コンビニ証明書交付サービスから抜け出せない日本の電子政府

コンビニ交付の普及よりも、証明書の交付不要を進めよう
東洋大学の山田肇先生の投稿。共通番号法の改正により、証明書の発行需要を減少することで、富士市の出張所での発行廃止も実現するだろうと。
 
以前ブログで書いた「コンビニ証明書交付サービスは本当に必要か」でも触れたように、戸籍謄(抄)本、住民票、所得証明書といった添付書類のうち、発行元と提出先の割合は
・国から国 7.5%
・自治体から国 17.5%
・自治体から自治体 24.5%
といった調査データ(2009年)もあります。他方、法令で規定されている場合を除いて、各種公的証明書等を民間企業へ提出するケースは、ほとんどありません。代替手段は、いくらでもあるのです。
 
上記ブログを書いたのが7年前の2010年ですから、かれこれ10年ほども無駄な添付書類問題が放置され続け、ようやく今になって総務省行政評価局の勧告により、一部の手続について見直されるかもしれないというのが現実なのですね。これは、「物事を決められないこと」が日本のデジタル政府の実現を妨げているということです。
 
コンビニ交付は、確かに住民にとって利便性がありますが、導入・維持費用は安いものではなく、既存のやり方の枠組みから出るものではありません。「我が国では、10-20年かけて、最先端の技術でコンビニ交付を実現しました」と言ったら、電子政府先進国の人たちは、どのように思うでしょうか。。
 
総務省行政評価局は、今回の勧告だけでなく良い仕事をしてくれていますが、「コンビニ証明書交付サービス」を推進しているのは他ならぬ総務省自身なので、証明書の交付不要を進めるためには、政治的な支援や内閣官房等の積極的な関与が必要になるでしょう。
 

 
第14回規制改革推進会議 平成29年3月29日
「行政手続部会取りまとめ~行政手続コストの削減に向けて~」を参考資料と共に公表。行政手続簡素化の3原則、重点分野と削減目標、戦略的な取組の推進など。改革というよりは、既存のやり方の延長・改善でしょうか。
主要経済団体からは、次のような提言が出ています。
行政事務に係る既存の制度・業務フロー・慣行等を抜本的に見直し、国・地方を通じた業務標準化を含めた BPR(BusinessProcess Re-engineering:業務改革)を徹底した上で、「デジタルファースト」「ワンストップ」「ワンスオンリー」「書式・様式の統一」を原則とし、真に実効ある効率的な電子政府を構築すべきである。その際、マイナンバーの利用範囲の拡大や情報連携基盤の対象範囲の拡大、取扱規制の見直し等をすべきである。
 
平成29年第4回経済財政諮問会議
骨太方針2017の策定に向けた資料が出ています。
 
地方公共団体が保有するパーソナルデータに関する検討会(第5回)平成29年3月29日
検討会報告書(案)が公開されました。
 
「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律施行規則案」及び 「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律施行規則案」に関する意見募集の結果 平成29年3月31日
個人識別符号及び要配慮個人情報の定義の一部を定める規則案への意見募集結果です。
関連>>上記の意見募集の告知
 
「平成28年度業務改革モデルプロジェクト」成果報告書の公表 平成29年3月30日
地方行政サービス改革の取組状況等に関する調査結果 平成29年3月30日
民間委託(事務事業)の実施状況、指定管理者制度の導入状況、窓口業務の民間委託、総合窓口化、庶務業務の集約化等の実施状況など。
 
