「公証人法施行規則の一部を改正する省令案」への意見:定款認証の廃止に向けて

おおすぎ Blog_「公証人法施行規則改正案」のパブコメにご協力くださいというブログを拝見しました。これは私も意見提出しないといけないと思い、下記の内容で意見を提出しておきました。
「公証人法施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集
法人設立時における「公証人による定款認証の無意味さ」については、20年以上思っていたことなので、一日も早く、公証人による定款認証が廃止されることを望みます。日本で少子高齢化や社会の多様化・複雑化が進む中で、公証制度の重要性は高まると考えますが、だからこそ「公証人による定款認証」は止めて、公証人本来の役割に徹して公証サービスの充実を目指して欲しいと思います。


意見1
公証人法施行規則に新たに第13条の4を新設することは、以下に理由により反対する。
嘱託人に申告させた上で、その真偽について公証人が調査するわけではないので、実質的な効果は望めない。効果が望めると考えるのであれば、そのエビデンスを示すべきである。効果が望めないことに対して、嘱託人に新たな負担を課するのは、起業を阻害する要因にもなり認められない。
意見2
法律により会社設立時に公証人による定款の認証を求めるのは、起業を阻害する要因になるので止めるべきである。
公証人による「認証(公証人法第五章)」の本来の役割は、嘱託人等の本人確認(実在性および真正性)や文書の真正性の証明である。定款の認証の主な役割が「定款条項の適法性の確認」とする考えもあるが、実務では公証人により認証を受けた定款が、登記申請において不備を指摘されるケースもあり、公証人には「定款条項の適法性」を証明することはできない。
人口当たりの起業率がEUで最も高いエストニアでは、電子署名により本人確認を行なうオンライン申請であれば、必要事項を記入することで申請アプリケーションが定款を自動的に作成し、記入した内容が正しければ自動作成された定款が申請処理において不備とされることはない。日本でも、政府の政策として起業を促進するのであれば、コンピュータによる自動作成を実現するべきである。


参考情報:株式会社の不正使用防止のための公証人の活用に関する研究会