エストニア電子政府の成功要因から日本が学べること

エストニアの「電子政府」を可能にした3つの成功要因 | Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/19386
連載「エストニアのデジタル政府とスタートアップ最前線」の第3回。歴史的背景、地理的要因、政府の推進方針、それぞれの成功要因を解説しています。データガバナンスの問題にも触れています。私がエストニアの電子政府についてお話しする時も、同じような解説をしています。

フィンランドとの交流は有名ですが、言語が似ていることも大きいようです。つい先日、エストニアとフィンランドの情報交換基盤が相互接続されたところです。

関連>>Finland’s and Estonia’s data exchange layers connected to one another on 7 February – the rapid exchange of information between the countries is now possible

IDカード所持の義務化については、日本の政府関係者に対してもエストニア政府から提言があったと思いますが、実現には至りませんでした。エストニアと日本の差を理解するには、エストニアの「公共情報法(Public Information Act)」と日本の「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」を比較するのが良いと思います。

日本がエストニアの例を参考にする場合、歴史的背景と地理的要因はどうしようもないので、別の点に注目する必要があります。私がエストニアの成功要因と考えているのは、次の通りです。

1 徹底した透明性と実績に基づく社会的な信頼と合意
2 効率的でシンプルな各種制度と使いやすい番号制度
3 多種多様な関係者の参加を前提とした迅速で合理的な意思決定
4 義務化やオプトアウトを活用したわかりやすい法制度の整備
5 Xロードを基礎とした安心・安全・迅速な情報連携の仕組み
6 取得が義務化された国民IDカードによる厳格な本人確認と認証

透明性」については、プライバシー等の問題とも衝突しやすいため、国民や社会全体が「公共性」や「公益性」といったものを受け入れることが必要になります。この意味で言えば、現在の日本には、エストニアほどの透明性を受け入れる土壌や覚悟がまだ育っていないと思います。今後、更なる少子高齢化が進む中で、国民や社会の変化に期待しています。

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効率的でシンプル」については、IT活用うんぬんの前に、税や年金など社会の様々な制度をどれだけ簡素化できるかにかかっています。労働人口が減少し、公務員や自治体が減っていく中で、各種制度の簡素化を進めて欲しいと思います。

迅速で合理的な意思決定」は、そもそも人間が苦手としていることなので、欧米ではディベートなどそれを補うための手法が確立されてきました。実現するためには、教育制度の見直しが必要ですが、それと並行して、ホワイトボックスのAIを活用したエビデンスベースの「迅速で合理的な意思決定」を実現するのが良いと思います。

わかりやすい法制度」については、国民に主権を取り戻すために必要なことですが、もう一つ重要なのが、「これからの法律は、人間だけでなく、コンピュータにとってもわかりやすいものでなければならない」ということです。この点について、エストニアの法制度は大変参考になると思います。

情報連携の仕組み」について、日本とエストニアで圧倒的な差があるのは「スピード」です。これは「人間がどんなにトレーニングしても、馬や車のスピードには追いつけない」というぐらいの違いです。日本が現在の「情報連携の仕組み」にこだわるのであれば、スピードについてはあきらめる必要があるでしょう。これは行政改革やIT戦略などかなり上位の戦略で取り上げるべき問題です。「スピード」を求めるのであれば、現在の「情報連携の仕組み」を捨てる必要があるからです。

国民IDカードの義務化」は、日本で言えば「マイナンバーカード取得の義務化」になります。人口が1億人を超える日本では、発行枚数の問題があると言われます。しかし、枚数のことは社会保障カードの時も議論されたことであり、ドイツやインドの例を見ても、それほど難しい問題とは言えません。予算を含め計画が立てやすいメリットもあります。何より、「発行枚数を増やすための広報等の活動にかける人・時間・お金」を「利用者の利便性を中心に考える」ために使えるようになります。

最後にもう一つだけ、エストニアの成功要因をあげておきます。それは、エストニア経済通信省(Ministry of Economic Affairs and Communications)と、その配下にある国家情報システム局(Estonian Information System Authority:現在の組織は2011年から)の存在です。

経済通信省は、政府情報システムを初めとした政府のICT推進を所管する政府機関で、日本には同様の組織は存在しません。以前、日本でもIT省が必要といった話がありましたが、このIT省に経済産業省の機能が組み込まれたような、かなり強力な組織です。さらに、情報化の実行部隊となる国家情報システム局がいるわけですから、日本とはICTの推進体制が全く異なります。

日本で新しい省を立ち上げることは極めて困難ですが、少なくとも現在のIT総合戦略室を中心としたような脆弱な体制では、様々な改革を必要とするデジタル政府の実現は難しいと思います。


今年も無事に電子申告(青色申告)が終わりました。
http://www.e-tax.nta.go.jp
昨年に利用者登録や電子証明書の登録を済ませていたので、スムーズにできました。決算書作成から申告まで、なんだかんだで40分ぐらいでしょうか。昨年のデータを使いそびれたので、データを再利用していれば、もっと早く済ますことができたと思います。ちょっと反省。。

