我が国のIT戦略の新たなフェーズに向けて(骨子素案)に対する意見の募集

我が国のIT戦略の新たなフェーズに向けて(骨子素案)に対する意見の募集について
平成29年5月2日 内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/boshu/ikenboshu290502.html
「我が国のIT戦略の新たなフェーズに向けて~官民データ利活用の環境整備~(骨子素案)」について、意見を募集。GWを挟んでの5月11日(木)正午までと、かなり厳しいスケジュールですね。募集している内容は次の通りです。
①「官民データ利活用型社会モデル(仮称)」という名称についての案
② 電子行政分野等の各分野に関し、国民や企業等にもたらされるメリットの記載例以外の事例
③ 事例を達成するための目標年限、目標値、評価指標
④ 電子行政分野等の各分野毎に、世界最先端と考えられる海外でのデータ利活用等の具体的な取組事例
⑤ その他、気が付いた点など
今回の日本における「官民データ利活用の環境整備」と、データ利活用の先進国とされるエストニアにおける「官民データ利活用の環境整備」を比較した場合、エストニアで実現されていて、日本で実現されていないのは
1 信頼性の高い公的なデータベースの統合・整理
2 上記DBのデータを安全に交換・自動処理できる仕組み
別の言い方をすれば、1が「デジタル社会に対応したデータガバナンスの確立」で、2が「人とコンピュータのデジタルパートナーシップ」です。
今回の骨子素案では、官民が保有する既存データの利活用や流通について語られていますが、データそのものへのアプローチが無いように思いました。
「本当に必要な信頼性の高い公的データを、デジタル社会に対応できるよう、誰がどのように管理するのか」を見直すことなく、「データ利活用」を進めようとしても、お金がかかるばかりで、少なくともエストニアのようなデジタル社会は実現できないでしょう。
もちろん、エストニアとは異なる「日本のやり方でゴールを目指す」というのも、一つの選択です。


3000万人のデータを平気で取得解析できる国は恐ろしい
http://agora-web.jp/archives/2025716.html
中国国内で販売した3000万台以上のスマートウォッチを使って、中国人の睡眠に関するデータを収集し、ビッグデータ解析した例で、3000万人全員から装着データの利用について事前に同意を得たのだろうかと。
エストニアでは、個人データの保護を考える時は、統計の専門家とITの専門家が参加するのが普通です。エストニアのゲノムバンクがオプトインで5万人のデータを取得しているのも、「5万人のデータがあれば目的を達成できる」と考えているからです。
次世代医療基盤法成立 個人の医療情報活用
https://mainichi.jp/articles/20170428/k00/00e/040/238000c
各地の医療機関や薬局などが個別に把握している医療データについて、誰のものか識別できないようにした上で集約することで、新薬の開発や新しい治療法の確立などに役立てるのが狙いと。エストニアの医療データ集約とは、かなり異なるアプローチですね。これでは、個人の医療情報活用は進まないように思います。
関連>>医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案
http://www.cas.go.jp/jp/houan/193.html
平成29年4月28日 参議院本会議 可決
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/193/meisai/m19303193053.htm


財政制度分科会(平成29年4月20日開催)資料 平成29年4月20日
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia290420.html
マイナンバーを活用した「金融資産等を考慮に入れた負担を求める仕組みの医療保険への適用拡大」なども。国内問題については、社会保障制度への切込みが改革の本丸なので、引き続き進捗を見守りたいと思います。
○日本の社会保障関係支出は今後も医療費・介護費を中心に、増加が見込まれる。
○わが国社会保障制度は、社会保険方式を採りながら、高齢者医療・介護給付費の5割を公費で賄うなど、公費負担(税財源で賄われる負担)に相当程度依存している。
○その結果、近年、高齢者医療・介護給付費の増に伴い、負担増は公費に集中している。○これを賄う財源を確保出来ていないため、給付と負担のバランス(社会保障制度の持続可能性)が損なわれ、将来世代に負担を先送りしている(=財政悪化の要因)。
○わが国の医療・介護制度の特徴は、国民皆保険、フリーアクセス、自由開業制、出来高払い。医療・介護費の増大を招きやすい構造。
○医療保険・介護保険における負担の在り方全般について、マイナンバーを活用して、所得のみならず、金融資産の保有状況も勘案して負担能力を判定するための具体的な制度設計について検討を進めていくべき。
●政府が国民からの信頼に応えるだけでなく、様々な観点で公共心を養うとともに、 周りの人への信頼が高まるような取り組みが重要。
