Manaboo's Essay -- as the whim takes me -- マナブーきまぐれ独り言

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りんごコロコロ

2001/5/20

先日、上野動物園にパンダを見に行きました。

メキシコ帰り(お見合いのため)のリンリン(オス)は、

毛の生え変わる時期らしく、顔がなんか変な感じ。

ところで、パンダの仕草は

毎日楽屋で練習していると思われるほど、かわいらしい。

あんまりカワイイので、胸が苦しくなっちゃったよ。

いつもより一回り小さく見えたのは、旅疲れのせいかな。

考えてみれば、慣れない外国に行って

ウッフーン!とフェロモン出しまくりの外人ギャル3人(匹)に囲まれる
(メキシコの動物園にはメスパンダが3匹いるらしい)

という何とも体力を消耗しそうな環境にいたわけだから

一回り小さくなるのも、無理はないというところか。

リンリンも若くないしねー


さて、本題。

先日、地元の市バスに乗った。

時間は、夕刻ぐらいかな。

駅へと向かうバスの車内は比較的空いており、

私は中央右側に着席。

で、何をするともなしに、車窓から外をぼんやり眺める私。

私の3つ前ぐらいの座席では、

若奥様が一生懸命に赤ちゃんを寝かしつけようとしている。


すると、急に赤ちゃんが泣き始めた。

ありゃりゃ、大変だなあ。と思ったそのとき

彼女の手元から、おいしそうなリンゴが床に転げ落ちたのだ。

コロコロ転がるリンゴは、反対側の座席の下へ。

赤ちゃん抱える彼女は、当然ながら取りにいけない。

こりゃー、大変。拾いに行かねば。

と思ったときに、もう一つのリンゴが床に落ちて

今度は、車内前方の入口付近へ。

そのまま、入口ステップへ転がり落ちてしまった。

あらら、と思っていると、バスは次のバス停へ到着。

拾いに行こうかどうしようかと迷う私。

すると、運の悪いことに、会社帰りの乗客が大量に乗り込んできたのだ。

車内は、あっという間に満員に。

もはや、拾いに行くことができない・・・


とっさに拾いに行けなかった自分を悔やむ。

きっと彼女は、

「どうして誰も私のリンゴを拾ってくれないの?」

「あー、せちがらい世の中ねー」

と思ってるに違いない。

たぶん、そんなことは思わないだろうけど、

そのときは、そんな気がしたのだ。

今夜は、リンゴを拾えなかった悔しさで眠れない・・・

と落ち込む私に、ひとつの奇跡が。


なんと、座席下に隠れていたリンゴが、

コロコロと転がり出てきたのだ。

そして、ヘタの部分を上にして、その席に座る女性の足元に

チョコンと鎮座する状態になったのである。

が、車内は依然として混雑状態。

とても、拾いに行ける状況ではない。

拾いに行けるとすれば、バスが終点(駅)に着き、

車内が空いた瞬間である。

で、私は次なる奇跡を祈るのであった。それは、

1.リンゴを落とした若奥様が、終点まで乗っていること

2.バスの揺れに負けることなく、終点までリンゴが鎮座状態をキープすること


はたして、奇跡は起きた。

数々の急カーブに負けることなく、

リンゴは鎮座状態をキープし

若奥様も終点まで乗っていてくれたのだ。

バスは終点へと近づき、あとは、

私が「リンゴ救出作戦」を遂行するだけとなった。

もう気分は、大使館人質救出作戦を決行する特殊部隊員。


で、作戦決行。

バスが止まる直前に、座席から立ち上がり

鎮座状態を続けるリンゴへ一直線。

そして、リンゴを無事にゲット(救出成功!)

振り返り様、若奥様にリンゴを差し出し

「これ、奥さんのですよね」と声をかける。

ビックリした顔で、「はい」とうなずく彼女。

「もう一個、向こう(入口)に行っちゃいましたね」と言うと、

ニコッと笑って、「ありがとう」と応える彼女。

--- ミッション・コンプリート(任務完了!) ---


こうして、リンゴ殺人事件、じゃなくて、リンゴ救出大作戦は

リンゴ一個の犠牲はあったものの、見事成功したのであった。

あー、めでたし、めでたし。

きっと彼女も、

「この世の中も、まんざら捨てたもんじゃないわー」と

ご主人に言いながら、おいしくリンゴを食べたに違いない。

と、勝手に思っている。

小さな親切は、自己満足の産物なのね。

とりあえず、その日の夜はグッスリ眠れたのでした。

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