確定申告書等作成コーナーは、利用者も多く、オンライン申告にも対応しており、費用対効果も高い。他の電子政府先進国と比べても、遜色ない優れたサービスと思います。

今後、エストニアや韓国のような「(スマホ対応の)記入済み申告」を導入すれば、日本の電子申告の利用者も急増すると思います。


「災害時等における無人航空機による情報収集活動(撮影等)」に関する協定事業者の公募 平成30年2月16日 消防庁
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01shoubo01_02000015.html
協定目的:災害時等において、無人航空機に関する必要な操縦技術等を有する民間事業者との連携により、災害現場の映像や画像などを撮影し消防庁に速やかに伝送することによって、災害状況を迅速に把握することを目的として、協定を締結する。費用は消防庁が負担し、著作権は消防庁にあると。
協定期間:平成30年4月1日から平成33年3月31日まで
選定方法:公募により協定事業者を選定
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList5_5_3.html

高齢社会対策会議資料(第29回)平成30年2月16日
http://www8.cao.go.jp/kourei/measure/taisakukaigi/29/shiryou.html
高齢社会対策大綱の案について。数値目標の設定もあります。基本的考え方は、
1)年齢による画一化を見直し、全ての年代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できるエイジレス社会を目指す。
2)地域における生活基盤を整備し、人生のどの段階でも高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティを作る。
3)技術革新の成果が可能にする新しい高齢社会対策を志向する。

Annual Cyber Security Assessment 2017
Estonian Information System Authority
https://www.ria.ee/public/Kuberturvalisus/RIA_CSA_2017.PDF
エストニアの国家情報システム局によるレポート。IDカードの脆弱性への対応も書かれています。

Policing Tech, Privacy: California Agencies Work Through the Details
http://www.govtech.com/Policing-Tech-Privacy-California-Agencies-Work-Through-the-Details.html
ナンバープレートリーダーのようなポリシング技術(警察の監視ツール等で使用される技術)が生み出すデータについて、どのように使用され共有されるかの議論がある。米国移民税関局(ICE)が、ナンバープレートリーダーを通じて不法移民の追跡を支援する技術を提供する会社と契約を結んだと。対応策として、プライバシーポリシーの制定、年次報告書の提出、プライバシー委員会等による技術や予算措置のレビュー、内部通報者の保護など。

産業サイバーセキュリティ研究会 ワーキンググループ1(制度・技術・標準化)(第1回)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/sangyo_cyber/wg_1/001_haifu.html
制度・技術・標準化を一体的に政策展開する戦略を議論する場として。サプライチェーンサイバーセキュリティ等に関する海外の動き、サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワークの策定に向けてなど。
組織、ヒト、モノ、システムについて、ユニークな識別子(ID)で識別できること。ヒト、モノについて、正当性・真正性が担保されていること。データについて、完全性が担保されていることが必要と。

日本は世界の「底辺国」!?――学校でのICT機器活用を親と専門家の目線から考えるディスカッションイベント
https://www.watch.impress.co.jp/kodomo_it/news/1105485.html
外国から見た日本は、「そんなに情報技術に恵まれているのに、なんでわざわざ機器を使わないで足踏みしているの?」と不思議にすら思われている可能性があると。
将来的には、自宅または学校の自習室でのオンライン学習(各自やグループで)を基本として、学校は各自が学習したことをアウトプットする場所とするのが良いかと。できれば、アウトプットする場所は学校以外にも色々あると、なお良いですね。

「給付付き税額控除」を導入すれば複雑怪奇な税制はクリアになる
http://diamond.jp/articles/-/159687
専門家のあいだでは、複雑怪奇になった所得控除をやめて、よりすっきりした税額控除にすべきだという意見が大勢。先進国で導入の進む「給付付き税額控除」にすれば良いが、不合理な主張を頑としてゆずらないひとたちがいるため、合理的な税制改革ができないと。ホント、マイナンバーも導入したのだから、速やかに「給付付き税額控除」を実現して欲しいです。

<千葉県教委>成績管理に静脈認証 教員反発、登録拒む例も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180209-00000007-mai-soci
新システムでは生徒の成績を県教委のサーバーで一元管理。アクセスの際には自身のIDとパスワードの入力に加え、手のひらの静脈をパソコン内蔵センサーで読み取らせると。
情報セキュリティーを高めるのが狙いとありますが、なぜ「手のひらの静脈」なのかは不明ですね。個人的には、マイナンバーカードの認証機能を使えば良いと思います。

第196回国会(常会)総務省提出予定法律案等 平成30年1月19日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kanbo02_02000037.html
電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律案など。
関連>>総務省が身内に甘い2法案を提出した理由
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00031/
攻撃者情報をインターネット接続事業者で共有するための改正と。