電子申請に関するアンケート調査結果(平成28年度)
平成29年3月31日 厚生労働省政策統括官付 情報化担当参事官室
・電子申請を利用するメリットの回答として、「行政機関へ出向く移動時間や待ち時間の節約」、「24時間365日いつでもどこからでも申請可能」、「用紙や郵送代、交通費等の経費の節約」が多い。
・電子申請を利用しない理由として、「電子証明書の取得など、準備に費用や手間がかかるから」が最も多い。
・電子政府の総合窓口「e-Gov」と業務用ソフトの親密性が高まったので、以前と比べ格段に使いやすくなった。
・時期により審査時間が長くなり、紙媒体で処理をした方が早い場合がある。
・e-Gov WEB上での入力や磁気媒体届書作成プログラムが外字対応しておらず、いちいち添付ファイルでその文字を送らなければならない。 
関連>>外部連携API仕様公開(ソフトウェア開発事業者の方へ)|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ
 
過疎地域等における集落対策のあり方についての提言の公表 平成29年3月30日
過疎地域等における集落の概況を踏まえて、これからの集落対策において大切な視点を提示。
関連>>「田園回帰」に関する調査研究中間報告書の公表
 
相続手続き簡素化、5月開始 戸籍情報を証明書1通に 
被相続人と相続人全員の氏名や続柄などの戸籍情報が記載された証明書を5月下旬から発行すると。これは良いなあと思ったら、「相続人の一人が全員分の氏名、続柄、生年月日などを記した一覧図を作成し、亡くなった被相続人と相続人全員の戸籍をそろえて法務局に提出すると、法務局が内容を確認して証明書をつくる」って、間違いなく国民をなめてるでしょ。「被相続人が死亡すると、法務局の情報システムで自動的に相続人の一覧図が作成されて、必要に応じて証明書を発行する」のが普通のサービスです。
 
「ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸ver1.0」を策定
平成29年3月29日 経済産業省 商務情報政策局
従来システムとの比較可能性・網羅性を考慮し、評価項目間のトレードオフを整理した世界初の「ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸」を策定。ブロックチェーンプラットフォームに加え、周辺サブシステムを含めたシステム全体を評価対象にして、評価軸を「品質」「保守・運用」「コスト」の3つの大項目で整理しています。こうした地道な作業が、今のブロックチェーンに必要なんですよね。
 
ブロックチェーン、医療分野での用途は
保険金請求の円滑な解決、医療用IoT機器の管理、個人医療データのプライバシー設定の細分化など。暗号化された分散型公開台帳であるブロックチェーンには、医療分野で数多くの用途が考えられる。医療機器に一意のIDを付与し、各機器の情報を共有台帳に記録して、他のシステムからアクセスできるようにすることで、保守管理を自動化できる可能性もあると。
 
第1回がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会(資料)平成29年3月27日
がんゲノム医療とは、がん患者の腫瘍部および正常部のゲノム情報を用いて治療の最適化・予後予測・発症予防をおこなう医療行為と。エストニアでも、個別化医療の実現が医療戦略上の重要な施策になっています。
 
マイナンバー情報連携の本格運用はなぜ延期できたのか
リーダーシップ不在の状況を大きく変えたのが、2016年8月の内閣改造である。安倍晋三総理大臣は、高市早苗総務大臣にマイナンバー制度担当の内閣府特命担当大臣を兼務させ、制度の導入を一元的に進めるよう指示。
プロジェクト全体の責任者が明確になり、関係者が現場の状況を正確に把握・共有できるようになったことが、今回の「本格運用」を延期するという決断に結び付いたと。
 
総務省と経済産業省の連携チームの発足 平成29年3月28日
平成29年3月から、経済産業省商務情報政策局長と総務省情報通信国際戦略局長とによるチームを発足し、6つのテーマに関して継続的に検討を行い、検討の成果を今後の施策へ反映させると。
1 サイバーセキュリティ等への投資促進
2 IoT人材の育成
3 情報流通促進のための制度環境整備
・データ取引に関する環境整備
・認証連携の推進
4 シェアリングエコノミ-、ブロックチェーン技術の実証試験など
5 地域におけるIoT利活用の推進
6 グローバル展開(標準化提案など) 
 
森友で注目の公的不動産は570兆円もの眠れる可能性
改めて注目したいのは公共不動産の「活用」であって、森友で話題の国有地に見られるような「売却」ではない点。「売却よりは、国民の立場から長い目でみれば毎年何億か入ってくるほうがいいし、得するのになぜ売ってしまうのか」と。
 