●雇用の安定、能力の向上・発揮とそれに伴う生産性の向上が実現されるような働 き方が確保されることが重要。
●公共心の低い人びとは、負担なしに給付を期待するので大きな政府を支持する 一方、公共心の高い個人は、信頼できる人たちが周囲にいる場合に限り、寛大な給付と高い税負担を支持することを示している。
関連>>財務省の薬価制度の改革資料に驚き
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201704/551066.html


Interoperability Maturity Model
http://surveys.gartner.com/s/IMM
公共サービスの管理者(オンライン税務申告、オンラインビジネス登録、住所変更などのサービスを担当する者)が、オンライン公共サービスの成熟度を自己評価できるツール。アンケートに回答すると、評価や改善のアドバイスを含むレポートが生成されます。6月15日まで利用可能と。
第3回がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会 平成29年4月25日
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000163512.html
がんゲノム医療推進コンソーシアムについての論点(案)を公開。「がん撲滅」の実現のためには、質が確保されたより多くのがんゲノム情報を効率的に集約・利活用できる仕組みが不可欠であると。
医学的に意義がある遺伝子のパネル検査(NGSパネル)、一定の要件を満たす医療機関を指定(がんゲノム拠点)、個々の患者のゲノム変異に基づく治療決定(AIの活用)、免疫チェックポイント阻害剤などの効果予測因子をふまえた個別化医療など。
データ・ドリブン・マーケティングの最低限知っておきたい15の指標
http://diamond.jp/articles/-/126025
トランザクションコンバージョン率や広告費用対効果が見える化してくると、電通などの旧態依然の広告会社が衰退するので、社会全体にとっても良いことですね。
届出だけで婚姻が成立する日本は、実は少数派
http://agora-web.jp/archives/2025705.html
届出だけで婚姻を成立させるわが国の制度は、世界的に見て極めて珍しい。明確な理由はわかりませんが、戸籍制度ができるまでは儀式だけ(武士の場合は君主の許可も必要)で結婚が成立したことから、届出は「ただの形式」に過ぎないと軽視する傾向があったのかもしれないと。戸籍の信頼性は色々と問題がありますね。
関連>>行政事務の効率化を妨げる日本の戸籍制度、本人確認できなくても婚姻届は受理される
神流町HP、議員名は個人情報?紹介コーナーで「白塗り」
https://mainichi.jp/articles/20170421/k00/00e/040/281000c
広報誌の「議会だより」で、議員名を伏せるって、すごいセンスですね。指摘する職員はいなかったのかな。
訪日外国人の移動実態が明らかに、JR東日本とNTTデータがデータ公表、入国地や国籍で移動の違い鮮明
https://www.travelvoice.jp/20170421-87449
携帯電話運用データ「モバイル空間統計」や観光アプリ「Japan Travel Guide」のGPSデータを使用。広域移動が多いのは関東と近畿からの入国者で、狭域移動は北海道や沖縄、九州の入国者。国別では中国、米国、フランスからの旅行者は広域移動の傾向が高く、滞在する都道府県の数が多いと。ふと「ゲルマン民族の大移動」を思い出しました(^-^)
ウェアラブル等のITを活用した働き方改革に係る懇談会 平成29年4月24日
http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424005/20170424005.html
生産性向上に関する取組、健康確保に関する取組を紹介。「毎日の糖尿病管理を七福神が伴走! 未受診・脱落・コントロール不良をなくせ!!」など。
平成28年度 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめ
http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20170424001.html
国内BtoC-EC市場が15兆円(前年比9.9%増)を突破。中国向け越境EC市場も1兆円を突破。
平成28年のネットオークション市場規模は、10,849億円(うち、CtoC部分3,458億円)、フリマアプリ市場規模は3,052億円に。
スマートフォンへの利用者証明機能ダウンロード検討サブワーキンググループ(第6回)
平成29年4月21日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/mynumber-card/02tsushin01_04000465.html
公的個人認証サービスのスマートフォンでの利活用実現に向けた実証結果の概要を公開。検証ポイント、検証結果、評価会の開催など。先行導入の実現に向けた今後の取組も紹介。
●Androidスマートフォンへの利用者証明機能ダウンロード(仕組み)
