新刊書籍のお知らせ 「新社会基盤 マイナンバーの全貌」(日経BP社)

新社会基盤 マイナンバーの全貌
日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会 理事長 森田 朗 (監修), 市民が主役の地域情報化推進協議会 番号制度研究会 (編集)
日経BP社

私が裏方をお手伝いしている「日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP)」と「市民が主役の地域情報化推進協議会(クリック)」の名義による、マイナンバー書籍が2015年9月3日付けで発刊となりました。

本書の構成は

第1章 マイナンバー制度とは
第2章 制度の実務対応指南-民間企業編
第3章 制度の実務対応指南-自治体編
第4章 制度を支えるシステムの役割
第5章 個人情報保護を支える仕組み
第6章 制度施行と今後の発展への展望(インタビュー、座談会)

私も、少しだけ(第1章第1節第1項・第6項、第1章第2節)執筆していますが、「現在のマイナンバー制度に足りないもの」にも触れておきました。

既に多くのマイナンバー関連書籍が出ていますが、読み応えがあるのは、内閣官房IT担当室への出向経験があるNTTデータ山田英二さん担当の第2章「制度の実務対応指南-民間企業編」と、全国地域情報化推進協会(APPLIC)の吉本明平さん担当の第3章「制度の実務対応指南-自治体編」と思います。内容としては、総務や労務担当者向けというよりも、マイナンバー対応の情報システム担当者向けでしょうか。

山田さんと吉本さんのお二人は、私の知る限りでも、富士通総研の榎並さんと並んで、この分野に詳しい方と認識しています。

他のマイナンバー関連書籍に無い特徴としては、第5章「個人情報保護を支える仕組み」で、新潟大学の鈴木正朝先生が個人情報保護法制2000個問題を解説していること、医療情報システム開発センター理事長の山本隆一先生が医療等IDのあり方を提案されていること、医療関係者によるコラムが多数あること等が挙げられます。

特に山本先生による具体的な医療等IDの実現に向けた解決策は、初めて書籍化されたのではないでしょうか。

第6章のインタビューと座談会は、マイナンバー制度に関心がある政治家の方々にとって参考になる内容と思います。

ということで、純粋な実務対応本という感じではありませんが、基本的な実務を抑えつつ、ちょっと変わった切り口でマイナンバー制度を学びたい人には、なかなか面白い内容に仕上がっていると思います。

実践!企業のためのマイナンバー取扱実務
榎並 利博
日本法令