フリーランス必見!!知って得するツール集
中小企業・小規模事業者向け施策の中から、フリーランスが活用できそうなものを抜粋し、(1)事業を立ち上げる・独立する、(2)事業を軌道に乗せる、(3)もしもに備えるの3つのカテゴリーで紹介。
 
平成28年情報通信業基本調査の結果
インターネット附随サービス業の企業数は545社、平成27年度売上高は2兆3,954億円(前年度比26.7%増)。サービス別では、ウェブコンテンツ配信業等が前年度比2桁の増加。
情報サービス業の企業数は3,494社、平成27年度売上高は17兆2,683億円(前年度比15.9%増)と6年連続の増加。業種別では、受託開発ソフトウェア業が最多と。
 
経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の滞在期間延長の条件となる国家試験の得点基準
EPA看護師候補者(平成26年度入国)の滞在期間延長の条件となる「第106回看護師国家試験」の得点基準は、合格基準点の5割以上の得点となる91点。
EPA介護福祉士候補者(平成25年度入国)の滞在期間延長の条件となる「第29回介護福祉士国家試験」の得点基準は、合格基準点の5割以上の得点となる38点。
 
地域IoT実装推進タスクフォース 地域資源活用分科会(第5回)平成29年3月24日
地域資源活用分科会報告(案)について。
 
地方自治情報管理概要(平成28年4月1日現在)の取りまとめ結果 平成29年3月28日
電子自治体の推進体制等、電子自治体の基盤の整備、行政サービスの向上・高度化、業務・システムの効率化、情報セキュリティ対策の実施状況、個人情報保護対策について。
 
「クラウドサービスの安全・信頼性に係る情報開示指針」の改定 平成29年3月31日
特定個人情報及び医療情報を取り扱うクラウドサービス向けの情報開示項目を定めるとともに、既存の項目の見直しを行ったと。こうした指針こそ、githubで公開した方が良いと思うのですが。。
 
「日本はWi-Fi後進国、外国人が困っている」に異議あり!
フリーWi-Fiがないよりもあったほうがいいのは当然だが、技術の進歩に合わせた柔軟な対応が必要。せっせと「フリーWi-Fi先進国」を目指して整備を進めていても、気づけば「トラベラーズSIM後進国」になっているようでは意味がないと。私の場合、海外では、ホテルでWi-Fi、外出時は現地SIMカードか旅行用モバイルWi-Fiルーターといった使い分けでしょうか。
 
デジタルアーカイブの利活用促進のための国際標準の検討が始まります~デジタルアーカイブ「コピーして使っていいの?」に答える標準化~
全般的権利情報の表示、詳細権利情報の表示、利用許諾申込みフォームなど。日本提案を元にした国際規格が発行されれば、利用者が権利情報をより簡易に確認できるようになり、デジタルアーカイブの二次利用の活性化、コンテンツの広範な流通の活発化に繋がると。
 
書評「デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論」
なんとなく「日本って世界第二位か三位くらいの経済大国でしょ」くらいのぼんやりしたイメージを抱きがちな日本人にとってはなかなか衝撃的な姿がそこに並ぶと。
・一人あたりGDP=先進国中最下位(世界第27位)
・一人あたり輸出額=世界第44位
・外国人観光客からの売上のGDP比=世界第126位
日本が電子政府の後進国(お金をかけて先進国風に見せることはできる)であることを、素直に受け入れられない人も多いですね。
 
France renews SILL reference list of free software
政府のIT調達で参照されるSILL 2017のリストには、140種類のフリーソフトウェアソリューションが掲載されていて、政府の専門機関によって承認されています。フリーソフトウェアやオープンソースの利用は、フランスIT戦略の中核を担っています。
関連。>SILL – Socle Interministeriel de logiciel libre

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*