訴 大津地裁
https://mainichi.jp/articles/20180228/k00/00m/040/119000c
予算を巡り住民監査請求をした市民が、市議会全員協議会で、氏名や住所などの個人情報を開示されたと。プライバシー権侵害以前の問題ですね。

過労死白書:正社員が過労死に至る確率は非正社員の約18倍
http://www.mesoscopical.com/entry/2017/03/21/050028
正規・非正規の比率を考慮すると、労災支給決定ベースで、正社員が過労死に至る確率は、非正社員の約18倍となると。日本型雇用は、ちょっと異常ですよね。

年金130万人に過少支給 2月、控除申告書の様式変更で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27673180T00C18A3EA2000/
対象者が様々な所得税の控除を受けるためには、毎年機構が送付する「扶養親族等申告書」を記入して返送する必要があると。こうした負担を無くすためにマイナンバーを導入したのではないのかな。

「ドタキャン防止システム」は飲食業界の救世主になれるか
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180304-00005422-toushin-bus_all&p=1
システムに登録される情報は、予約日と予約人数と電話番号だけ。システムの運営側が消費者庁に問い合わせたところ、これらの情報だけで個人を特定することはできないので、個人情報保護法には触れないという回答を受けたと。

人工知能と社会 中川裕志 (東京大学 情報基盤センター) 最終講義 2018年3月1日
https://www.slideshare.net/hirsoshnakagawa3/ss-89442307
Superintelligenceの問題は、悩ましいものですが、将来的には人間とAIといった区別があまり意味の無いものになると思うので、相互関係性・補完性の文脈(完全・絶対的なものは無い)で両者が社会に有益な機能を提供していけば良いと思います。その場合でも、最終的な意思決定については、少なくとも形式的には「人間が行なう」となるのでしょうね。

酷い…1700億円かけた地方創生事業の成果 地方絶賛より現実的な検証を
https://togetter.com/li/1202390
補助金事業については、全国規模でオープンデータ化して、政府の監査機関だけでなく、国民・市民が容易にチェックできる仕組みが必要なんですよね。これこそ電子政府が率先して実現するべきものかと。

欧州「一般データ保護規則(GDPR)」の直前対策、五つのポイント
http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atclact/active/14/378464/030500013/?act05
欧州の気まぐれに日本企業が巻き込まれないよう、「日本国内の個人情報保護法等を遵守していれば、GDPR違反とならない」となるべく、速やかに政府がEUと交渉するべきかと。政治外交問題ですね。

大学発ベンチャーに関する調査結果を取りまとめデータベースの運用を開始
平成30年3月9日
http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180309007/20180309007.html
平成29年度調査で確認された大学発ベンチャーは2,093社、平成28年度より247社増加したと。DBには、大学発ベンチャーの基本情報や関連特許、人材、資金等の情報を掲載。
http://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/univ_startups_db/

「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律案」が閣議決定 平成30年3月9日
http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180309002/20180309002.html
海洋再生可能エネルギー発電は、火力発電に比べ二酸化炭素の排出量が少なく、地球温暖化対策に有効であるとともに、大規模な開発により経済性の確保も可能。関連産業への波及効果とともに、発電設備の設置・維持管理での港湾の活用による地元産業への好影響が期待できる。

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の新機能
http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180309003/20180309003.html
データベースを大幅に充実させるとともに、検索機能を特許審査システムと共通化。より正確で効率的な先行技術調査が可能になったと。
1.特許分類とキーワードを掛け合わせた検索
2.近傍検索
3.外国特許公報(米国・欧州・国際出願)の英文テキスト検索
4.国内の公開特許公報等のテキスト検索が可能な期間の拡大
5.検索結果表示件数の上限拡大

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