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電子自治体トップページの整理、「誰に」を考える 2004年5月24日

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電子政府・電子自治体サイトのトップページを整理するためのポイントを解説しています。
 
役所のホームページは、電子政府・電子自治体サービスの基本となるものですが、そのトップページとなると、まさに「電子政府・電子自治体の顔」と言えましょう。

最近、日経BPガバメントテクノロジーのコラムで、長崎県を例に挙げてトップページのあり方が解説されていましたが(長すぎるトップページは改めるべき)、役所は膨大な情報を保有し、それをウェブ公開するわけですから、ついついトップページに情報を詰め込んでしまうのは致し方ないところ。

ということで、ここでは、トップページを整理するためのポイントを解説します。

相手が誰かを考える

トップページを整理するためには、掲載する情報を整理することが必要になります。

よくあるのが「組織別」「分野別」といった分類ですが、これでも項目が多くなりすぎて、欲しい情報にたどり着けないことが多いのが現状です。

そんな時に有効なのが、「誰に」を考えた整理です。

有名なところでは、カナダ政府のポータルに見られる、「カナダ市民」「非カナダ市民(外国人)」「ビジネス(事業者)」という分類があります。

日本の自治体であれば、「住民」「非住民」「事業者」と分類し、それぞれのポータルを構築すれば良いのです。

ただし、共通して必要な情報「自治体のプロフィール、検索機能、ヘルプ、問い合わせ・意見受付など」は、共通のデザイン形式の中で常に閲覧・利用できるようにしておきます。共通情報の表示については、最近リニューアルした経済産業省のサイトなどが参考になります。

これだけで、かなりトップページが整理され、かつ使いやすくなります。

トップページを「住民」向けのポータルとして、「非住民」「事業者」ポータルへの案内を表示しておくのも良いでしょう。

なぜなら、観光者や企業は目的意識がはっきりしており、欲しい情報を探すことに慣れているからです。

「見せたい情報」と「欲しい情報」

利用者が「欲しい情報」を見つけられるように、「誰に」を考えてトップページを整理しました。しかし、せっかくのトップページですので、役所自身も有効に活用したいもの。そもそも、トップページ、特にその上部(スクロールしないで見られるスペース)というのは、商業価値の高いスペースなんですよね。

そこで、考えたいのが「見せたい情報」と「欲しい情報」の分類です。

利用者にとって「欲しい情報」を掲載しつつ、役所が「見せたい情報」を効果的に提供するためにトップページを活用するのです。

「見せたい情報」とは、災害等の緊急情報は別として、原則としてブランドの構築・確立、利用者との良好な関係作りに役立つものを意味します。

ですから、「マナブー市は、全国有数の環境配慮自治体で、こんな取り組みをしています。」「早くから透明性・公開性に取り組み、全国情報公開ランキングで1位になりました。」というように、情報にメッセージ性を持たせて発信することが大切です。

最新・更新情報も必要ですが、せっかくのトップページには、利用者に伝えたいメッセージを込めて「見せたい情報」を掲載するスペースを作るようにしましょう。

 


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