日本だけが漁獲量減少、ノルウェー漁業を見習うべき理由
http://diamond.jp/articles/-/160040
水揚げ量の減少は、日本特有のもの。一番大きな理由として考えられるのは、長年、魚を獲りすぎているために資源量が激減していること。漁業先進国では、国として厳正なTACを定めることで、乱獲を防ぐシステムを構築していると。
何年も前から言われてきたことですが、未だに対応が遅れているとは、さすがの農林水産省です。日本の政策はエビデンスベースではなく、集票マシーンで決まるということでしょうか。

ブロックチェーンの業務利用、本格導入への道筋は
http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/idg/17/020700111/020700001/
ブロックチェーンを基盤とするサプライチェーンネットワークなら、最新の状態に至るまでの記録を収めた台帳のコピーをすべての利害関係者が保持し、その正当性が保証されると。例として、「通関手続きに伴う手作業工程の自動化」などを挙げています。
エストニアのように、法的根拠に基づき、Xロードでマシーンtoマシーンによる自動化を実現していると、ブロックチェーンを採用しやすいですね。

コインチェック流出は安全策の不備だけが問題ではない
http://diamond.jp/articles/-/159477
セキュリティの選択はユーザーに委ねている部分も多い。銀行などが使っている、「アプリ式のワンタイムパスワード」を使っているかどうかが一つの判断基準になると。

なぜオープンAPIか?森金融庁長官が掲げる理想と現実
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00130/020800003/
現段階ではトータル27行が公開済みまたは公開を決定している。アンケートから浮かび上がったのは、「費用対効果の不透明さ」で、公開を決断したからといって、決して現時点で具体的なビジネスモデルを描けているわけではないと。

年金分野でのマイナンバー制度の利用について 2018年2月14日
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193798.html
・20171月より年金分野でのマイナンバー利用が開始している
・年金手帳の代わりにマイナンバーカードを窓口に持参すれば良い
・2018年3月からは、マイナンバーで年金関係の手続きができる
・マイナンバーを変更した場合は、日本年金機構への届出が必要

三鷹市 |住民情報システム共同利用の協定を締結しました
2018年2月14日 企画部 情報推進課
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/c_photo/071/071541.html
三鷹市、立川市、日野市が、「住民サービスの向上」、「情報セキュリティの向上」、「コスト削減」等を目的として協定を締結し、平成34年度の共同利用を目指す。人口18万人規模の3市による事例は、東京都初の取り組みと。3市の人口が約55万人なので、ちょうど良い規模ですね。

「テレワークセキュリティガイドライン(第4版)」(案)に対する意見の募集
平成30年2月13日 意見提出期限:平成30年3月15日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000192.html
最近の社会や技術の変化(クラウドサービスやSNSの普及等)、新たなセキュリティ上の脅威(無線LANの脆弱性、ランサムウェアや標的型攻撃の登場等)などを踏まえた改定。追加項目として、
・会社の端末に加えて私用端末(BYOD)を利用する場合や
・クラウドサービスを利用する場合の留意点
・無線LANの脆弱性対策(VPNの利用、https接続の利用等)
・SNS利用の留意事項
・トラブル事例・対策
・参考リンク集 など

家族の法制に関する世論調査 平成29年12月調査
https://survey.gov-online.go.jp/h29/h29-kazoku/index.html
世論調査を見る限りでは、選択的夫婦別氏制度の導入に賛成する人が多いので、あとは有権者の意思表示と政治判断でしょうか。
・家族の役割に対する考え方
・選択的夫婦別氏制度の導入に対する考え方
・裁判上の離婚 など
婚姻前から仕事をしていた人が、婚姻によって名字(姓)を変えると、仕事の上で何らかの不便を生ずることがあると思うか聞いたところ、「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者の割合が46.7%、「何らの不便も生じないと思う」と答えた者の割合が50.7%とありますが、60歳未満で見ると「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた割合が半数を超えています。

特別養子縁組制度について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169158.html
特別養子縁組の成立数は、横ばいで推移してきたが、ここ3年で大きく増加とありますが、それでも27年度で542件だけ。成立要件は、父母(実父母)の同意、養親は配偶者のいる夫婦で25歳以上、養子の年齢は6歳未満、6ヵ月以上の監護期間など。

債権者に別人の住民票 熊本市が誤交付 債務者と同姓同名
https://this.kiji.is/332321314038367329
企業は誤った住民票を基に、今年1月、裁判所に支払い督促を申し立てたと。「今後、履歴確認などの手順を徹底する」とありますが、マイナンバーの活用が待たれるところです。

北朝鮮、平昌五輪の“ほほえみ外交”という虚飾の裏側
それでも止まぬサイバー攻撃と、韓国の思惑
https://wired.jp/2018/02/19/north-korea-olympics-hacking/
金正恩が新年の辞で「南の国境での平和的解決」を呼びかけた数週間後にも、北は南への攻撃を続けていた。財政状況の悪化を考えれば金政権に選択肢はあまりないと。

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