・モバイル通信事業者3社が提供するNFCプラットフォームを活用し、利用者証明機能をダウンロード。
・公的個人認証サービスで鍵ペア生成、電子証明書発行を行い、SIMカードに秘密鍵及び電子証明書を記録する。
●iOSスマートフォンへの利用者証明機能ダウンロード(仕組み)
・iOSが管理するKeychain領域に秘密鍵及び電子証明書を記録する。
・iOSスマートフォンで鍵ペア生成を行い、公的個人認証サービスで電子証明書を発行する。
「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会中間とりまとめ」の公表
平成29年4月25日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei08_02000121.html
長期的な「定住人口」や短期的な「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる者である「関係人口」に着目し、「ふるさと」に想いを寄せる地域外の人材との継続的かつ複層的なネットワークを形成することにより、このような人材と「ふるさと」との関わりを深め、地域内外の連携によって自立的で継続的な地域づくりを実現することが重要と。
デンマーク首相もサポート。たった5年間で、国内の食料廃棄を25%も減少させた“怒れる一般人女性”
http://beinspiredglobal.com/stop-wasting-food-movement-denmark+
食料廃棄率の減少については、日本も改善の余地が大きいですね。
ダイバーシティの実現に必要なもの
http://jyoshige.com/archives/8819982.html
「周囲の理解と配慮(≒我慢と無料奉仕)」は悪手。職員全体のワークスタイルの自由度を向上させて、「クラウド・フレックス化を推進したら、自然にダイバーシティが進んでいた」となるべきなど。合理的でなるほどと思える提言やアイデアが多いです。
Trump Plans To Launch ‘American Technology Council’ To Modernize US Government
https://www.forbes.com/sites/ryanwhitwam/2017/05/01/trump-plans-to-launch-american-technology-council-to-modernize-us-government/#4b8926fd5334
トランプ大統領は、米国政府を近代化するために「アメリカンテクノロジー評議会」を立ち上げると。具体的な施策が出てくるのは、しばらく先になりそうです。
関連>>Presidential Executive Order on the Establishment of the American Technology Council
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2017/05/01/presidential-executive-order-establishment-american-technology-council
アメリカ人は政府からより良いデジタルサービスを受けるべきと。
Denmark to ‘clean-up’ government IT systems
https://joinup.ec.europa.eu/node/160966
デンマーク政府は、年間約10億ユーロをICT関連で支出しており、ICTのコストと活動の優先順位付けが望ましいと。
Germany wants to simplify eGovernment services
https://joinup.ec.europa.eu/node/160942
ドイツでも、電子政府サービスとオンラインビジネス取引(公共調達)を簡素化したいみたいで、そのためにEU標準のトラストサービスへの対応が必要と考えているようです。eヘルスへの期待など、ドイツには日本と共通する悩みが多そうです。
Prototype of eParticipation portal shared as open source
https://joinup.ec.europa.eu/node/160912
EUが、eParticipationポータル(EU言語に機械翻訳する機能付き)のプロトタイプのソースコードを公開しています。プロトタイプの段階で公開しているのが良いですね。EUやその加盟国を中心として、公的予算で作成されたICTツールをオープンソースとして共有する事例が増えています。
「知識のないシニア富裕層」を食い物にするのはやめよう
http://agora-web.jp/archives/2025787.html
円定期預金の法外な金利をエサにして、ラップ型投資信託の手数料で稼ぐやり方があるそうですが、大手信託銀行のプランだとすると、これは確かにひどいですね。
「APIファースト」の本質–なぜ銀行がAPIを公開するのか
https://japan.zdnet.com/article/35100284/
企業は、APIによってつながる「エコシステム」の一部となり、顧客の「ビジネス・モーメント」に応えると。